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高度経済成長期の日本、社長の夫と最高殊勲社員の妻が繰り広げる、プライドを賭けた夫婦げんかコメディ。
舞台は高度経済成長に沸く日本。大会社の社長として権勢を誇る野々宮。家庭では貞淑な妻・百合子が彼を支える、誰もが羨む理想の夫婦。しかし、その日常は突如として崩壊。なんと百合子が、夫のライバル会社から「最高殊勲社員」として表彰されたのだ。妻の華々しい成功に、夫のプライドはズタズタ。家庭内のパワーバランスは逆転し、二人の間には冷たい火花が散る。会社での面子と夫としての威厳を守りたい野々宮と、一人の女性として輝きたい百合子。果たして、この夫婦戦争の果てに待つものとは。
ネット上の声
- コートに牛乳溢れてもお構いなしに食事してるの最高すぎるし、電車で読んでる新聞の見
- 軽妙なたわいない話。若尾文子をはじめ出演者が溌剌として小気味いい。
- 若尾文子の良さは庶民的なところ、という事を熟知した演出
- このテンポ、この笑い、傑作コメディ
ヒューマンドラマ
- 製作年1959年
- 製作国日本
- 時間95分
- 監督増村保造
- 主演若尾文子
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第一次世界大戦の塹壕。無謀な突撃命令を拒否した兵士たちと、彼らを守ろうとする指揮官の理不尽な戦い。
第一次世界大戦下のフランス。膠着した戦況を打破するため、ダックス大佐の連隊に、攻略不可能と名高いドイツ軍の拠点への突撃命令が下る。無謀な作戦は案の定失敗に終わり、多くの兵士が命を落とす。しかし、司令部は作戦失敗の責任を兵士に押し付け、見せしめとして計三名を「敵前逃亡」の罪で銃殺刑に処すと決定。かつて有能な弁護士だったダックス大佐は、部下たちの命を救うため、非情な軍法会議で巨大な権力に立ち向かう。正義と組織の論理が激突する、緊迫の法廷劇。
ネット上の声
- ヒューマニテイを主題にしたキューブリック監督には珍しい作品
- カーク・ダグラスは『炎の人ゴッホ』しか観たことがない💦
- 命を軽視する戦場の異常さ。その表現の多彩さ。
- WW1中に仏蘭西で起きた実話を元に映画化
ヒューマンドラマ
- 製作年1957年
- 製作国アメリカ
- 時間86分
- 監督スタンリー・キューブリック
- 主演カーク・ダグラス
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昭和30年代の東京、継母に虐げられながらも、持ち前の明るさで運命を切り拓く一人の若い女性の物語。
舞台は、高度経済成長期に差し掛かった1957年の日本。田舎でのびのびと育った、明るく純真な少女・小野有子。実の父に会うため、大きな期待を胸に上京。しかし、そこで彼女を待っていたのは、裕福な父の家庭と、彼女を女中として扱う冷酷な継母と意地悪な姉妹。突然突きつけられた過酷な現実と、辛い仕打ちの毎日。それでも有子は、決して笑顔と優しさを失わない。その健気な姿は、周囲の人々の心を少しずつ溶かしていく。やがて彼女の前に現れた二人の青年との出会いが、その運命を大きく動かすことに。逆境の中で見つける本当の幸せと「青空」の行方。
ネット上の声
- 【”日本版シンデレラ&真の母を求めて三千里。”継母や義理の姉の嫌がらせにもめげず明るくたくましく生きる女性を描いた作品。若尾文子さんってお綺麗だなあ。】
- 私は女の人の服でノースリーブにふんわりしたスカートが一番好きなんですが、この頃の
- 総天然色がいい。登場人物も天然でいい。
- これを観れば誰でも若尾文子が好きになる
ヒューマンドラマ
- 製作年1957年
- 製作国日本
- 時間89分
- 監督増村保造
- 主演若尾文子
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列車事故で死んだ老機関士。英雄か、反逆者か。食い違う証言が、激動のポーランド史を生きた男の孤高の魂を浮かび上がらせる。
1950年代、社会主義下のポーランド。ある雪の夜、老機関士オジェホフスキが列車事故で命を落とす。事故原因を調査する委員会で、彼の同僚や上司たちが次々と証言台へ。戦前の資本主義時代からドイツ占領下、そして現在の社会主義体制に至るまで、鉄道一筋に生きてきた彼の過去。ある者は彼を党の方針に忠実な模範的労働者と讃え、またある者は時代遅れの頑固者、あるいはサボタージュを企んだ反逆者だと非難する。断片的な証言が交錯する中で、信念を貫き通した一人の男の、知られざる実像が徐々に明らかになっていく。
ネット上の声
- ヴァイダやハス、後にはポランスキーやキエシロフスキ、ザヌーシを輩出したウッチ映画
- 闇が広がる夜、走行中の列車に男が飛び込んだ
- 川崎市市民ミュージアムにて
- 夜の闇を走る蒸気機関車
ヒューマンドラマ
- 製作年1957年
- 製作国ポーランド
- 時間89分
- 監督アンジェイ・ムンク
- 主演カジミェシュ・オパリンスキ
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結婚4年目、倦怠期の夫婦。姪の家出をきっかけに噴出する、ささいな日常の不満と愛情を描くホームドラマ。
舞台は昭和30年代の東京郊外。結婚して4年、新興住宅地で暮らすサラリーマンの亮太郎と妻の文子。二人の間には倦怠期の空気が漂い、些細なことで口論が絶えない。そんなある日、夫の姪であるあや子が家出して彼らの家に転がり込んでくる。若く奔放なあや子の存在は、夫婦の平穏な日常に波紋を広げる。洗濯物の干し方から食事の好みまで、積もり積もった互いへの不満が次々と爆発。繰り返される夫婦喧嘩の果てに、二人が見つけ出すささやかな絆。まるで夏の驟雨のような、夫婦のありふれた一日。
ネット上の声
- 【ある貧しい夫婦の、つまらない事から起きた夫婦喧嘩と和解を描いた何だか、遣る瀬無くも、そこはかとないユーモアを漂わせた作品。】
- 生まれる前の物語ですが、日本人の夫婦の物語は21世紀の今も変わりないと思います
- なんてことない日常なのにひき込まれる
- 5年目夫婦の機微(あきらめとも言う)
ヒューマンドラマ
- 製作年1956年
- 製作国日本
- 時間91分
- 監督成瀬巳喜男
- 主演佐野周二
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平安末期、人買いに売られ奴隷となった貴族の姉弟が、過酷な運命に抗い、母との再会を誓う壮絶な物語。
時代は平安末期の日本。高潔な父を訪ねる旅に出た貴族の母子、玉木と姉の安寿、弟の厨子王。しかし、その道中で人買いの罠にかかり、母子は無残にも引き裂かれる。姉弟が売られた先は、冷酷非道な山椒大夫が支配する荘園。そこは人間性が否定され、逃亡者には焼きごてが押される地獄のような場所だった。過酷な労働と虐待に耐えながら、二人はいつか母と再会するという希望だけを支えに生き延びる。歳月が流れ、成長した厨子王に脱出の好機が訪れる。その時、姉の安寿が弟の未来のために下した、あまりにも悲しい決断とは。
ネット上の声
- 厨子王の少年期が津川雅彦さんだなんて、観返したけど言われなきゃ解んない
- 古典に命を吹き込んだ溝口流リアリズム
- 映画史上もっとも美しいフィナーレ
- 厨子王にちょっと???・・・
ヒューマンドラマ
- 製作年1954年
- 製作国日本
- 時間124分
- 監督溝口健二
- 主演田中絹代
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第二次世界大戦下のモスクワ。出征した恋人を待ち続ける一人の女性の愛と苦悩を、革新的な映像美で描いた戦争ロマンスの金字塔。
1941年、モスクワ。ヴェロニカとボリスは幸せな未来を誓い合った恋人同士。しかし、ドイツ軍の侵攻により、ボリスは志願兵として戦地へ赴く。空襲で両親を失い、ボリスの家族のもとへ身を寄せたヴェロニカ。しかし、彼の不在と戦争の過酷な現実は、彼女の心を少しずつ蝕んでいく。愛する人を待ち続ける純粋な想いと、戦争がもたらす残酷な運命との間で揺れ動く魂の軌跡。カンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝いた不朽の名作。
ネット上の声
- ヴェロニカの心を描くモノクロ撮影美
- 鶴にはじまり鶴に終わる
- うーん、、、、。
- 戦争と貞操
ヒューマンドラマ
- 製作年1957年
- 製作国ソ連
- 時間97分
- 監督ミハイル・カラトーゾフ
- 主演タチアナ・サモイロワ
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絶望の淵に立つ男がクリスマスの夜に体験する奇跡。自分が生まれなかった世界を通して、人生の本当の価値を見出す感動のファンタジー。
1945年、アメリカの田舎町。誠実な男ジョージ・ベイリーは、町と家族のために自分の夢を犠牲にしてきた。しかしクリスマスイブの夜、会社の金を失い、横領の濡れ衣まで着せられ人生に絶望。橋から身を投げようとした彼の前に、翼のない見習い天使クラレンスが出現。「いっそ生まれてこなければ」と嘆くジョージに、天使は彼が生まれなかった世界の光景を見せる。そこでは愛する妻や家族は彼を知らず、彼が守ってきた町は荒廃。自分の存在がどれほど多くの人を支えていたかを知ったジョージの決断。
ネット上の声
- TSUTAYAの中の片隅に置かれて販売されていた、白黒映画コーナーの、ベタなタイ
- 人生で一番泣いた。人生で一番好きな映画の1つになった。
- 古き良き時代の典型的なアメリカ映画の代表作の一つ
- 地球に生まれてよかったあああぁぁぁぁぁァ
冬に見たくなる、 クリスマス、 ヒューマンドラマ
- 製作年1946年
- 製作国アメリカ
- 時間130分
- 監督フランク・キャプラ
- 主演ジェームズ・スチュワート
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胃癌で余命半年を宣告された市役所の課長が、人生の最後に意味を見出そうともがくヒューマンドラマ。
舞台は1950年代の日本。市役所で30年間、ただ判を押すだけの無気力な日々を送ってきた市民課長、渡辺勘治。ある日、彼は胃癌で余命いくばくもないと知る。これまでの空虚な人生を悔い、死への恐怖に直面。家族との溝、役所の縦割り行政という壁に阻まれながらも、彼は最後に何かを成し遂げようと決意。住民から長年放置されていた公園の建設に、残された命の全てを注ぎ込む。彼の行動が、周囲の人々の心をどう動かしていくのか。一人の男の静かな闘いの記録。
ネット上の声
- いま生きているということ。それは、、、、
- 「渡辺勘治」を通せば見えてくること。
- 組織で地位を守る為には何もしないこと
- ビル・ナイのバージョン見る前に予習で
ヒューマンドラマ
- 製作年1952年
- 製作国日本
- 時間143分
- 監督黒澤明
- 主演志村喬
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第二次大戦下のソ連。19歳の兵士に与えられた6日間の休暇。母に会うための、あまりにも短く尊い旅路。
第二次大戦の激戦地、ソ連。19歳の兵士アリョーシャは、戦功により故郷の母に会うための6日間の休暇を得る。しかし、その道中は戦争の爪痕が色濃く残る過酷なもの。困っている人々を助け、汽車で出会った少女と心を通わせるうち、貴重な時間は容赦なく過ぎていく。母への想いを胸に、ひたすら故郷を目指す青年の短い旅。その先に待つ、わずかな再会の時間と過酷な運命の暗示。
ネット上の声
- ソビエト共産党下の制作でも普遍的な価値を持つ反戦映画の名作
- 昔テレビで観た!なんだか急に思い出した
- 二度しか見ていないのでDVDがほしい映画
- 淡い恋がまぶしい、そのぶん切ない映画
ヒューマンドラマ
- 製作年1959年
- 製作国ソ連
- 時間88分
- 監督グリゴーリ・チュフライ
- 主演ウラジミール・イワショフ
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1950年代ハリウッド、借金まみれの脚本家が迷い込んだのは、過去の栄光に生きるサイレント女優の狂気の館。
1950年のハリウッド。借金取りに追われる売れない脚本家ジョー・ギリス。逃げ込んだ先は、サンセット大通りにそびえる古びた豪邸。そこに住んでいたのは、サイレント映画時代の伝説的大女優ノーマ・デズモンド。世間から忘れ去られ、過去の栄光と妄想の中で生きる彼女。ジョーは、ノーマのカムバック作となる脚本の執筆を依頼され、彼女の豪邸で奇妙な共同生活を開始。富と引き換えに自由を失い、ノーマの狂気的な愛情と執着に囚われていくジョー。やがて彼は、この華やかで腐敗した世界から逃れられない運命を悟る。
ネット上の声
- ヘタなホラーよりもよっぽど鳥肌が立つ
- 「イヴの総て」と併せて観たら地獄
- 歴史に語られなかった者達の怨念
- 脚本家とサイレント女優の宿命
ヒューマンドラマ
- 製作年1950年
- 製作国アメリカ
- 時間110分
- 監督ビリー・ワイルダー
- 主演グロリア・スワンソン
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20世紀初頭、デンマークの農村。厳格な信仰を持つ農場主ボーエン家は、長男の妻インガーを難産の末に失い、深い悲しみに包まれる。そんな中、自らをキリストと信じる次男ヨハンネスが「彼女を蘇らせる」と宣言。彼の言葉は狂気か、それとも真の信仰か。異なる宗派間の対立も絡み合い、残された家族の信じる心が激しく揺さぶられる。絶望の淵で人々が見つめる先にある、神の沈黙と、映画史に刻まれる衝撃の結末。
ネット上の声
- 最小限の要素で何故これだけの作品に出来るの!? 個々の信仰の深浅や...
- 宗教は嫌いだが、“奇跡”は嫌いじゃない
- 「奇跡」という言葉を考えさせられる
- クリスチャンの心象風景
ヒューマンドラマ
- 製作年1954年
- 製作国ベルギー,デンマーク
- 時間126分
- 監督カール・テオドール・ドライエル
- 主演ヘンリク・マルベルイ
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戦後の鎌倉、父を想い嫁ぐことをためらう娘と、娘の幸せを願い嘘をつく父、二人の静かな愛情を描く物語。
舞台は戦後間もない古都・鎌倉。大学教授の父・周吉と、婚期を過ぎてもなお父の世話を焼きながら暮らす娘・紀子。二人だけの穏やかで満ち足りた日々。しかし、周囲は紀子の将来を案じ、結婚を盛んに勧める。父との生活に満足し、結婚に気乗りしない紀子。そんな娘の幸せを心から願う父は、彼女を嫁がせるためにある決意を固め、一つの嘘をつく。「再婚しようと思う」。父の言葉は、紀子の心に静かな波紋を広げていく。父を一人にはできないという想いと、自分の幸せの間で揺れる紀子。父と娘、互いを深く思いやるがゆえの葛藤の行方。
ネット上の声
- 父親が大好きすぎる紀子と娘思いの優しく穏やかな父親の親離れ子離れのお話
- 何本も小津作品を観ているとどれも同じに見えてくる。ストーリーと時代...
- 「東京物語」が良すぎたので紀子三部作を遡って見はじめた
- 追悼・原節子 (※ほとんど映画のレビューではありません)
ヒューマンドラマ
- 製作年1949年
- 製作国日本
- 時間108分
- 監督小津安二郎
- 主演笠智衆
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聖なるガンジス河のほとりで、少年は世界を知る。故郷を離れ、学びへの渇望に目覚めた少年の成長と、母との心の距離を描く人間ドラマ。
舞台は20世紀初頭のインド。父の死後、一家は故郷の村を離れ、聖地ヴァーラーナシーへと移り住む。好奇心旺盛で聡明な少年アプーは、学校で学問の面白さに目覚め、その才能を開花させていく。やがて奨学金を得て、大都市カルカッタの大学へ進学する機会を得るアプー。まだ見ぬ世界への期待に心を膨らませる彼。しかしそれは、女手一つで彼を育ててきた母ショルボジョヤとの別れを意味していた。息子の成長を喜びながらも、寂しさを隠せない母。伝統的な価値観と近代的な学問との間で、母と子の心は次第にすれ違っていく。少年から青年へ、アプーが直面する人生の試練。
ネット上の声
- ベネチア映画祭グランプリ。映画の最高傑作
- 「オプー三部作」の二作目
- 間をつなぐ作品
- 🔸Film Diary🔸
ヒューマンドラマ
- 製作年1956年
- 製作国インド
- 時間110分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ピナキ・セン・グプタ
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1920年代、インドの貧しい村。厳しい現実の中、一人の少年の瞳が捉えた世界の詩情と家族の絆。
舞台は1920年代、ベンガルの貧しい村ニシュチンドゥプル。司祭の父、心優しい母、姉のドゥルガーと共に暮らす少年オプー。日々の暮らしは貧困と隣り合わせ。それでも、オプーの目には、雨上がりの水たまり、走り去る汽車、姉とのささやかな冒険など、世界は驚きと喜びに満ちていた。しかし、一家に訪れる過酷な運命。失われるものと、それでも心に灯り続ける希望。インド映画の巨匠サタジット・レイが描く、ある家族の愛と喪失の叙事詩、その始まり。
ネット上の声
- 歌って踊らないこんな骨太映画がインドにあったこと、出会えたことは喜び
- サタジット・レイが描く“インド”
- 温かくも冷徹に"家族"を見つめる
- 人間を描く力がもうひとつ
ヒューマンドラマ
- 製作年1955年
- 製作国インド
- 時間125分
- 監督サタジット・レイ
- 主演サビル・バナルジー
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1950年代パリ、大人たちの無理解に反抗する12歳の少年の孤独な魂の彷徨。
舞台は1950年代のパリ。主人公は12歳の少年アントワーヌ・ドワネル。学校では教師に叱られ、家庭では両親の不和に心を痛める日々。彼の唯一の慰めは、親友との悪戯と映画鑑賞。しかし、ささいな嘘がきっかけで、彼は学校からも家庭からも孤立。自由を求めて家出したアントワーヌを待っていたのは、あまりにも厳しい現実。生きるために犯した過ちが、彼を少年鑑別所へと送ることに。彼の小さな反抗と逃避行の果てに見るものとは。
ネット上の声
- 回転遊具のシーンがまさにこの映画のメタファー
- 「これは自分だ」と感じさせるほど上手い!
- ここまでタイトルそのままな映画も珍しい
- 大人は子供の何をわかっているの??
ヒューマンドラマ
- 製作年1959年
- 製作国フランス
- 時間97分
- 監督フランソワ・トリュフォー
- 主演ジャン=ピエール・レオ
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生前は誰にも認められなかった不遇の詩人。死後に名声を得た彼が、偽善に満ちた世界に見たものとは。
独立後のインド、カルカッタ。理想を追い求めるも、世間に認められない詩人ヴィジャイ。彼の詩は出版社に拒絶され、恋人にも裏切られ、失意の底に。そんな彼が、事故によって死亡したと誤解される。皮肉にも、彼の死後に出版された詩集は国民的な大ヒット。名声と富が転がり込むが、それは生身の彼ではなく「死んだ天才」への賛辞。偽善に満ちた社会、彼を死んだことにして利益を得ようとする人々。彼は自らの存在を叫ぶのか、それともこの世界から永遠に姿を消すのか。
ネット上の声
- グルダッドによる婉曲的『モダンタイムス』、“渇いている”のはどちらか?と言うのが
- 詩歌・律動に喚起されるショットの移ろいと闇の深まりに同化した役者たち
- 芸術を志す者を蔑ろにし、セックスワーカーを差別する
- この「驚き」には従う価値がある。
ヒューマンドラマ
- 製作年1957年
- 製作国インド
- 時間139分
- 監督グル・ダット
- 主演グル・ダット
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戦後日本の片隅にある一軒の酒場。そこに集う人々の人生が交差し、時代の哀歓が浮かび上がる群像劇。
終戦から10年が過ぎた東京。ガード下の小さな酒場「千鳥」には、毎夜さまざまな客が訪れる。元特攻隊員、実直なサラリーマン、踊り子、そして謎めいた男。彼らが交わす酒と会話の中から、戦争の傷跡、貧しさ、そして明日へのささやかな希望が滲み出す。店主の紅が静かに見守る中、一夜の出来事が客たちの運命を揺さぶる。人生の縮図を描き出す、心に染みる物語。
ネット上の声
- 酒場に集う人々の、自由闊達なやり取りが良く撮れている
- 大衆酒場の店の中、その場所に集う人々の人間模様
- 場末の酒場で繰り広げられる人情溢れる群像劇
- ごった煮ミュージカル?群像劇!
ヒューマンドラマ
- 製作年1955年
- 製作国日本
- 時間94分
- 監督内田吐夢
- 主演小杉勇
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亡き母を慕い、新しい母に心を開けない少年。父と子の絆、そして家族の愛の形を問う、感動の物語。
昭和30年代の日本。幼い少年・正一は、父と新しい母との三人暮らし。優しく接してくれる継母に、どうしても懐くことができない。彼の心の中には、写真でしか知らない亡き実母への思慕が募るばかり。ある日、父の出張中に家を飛び出し、母の面影を求めて旅に出る正一。父の愛、継母の真心、そして少年の純粋な心が織りなす、切なくも温かい家族のドラマ。清水宏監督が描く、子供の視点を通した家族再生の軌跡。
ネット上の声
- お見合いデートはお好み焼き屋で
- 母を亡くした子は鳩に母を想い新たな母を母とは呼べずに消されてしまいそうな母を自ら
- 妹が鳩を逃した事を知った少年の反応が予想以上に激しくて震えたが、少年の作文からラ
- この監督らしく横移動が多用されているが、死んだ母の写真と子どもを同じ高さに置いて
ヒューマンドラマ
- 製作年1959年
- 製作国日本
- 時間89分
- 監督清水宏
- 主演根上淳
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明治時代の歌舞伎界を舞台に、名家の跡取りと乳母の許されざる恋を描く、芸の道と愛に生きた二人の流転の物語。
舞台は1880年代、明治中期の東京の歌舞伎界。名門の跡取りでありながら、甘やかされて芸が未熟な若き役者・菊之助。周囲がお世辞を並べる中、ただ一人、彼の芸を率直に批判したのは乳母のお徳だった。その言葉に心を打たれた菊之助は、お徳に惹かれていく。しかし、身分違いの恋は許されず、菊之助は家を勘当され、お徳もまた家を追われることに。二人は流浪の旅役者として、貧困と苦難の中で芸を磨き、愛を貫こうとする。愛する人のためにすべてを捧げるお徳の献身と、それに応えようとする菊之助の芸の行方。
ネット上の声
- 吉田修一がこのどこに惹かれたのかはわからないけど、ザ・カブキでもあ...
- “残菊”の意味は、菊之助よりもお徳の生き様についてだったのか…
- ワンショット・ワンシーンの完成された演出技法の見応えと演出美
- この映画を観て泣かない人っているのかな?
ヒューマンドラマ
- 製作年1939年
- 製作国日本
- 時間143分
- 監督---
- 主演花柳章太郎
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経営危機に瀕した病院に現れた一人の青年医師。彼の改革が、愛と憎しみの渦巻く人間模様を巻き起こす。
経営が傾いた名門・志賀病院。再建のため、若き医師・志摩啓助が乗り込んでくる。彼は院長の放蕩息子に代わり、病院の実権を握り、次々と合理的な改革を断行。しかし、その冷徹で強引なやり方は、院長一家や看護婦たちとの間に激しい対立を生む。特に、誇り高い院長の娘・啓子は志摩に強く反発。改革の行方と、対立の中に芽生える男女の愛憎。濃密な人間ドラマ。
ネット上の声
- 左幸子と野添ひとみ
- 左幸子の怪演
- 快速メロドラマ
- 話としてはかなりドロドロとしてるはずが、キャラ立ての巧みさで不思議とカラッとした
群像劇、 社会の裏側、 看護師(ナース)、 病院(医療モノ)、 会社再建、 ヒューマンドラマ
- 製作年1957年
- 製作国日本
- 時間94分
- 監督増村保造
- 主演根上淳
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第二次世界大戦後のローマ、貧困にあえぐ一人の父親が、仕事と希望の全てである自転車を盗まれ、幼い息子と絶望的な捜索に乗り出す物語。
第二次世界大戦後の混乱が続くローマ。長い失業の末、アントニオはポスター貼りの仕事を手に入れる。生活の再建を夢見る彼だったが、仕事に不可欠な自転車を初日に盗まれてしまう。警察も当てにならず、彼は幼い息子ブルーノを連れて、広大なローマの街へ自力で自転車を探しに出る。しかし、無数の自転車と人々の無関心が行く手を阻む。息子の前で父親の威厳を保とうとしながらも、焦りと絶望に追い詰められていくアントニオ。父子の絆だけを頼りにした必死の捜索の果てに、彼を待ち受ける過酷な現実。
ネット上の声
- 尼崎では自転車は天下の回り物(らしい)
- 言葉でも構図でも語られないものが在る
- この手があれば、今日も生きていける。
- イタリア・ネオリアリズムの頂点☆
ヒューマンドラマ
- 製作年1948年
- 製作国イタリア
- 時間88分
- 監督ヴィットリオ・デ・シーカ
- 主演ランベルト・マジョラーニ
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ローマの夜を生きる娼婦カビリア。何度裏切られても愛を信じ続ける、彼女の魂の軌跡。
1950年代、イタリア・ローマ。娼婦のカビリアは、純粋すぎる心を持つがゆえに男たちに騙され、利用されてばかりの日々。恋人に全財産を奪われ川に突き落とされても、彼女は決して希望を捨てない。いつか現れるはずの「真実の愛」を夢見て、再び夜の街へと繰り出すカビリア。映画スターとの束の間の出会い、奇跡を求める巡礼、そしてついに訪れた運命の男性との恋。しかし、彼女を待ち受けていたのは、あまりにも過酷な現実。全てを失った彼女の目に映るもの。
ネット上の声
- フェリーニ監督は薄幸の女性を描くのがうまい
- 少しフェリーニのこと判ったような気がした
- 近頃元気が足りない人、必見の映画。
- 表情豊かなヒロインが魅力の☆3つ
ヒューマンドラマ
- 製作年1957年
- 製作国イタリア,フランス
- 時間111分
- 監督フェデリコ・フェリーニ
- 主演ジュリエッタ・マシーナ
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上京した老夫婦の姿を通して、変わりゆく家族の絆と日本の姿を静かに見つめる、小津安二郎監督による不朽の名作。
舞台は戦後復興期の日本。尾道に暮らす老夫婦、周吉ととみ。二人は東京で暮らす子供たちを訪ねるため、はるばる上京。しかし、長男も長女もそれぞれの生活で手一杯で、両親を心から歓迎する余裕がない。都会の喧騒の中、居場所のなさを感じる老夫婦。そんな二人を唯一温かく迎えたのは、戦死した次男の嫁、紀子だった。血の繋がりを超えた優しさに触れる一方で、実の子供たちとの間に流れる微妙な距離感。やがて訪れる別れと、家族が向き合うことになる静かな現実。
ネット上の声
- 連絡がないってことは元気だってことだね
- 孝行したい時に親は無し、、、かぁ・・
- 小津作品の集大成(付:まとめ)
- どうして号泣したんだろう・・・
ヒューマンドラマ
- 製作年1953年
- 製作国日本
- 時間136分
- 監督小津安二郎
- 主演笠智衆
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裕福で敬虔な紳士を蝕む、病的なまでの嫉妬心。愛する妻を"所有"しようとする男が狂気に堕ちていく、戦慄の心理ドラマ。
1950年代メキシコ。社会的地位も富も手にした敬虔な紳士フランシスコ。彼は教会で見かけた美しい女性グロリアに一目惚れし、半ば強引に結婚する。しかし、幸福な生活は長く続かない。フランシスコは妻の貞節を疑い始め、その心は病的な嫉妬と妄想に支配されていく。友人との会話、些細な視線、すべてが彼の疑念を増幅させる。完璧な紳士の仮面が剥がれ落ち、現れる狂気の素顔。愛が歪んだ独占欲へと変貌し、妻を精神的に追い詰めていく恐怖の記録。
ネット上の声
- 最も狂っておらず、最も狂った作品
- 男が発狂するまでの「代理」
- 愛は狂気へと変貌を遂げる
- 女の足とパラノイア
ヒューマンドラマ
- 製作年1953年
- 製作国メキシコ
- 時間92分
- 監督ルイス・ブニュエル
- 主演アルトゥーロ・デ・コルドヴァ
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港町を舞台に、旅役者一座の座長の過去と現在が交錯し、愛憎と親子の情が揺れ動く人間模様。
昭和30年代、日本のとある港町。旅役者一座の座長・駒十郎が、かつての愛人・お芳とその間にできた息子・清が暮らすこの町へ興行にやって来た。息子との穏やかな再会も束の間、その存在を知った現在の愛人・すみ子の激しい嫉妬が、一座の中に不協和音を生む。すみ子は若い役者の加代をそそのかし、清を誘惑させるという非情な計画を実行。隠された過去が暴かれ、偽りの関係が暴走を始める時、駒十郎の心は激しく揺さぶられる。降りしきる雨の中、すれ違う人々の心が選ぶ道とは。
ネット上の声
- 小津安二郎の映画って見る前は、だりぃななんでこんなの見なきゃいけねぇんだてやんで
- やはり小津映画は、心が温まります
- いつもとは違う趣の小津映画
- 川口浩が〜 洞窟に入る〜
ヒューマンドラマ
- 製作年1959年
- 製作国日本
- 時間119分
- 監督小津安二郎
- 主演中村鴈治郎
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十字軍遠征から帰還した騎士と「死神」とのチェス対決。ペストが蔓延する中世ヨーロッパを舞台に、神の沈黙を問う哲学的傑作。
14世紀、黒死病が蔓延するヨーロッパ。十字軍の遠征から10年ぶりに故郷スウェーデンへ帰還した騎士ブロック。長きにわたる戦いで信仰を失い、神の存在に懐疑的になった彼の前に、黒装束の「死神」が出現。自らの命を奪いに来た死神に対し、ブロックは命を賭けたチェスの勝負を提案。死神との対局を引き延ばしながら、彼は人生の意味と神の存在の証を必死に探求。生と死の意味を巡る旅の終着点。
ネット上の声
- 『夏の夜は三たび微笑む』を先に観てからで良かった
- 誰かに見えて、誰かには見えない、死神・生神。
- 無論娯楽作ではないが興味津々に観られる。
- 不思議な話で、こういうのは結構好き
ヒューマンドラマ
- 製作年1956年
- 製作国スウェーデン
- 時間97分
- 監督イングマール・ベルイマン
- 主演マックス・フォン・シドー
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ナチス政権下のドイツで発生した連続殺人事件。真犯人に迫る刑事を待ち受けるのは、国家という巨大な権力との絶望的な戦いだった。
1944年、第二次世界大戦末期のナチス・ドイツ。各地で連続殺人事件が発生し、世間は恐怖に包まれる。捜査を担当するアクセル・ケルステン刑事は、容疑者として逮捕された知的障害者の男の自白に矛盾を感じ、真犯人の存在を疑う。しかし、ナチス党は体制の優位性を示すため、彼を犯人として事件を政治的に利用しようと画策。ケルステンは、真実を追求するため、党の圧力に屈せず危険な単独捜査を開始。やがて彼が突き止めたのは、国家の根幹を揺るがす恐るべき真相だった。
ネット上の声
- 不思議ですてきなストーリー
- ヒューマンドラマかと思いきや、サスペンスとアクションが入り混じってびっくりした
- 幼い頃に見てずっと頭に残っていた作品です
- SFなんだけどノスタルジック
ヒューマンドラマ
- 製作年1958年
- 製作国ドイツ
- 時間---分
- 監督ロルフ・フスベルグ
- 主演ヨアヒム・ハンセン
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1950年代のパリ。孤独な少年と、意思を持つ不思議な赤い風船との出会いと友情の物語。
舞台は1950年代、灰色の街並みが続くパリ。学校へ向かう途中、少年パスカルは街灯に引っかかった一つの赤い風船を発見。まるで意思があるかのように、風船はパスカルの後をついてくる。言葉を交わさずとも、少年と風船の間には特別な友情が芽生える。しかし、その不思議な光景を、他の子どもたちが黙って見過ごすはずはなかった。少年と風船のささやかな冒険の行方。
ネット上の声
- 街灯に赤い風船が引っ掛かっているのを見つけたパスカル少年と勝手についてくるように
- 〜主演女優:赤い風船 助演男優:少年〜
- 言葉にできないほど素晴らしい!!!
- 甦った伝説の映画! お薦めです
ファンタジー、 ヒューマンドラマ
- 製作年1956年
- 製作国フランス
- 時間35分
- 監督アルベール・ラモリス
- 主演パスカル・ラモリス
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昭和31年、東京・洲崎。過去から逃れるように流れ着いた若い男女、義治と蔦代。所持金も尽き、二人は遊郭へと続く橋のたもとにある一杯飲み屋「千草」で働くことに。蔦代の美しさが客の目を引き、義治は嫉妬と焦燥に駆られる。ささやかな幸せを掴もうとするも、生活の厳しさと過去の影が二人の関係を少しずつ蝕んでいく。果たして二人が橋の向こうに見出すのは希望か、それとも絶望か。人生の哀歓を描く、切ない物語。
ネット上の声
- カッコ悪く足掻く主人公の姿に、監督自身の姿が重ねられている様な
- 花街と堅気の境を描いた川島雄三監督の名作
- 映画は時代を映すそこに人は生きているか?
- 凝ったアングルの映像でも凄く見やすい
ヒューマンドラマ
- 製作年1956年
- 製作国日本
- 時間81分
- 監督川島雄三
- 主演新珠三千代
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1950年代のブロードウェイを舞台に、純真な仮面を被った新人女優が、大女優のすべてを奪い去ろうと画策する、女の野心と嫉妬渦巻く傑作ドラマ。
舞台は、華やかなショービジネスの世界、ブロードウェイ。演劇界の頂点に君臨する大女優マーゴ・チャニングの前に、ある日、彼女の熱狂的なファンだと名乗るイヴ・ハリントンが現れる。その健気な姿に心打たれたマーゴは、イヴを付き人として雇い入れる。しかしそれは、イヴの巧妙な計画の始まり。マーゴの信頼を盾に、彼女の恋人、友人、そして女優としての地位までも、周到な策略で一つずつ奪い始めるイヴ。喝采の裏に隠された剥き出しの野心。果たして、頂点を極めた者に待ち受ける運命とは。
ネット上の声
- どこまでもしたたかなる女、それがイヴ
- 殺人なき健常者によるサイコホラー
- 真に恐ろしいのは、女?否、女優!
- イヴははたしてヒールなのかっ?!
ヒューマンドラマ
- 製作年1950年
- 製作国アメリカ
- 時間138分
- 監督ジョセフ・L・マンキウィッツ
- 主演ベティ・デイヴィス
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東京郊外の住宅地で、子供たちの「沈黙のストライキ」が巻き起こす、大人たちの日常と本音をユーモラスに描くホームドラマ。
高度経済成長期の東京郊外、新興住宅地。この町に住む林家の兄弟、実と勇は、近所に現れた最新式のテレビに夢中。親に買ってほしいとねだるも、「口数が多い」と一蹴されたことから、兄弟は「お早よう」などの挨拶以外一切口をきかないという反抗を開始。この子供たちの小さなストライキが、大人たちの世界に思わぬ波紋を広げる。町内会費の行方、挨拶をしないことへの不満。些細な出来事がご近所の噂話と誤解を呼び、大人たちの見栄や建前が次々と露わになっていく。果たして兄弟はテレビを手に入れられるのか。
ネット上の声
- 小津さんの中では、ダントツで大好きな作品
- 晩年、第2の名作のピークを生んだ小津監督
- 「兄ちゃん、タンマ、あり?」 笑えます!
- 三丁目の夕日じゃないけど☆2つ半
ヒューマンドラマ
- 製作年1959年
- 製作国日本
- 時間94分
- 監督小津安二郎
- 主演佐田啓二
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出所した老練な宝石強盗が挑む、人生最後の大仕事。完璧な計画、裏切り、男たちのプライドがぶつかるフレンチ・ノワールの傑作。
5年の刑期を終え、パリに戻ってきた老練の宝石強盗トニー。裏社会から足を洗うつもりだったが、昔の恋人が敵対するギャングのボスと通じていることを知り、人生最後の大仕事に挑む決意を固める。仲間と共に立てたのは、老舗宝石店を狙う完璧な強盗計画。一滴の血も流さず、一言も発することなく実行される緻密な犯行。しかし、大金を手にした男たちの間に生まれた、ほんの僅かな綻び。それが、血で血を洗う壮絶な抗争の引き金となる。
ネット上の声
- 30分間セリフ無しの金庫破りに引込まれた
- フィルムノワール男の傑作
- 男の生き様
- 原作で極めて印象的だった虐待、拷問、残酷に始末され野良犬の死体ように捨て置かれる
ヒューマンドラマ
- 製作年1955年
- 製作国フランス
- 時間118分
- 監督ジュールス・ダッシン
- 主演ジャン・セルヴェ
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メキシコシティのスラム街。貧困と暴力の連鎖から抜け出せない少年たちの、あまりにも過酷で救いのない現実。
1950年代、メキシコシティの貧民街。感化院を脱走した不良少年ハイボと、彼に感化され悪の道に足を踏み入れる純朴な少年ペドロ。ハイボが起こした殺人事件をきっかけに、ペドロの日常は悪夢へと変わる。良心の呵責に苦しみながらも、抜け出すことのできない非行の世界。母親からも見放され、社会の片隅へと追いやられるペドロの絶望。わずかな希望を求めてもがく少年たちを待ち受ける、非情な運命。巨匠ルイス・ブニュエルが描く衝撃作。
ネット上の声
- 腐ったリンゴが他のリンゴも腐らせる
- 「時計じかけのオレンジ」よりも強烈
- これを見ればブニュエルが分かる
- 決して忘れてはいけない
ヒューマンドラマ
- 製作年1950年
- 製作国メキシコ
- 時間81分
- 監督ルイス・ブニュエル
- 主演ロベルト・コボ
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売春防止法成立直前の吉原。そこで生きる5人の女たちの、それぞれの事情と必死の生き様を描く人間ドラマ。
舞台は1956年、売春防止法の成立が国会で審議される東京・吉原の赤線地帯。遊郭「夢の里」で働く5人の娼婦たち。息子の結婚資金を稼ぐ女、病気の夫と子供を抱える女、借金返済に追われる女。それぞれの切実な事情を抱え、体を売って生きる彼女たちの日常。法案成立のニュースが、彼女たちの未来に暗い影を落とす。仕事を失う恐怖と、社会からの冷たい視線。必死にもがき、ささやかな幸せを求める女たちの、赤裸々な人間模様。
ネット上の声
- ☆ラストの少女の狼狽えた目が意味するもの☆
- 運命的遺作!溝口監督の生涯をかけたテーマ
- 若尾文子と京マチ子のキャラが見所☆3つ
- 吉原で“働く”女たちのバイタリティー
ヒューマンドラマ
- 製作年1956年
- 製作国日本
- 時間86分
- 監督溝口健二
- 主演京マチ子
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1920年代アメリカ。大富豪が素性を隠して未来の相続人家族を観察!果たして彼らは大金にふさわしい人間なのか?
舞台は狂騒の1920年代アメリカ。孤独な億万長者サミュエルは、かつての恋人の家族であるブレイズデル一家に、匿名で10万ドルの大金を贈ることを決める。しかし、その前に彼らが遺産にふさわしいか確かめるため、貧しい下宿人になりすまして一家の家に潜入。突然の大金に舞い上がった一家の生活は一変し、見栄と浪費で家族の絆は崩壊寸前。サミュエルは、金が人の心を変えてしまう様を目の当たりにする。果たして一家は本当の幸せを取り戻せるのか。ユーモアと風刺に満ちたハートフル・コメディ。
ネット上の声
- 孤独な富豪の老人フルトン(チャールズ・コバーン)はかつて想いを寄せた女性の家族に
- 「あなたは60歳で娘の歳の3倍だ
- お金持ちの苦い認識
- 身寄りのない大富豪フルトンは、老い先短いことを悟り、今は亡き初恋の女性の家族ブレ
ヒューマンドラマ
- 製作年1952年
- 製作国アメリカ
- 時間89分
- 監督ダグラス・サーク
- 主演パイパー・ローリー
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「恐怖の報酬」についでアンリ・ジョルジュ・クルーゾーが監督する推理スリラー映画一九五五年度作品である。原作はピエール・ボワローとトーマス・ナルスジャックが合作した探偵小説で、クルーゾーとG・ジェロミニが共同で脚色、台詞も担当した。撮影は「恐怖の報酬」のアルマン・ティラールと「禁じられた遊び」のロベエル・ジュイヤアル、音楽は「寝台の秘密」のジョルジュ・ヴァン・パリスである。主演は、「嘆きのテレーズ」のシモーヌ・シニョレ、「恐怖の報酬」のヴェラ・クルーゾー、「宝石館」のポール・ムーリッスで、「埋れた青春」のシャルル・ヴァネル、「密告(1943)」のピエール・ラルケエ、テレーズ・ドルニー、ジャン・ブロシャール、ジョルジュ・シャマラ、ノエル・ロックヴェール、ジョルジュ・プージュリーらが助演する。
ネット上の声
- パリ近郊の寄宿学校の校長ミシェルは病弱な妻クリスティナの財産を利用して地位を築き
- .₍ᐢ. ̮.ᐢ₎
- ╭ ⁀ ⁀ ╮
- 見始めてからシャロン・ストーン版を観てたことを思い出したけど、いい具合にストーリ
ヒューマンドラマ
- 製作年1955年
- 製作国フランス
- 時間107分
- 監督アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
- 主演シモーヌ・シニョレ
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独裁者と瓜二つのユダヤ人床屋が巻き起こす、笑いと涙の入れ替わり劇と、世界を変える魂の叫び。
舞台は架空の国トメニア。ユダヤ人街で暮らす記憶喪失の床屋は、この国を支配する独裁者ヒンケルと瓜二つ。ヒンケルによるユダヤ人迫害が激化する中、ある偶然から床屋は独裁者と間違えられてしまう。偽の独裁者として、愛する人々と国を救うため奮闘する床屋。一方、本物のヒンケルは世界征服の野望を着々と進める。全世界が注目する大演説会で、マイクの前に立った床屋が自らの言葉で語り始める時、歴史に残るメッセージが世界に響き渡る。
ネット上の声
- 惨いシーンを見せるだけが反戦映画ではない
- チャップリンが、命をかけて創った映画!
- チャップリンのメッセージそして最高傑作
- ラスト5分で世界の平和が変わるはず!
ヒューマンドラマ
- 製作年1940年
- 製作国アメリカ
- 時間126分
- 監督チャールズ・チャップリン
- 主演チャールズ・チャップリン
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黄金を求め山に入った男たちの、富と猜疑心に翻弄される運命を描く人間ドラマ。
1920年代のメキシコ。アメリカ人の日雇い労働者ドブズは、同じ境遇の仲間と共に、その日暮らしの貧しい生活。そんな中、酒場で出会った老山師から、山奥に眠る砂金の話を聞き、一攫千金の夢に取り憑かれる。なけなしの金をかき集め、3人は険しいシエラマドレの山中へ。苦労の末、ついに金鉱を掘り当てた彼らだったが、手にした黄金が、仲間同士の間に猜疑心と際限のない欲望を芽生えさせる。互いを信じられなくなった男たちを待ち受ける、あまりにも皮肉な結末。
ネット上の声
- 本当の人間の幸せって、お金じゃないかも…
- 気に掛け出すと止まらないのですよね〜
- よくできた人間ドラマです・・・
- 人生、笑い飛ばしてナンボです!
ヒューマンドラマ
- 製作年1948年
- 製作国アメリカ
- 時間125分
- 監督ジョン・ヒューストン
- 主演ハンフリー・ボガート
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「欲望という名の電車」のエリア・カザン監督とマーロン・ブランドが再タッグを組み、1955年・第27回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞など8部門に輝いた社会派ドラマ。元ボクサーの青年テリーは、現在はギャングのジョニーが支配するニューヨークの波止場で働いている。ある日、テリーと兄チャーリーはジョニーに命じられ、殺人事件に関わってしまう。やがて被害者の妹イディと知り合ったテリーは、兄の死の真相を追求しようとする彼女に心惹かれていく。イディに感化され、自らの信念に基づいて生きることに目覚めるテリーだったが……。後に「北北西に進路を取れ」などに出演するエバ・マリー・セイントがイディを演じ、映画初出演にしてアカデミー助演女優賞を受賞した。
ネット上の声
- マーロン・ブランドの魅力に引き込まれます
- マーロンの演技に強烈に引き込まれます。
- M・Bの存在が光る!それでも男は戦う!
- マーロン・ブランドが素晴らしい
ヒューマンドラマ
- 製作年1954年
- 製作国アメリカ
- 時間108分
- 監督エリア・カザン
- 主演マーロン・ブランド
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菓子会社の宣伝戦争を舞台に、欲望が渦巻くマスメディアの世界を痛烈に描く風刺劇。
高度経済成長期の日本。製菓会社ワールド、アポロ、ジャイアンツが熾烈なキャラメル販売競争を繰り広げる。ワールド社の若手宣伝部員・西は、ライバル社に対抗するため、虫歯だらけの素人娘・島京子をスカウトし、アイドルとして売り出す奇策を任される。マスコミを巧みに利用し、京子をスターダムに押し上げようと奔走する西。しかし、虚像の人気は次第に暴走し、純真だった少女は怪物へと変貌。企業のエゴと人間の欲望が、関わる者すべてを飲み込んでいく。
ネット上の声
- 増村保造作品は最高殊勲夫人と観てみたい作品があるが、サブスクではあまり公開されて
- 今も昔もサラリーマンは血を吐くほどつらいよ
- ドコドンドコドン喜ぶことは請け合いだ〜♪
- キャラメル会社の話だけど非常にビター味
ヒューマンドラマ
- 製作年1958年
- 製作国日本
- 時間96分
- 監督増村保造
- 主演川口浩
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第二次世界大戦末期、故郷の橋を守るためだけに戦場へ送られた少年兵たちの悲劇を描く反戦映画。
1945年4月、敗戦間近のドイツの小さな町。まだ16歳のハンスら7人のクラスメイトに、国民突撃隊としての召集令状が届く。大人たちは彼らを危険から遠ざけようと、戦略的に無価値な故郷の橋を守るという、安全なはずの任務を与えた。しかし、「祖国のために戦う」という純粋な使命感に燃える少年たちは、その橋を命懸けで守ることを決意。やがて、退却するドイツ軍と進軍してくるアメリカ軍の戦車隊が橋に殺到する。大人の思惑とは裏腹に、少年たちは本物の戦闘の渦中へ。戦争という狂気が、若者たちの命を無慈悲に飲み込んでいく。
ネット上の声
- 敗戦国ドイツ側による実話に基づいた戦争作品…少年たちが主役というのが一層悲しみを
- これは戦争の愚かさを描いた映画の傑作!語られなさすぎなのでは?
- ドイツ市民に親しみを感じさせる「記録」
- 戦う理由がそこには無かった
ヒューマンドラマ
- 製作年1959年
- 製作国ドイツ
- 時間104分
- 監督ベルンハルト・ヴィッキ
- 主演フォルカー・ボーネット
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巨大な機械文明に翻弄される労働者が、愛する女性と共にささやかな幸せを求めて奮闘する、チャップリンの社会風刺コメディ。
舞台は世界恐慌下の1930年代アメリカ。工場のベルトコンベアでネジを締め続ける労働者チャーリーは、非人間的な労働で精神に異常をきたし、街へ放り出される。そこで彼は、孤児の少女と出会い恋に落ちる。二人は貧しいながらもささやかな家庭を築こうと、様々な仕事に挑戦。しかし、不況の波と機械文明の非情さが、彼らの夢をことごとく打ち砕く。それでも希望を捨てず、手を取り合って歩き続ける二人。果たして、この冷たい世界で本当の幸せを見つけられるのか。
ネット上の声
- 暖かくも、深い深い映画の気がしてならない
- 笑いと感動あるチャップリンの傑作映画
- 一転・・社会と共栄するチャップリン
- 相反する機械化と人間らしさ
ヒューマンドラマ
- 製作年1936年
- 製作国アメリカ
- 時間87分
- 監督チャールズ・チャップリン
- 主演チャールズ・チャップリン
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老教授が名誉学位授与式へ向かう旅路、それは過去の罪と後悔を巡る夢幻のドライブ。
78歳の老教授イサク・ボルク、名誉学位授与式のためストックホルムからルンドへの旅。その前夜に見た、自らの死を暗示する悪夢。飛行機をキャンセルし、義理の娘と車で向かうことを決意。道中、若き日の思い出の場所「野いちご」の丘や、ヒッチハイカーとの出会い。現実と幻想が交錯する中で、彼は自身の冷酷な過去、愛せなかった人々との関係に直面。人生の終焉を前に、イサクがたどり着く心の境地とは。
ネット上の声
- ベルイマンの世にも奇妙な物語inすえーで
- 他者と向き合い、自分自身と向き合う旅
- 白夜は本当に夢の中にいるようですよ
- 生きながらの屍より、生きながらの生
孤独、 ヒューマンドラマ
- 製作年1957年
- 製作国スウェーデン
- 時間90分
- 監督イングマール・ベルイマン
- 主演ヴィクトル・シェストレム
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戦後の京都・祇園。一人の少女が舞妓となり、花街の厳しい現実と女性の生き様を目の当たりにする物語。
舞台は戦後間もない京都・祇園。16歳の少女・栄子は、母を亡くし、ベテラン芸者・美代春を頼って舞妓となる。華やかな花街に憧れを抱く栄子。しかし、厳しい稽古、多額の借金、そして旦那衆との複雑な関係という過酷な現実が彼女を待ち受ける。美代春は、そんな栄子を必死に守ろうとする。変わりゆく時代の中で、伝統の世界に生きる女性たちの誇りと哀愁を描いた不朽の名作。
ネット上の声
- 祇園の舞妓だけが変わっていないのだろうか? 日本の社会そのものも変わっていないのでは無いだろうか?
- 色街に生きる三世代の女性の価値観の違いを浮かび上がらせた溝口監督の秀作
- 2024年1発目の【"9"のつく日にクラシック映画を観よう!】は去年僕の心を鷲掴
- 【祗園で呑んだ翌日に「祗園囃子」を観て思った事、幾つか。】
ヒューマンドラマ
- 製作年1953年
- 製作国日本
- 時間85分
- 監督溝口健二
- 主演木暮実千代
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昭和初期、瀬戸内海の分校に赴任した新米女性教師と12人の子供たち。戦争の足音が迫る中、絆を育む感動の物語。
舞台は昭和3年、瀬戸内海の小豆島。新任の女性教師、大石先生が岬の分校へ。洋服姿で自転車に乗る彼女に、村人たちは最初は戸惑い。しかし、12人の純粋な子供たちとの交流を通じ、次第に深い絆で結ばれていく日々。しかし、日本は戦争へと突き進み、彼らの運命は時代の荒波に翻弄。教え子たちの未来を案じ、平和を願う大石先生の苦悩と愛。戦争がもたらす悲劇と、それでも失われない師弟の情愛を描く不朽の名作。
ネット上の声
- 高峰秀子が演じるしっかり者の大石先生の懸命に生きる姿が胸を打つ、木下恵介監督によ
- 叙情性と記録性の調和が生む、静かなる反戦映画の感動と美しさ
- 💧戦争反対⚡ 70年前から思いは同じ
- 今の季節にぴったりだと思い選択
小学校、 ヒューマンドラマ
- 製作年1954年
- 製作国日本
- 時間156分
- 監督木下恵介
- 主演高峰秀子
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イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニの代表作の1つで、ゴシップ紙の記者の目を通し、1950年代後半の退廃したローマ上流社会を絢爛に描いた作品。作家を夢見てローマにやって来た青年マルチェロは、現在はゴシップ紙の記者として享楽的な日々を送っていた。彼はナイトクラブで出会った大富豪の娘と一夜を過ごし、取材したハリウッド女優と狂宴を繰り広げる。そんなある日、友人家族を訪ねたマルチェロは安らぎに満ちた彼らの生活を羨むが、友人は子どもを道連れに無理心中してしまう。絶望感に苛まれたマルチェロは、狂乱の渦へと身を投じていく。主演のマルチェロ・マストロヤンニは本作で一躍世界的スターの座へ駆け上がった。第13回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。1960年製作・公開。フェリーニ生誕100年を記念した「生誕100年フェデリコ・フェリーニ映画祭」(2020年7月31日~8月20日=東京・YEBISU GARDEN CINEMAほか)で4Kデジタルリマスター版が上映。
ネット上の声
- 過去に観た名作のレビューを今頃書いてみるの巻
- 「苦い生活」に重なる少女の微笑みと波の音
- タイトルから想像した話とはかなり違った
- 巨匠の名にふさわしいさすがの映像。
ヒューマンドラマ
- 製作年1959年
- 製作国イタリア,フランス
- 時間185分
- 監督フェデリコ・フェリーニ
- 主演マルチェロ・マストロヤンニ
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第二次大戦末期の満州、非情な軍隊組織で人間性を貫こうとする一人の男の絶望的な闘争。
舞台は第二次大戦末期、ソ連国境に近い満州の関東軍。妻への愛と人道主義を胸に抱く主人公、梶。召集され北満州の部隊へ配属された彼を待っていたのは、非人間的な軍隊の現実。古参兵による理不尽なしごき、上官の非情な命令が、彼の信念を踏みにじる。やがてソ連軍の侵攻が開始。圧倒的な戦力差の中、梶は死と隣り合わせの絶望的な戦場へ。生きて妻の元へ帰るという唯一の希望を胸に、地獄を彷徨う男の運命。 次の映画も同様に修正済みです。
ネット上の声
- そして舞台は北満 蘇満国境へ
- 梶は 九死に一生を得る 配信の第3部の写真は 核心のカット
- シゴキやイジメはいつでも、どこでも
- 第3部望郷篇/第4部戦雲篇
ヒューマンドラマ
- 製作年1959年
- 製作国日本
- 時間---分
- 監督小林正樹
- 主演仲代達矢
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夜のニューヨーク、野心渦巻くショービジネス界。絶大な権力を持つコラムニストと、彼に媚びる広報マンの危険な共犯関係。
舞台は1950年代、眠らない街ニューヨークのブロードウェイ。野心家の広報マン、シドニー・ファルコは、絶大な影響力を持つ大物コラムニスト、J.J.ハッセンカーの記事に顧客を載せるためならどんな汚い仕事も厭わない。ある日、J.J.は溺愛する妹とジャズギタリストの仲を引き裂くようシドニーに命令。成功への甘い蜜を求めるシドニーは、キャリアを賭けた卑劣な策略に手を染めていく。欲望が倫理を蝕む、男たちの破滅への一夜。
ネット上の声
- 妹を偏愛しすぎた兄貴の末路は哀れです。
- うまい話には気をつけよう
- BITTER SWEET
- 『オール・ザ・キングスメン』と並ぶ社会派ノワールドラマで、今の映画とも太刀打ちで
ヒューマンドラマ
- 製作年1957年
- 製作国アメリカ
- 時間96分
- 監督アレクサンダー・マッケンドリック
- 主演トニー・カーティス
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戦後の東京を舞台に、価値観の異なる熟年夫婦のすれ違いと和解を描く。一杯のお茶漬けが溶かす、夫婦の間の静かな溝。
上流階級出身でモダンな妻・妙子と、地方出身で素朴な夫・茂吉。戦後の東京で暮らす二人の間には、埋めがたい価値観のズレ。姪の縁談をきっかけに、夫婦間の溝はさらに深まるばかり。互いへの不満が募る中、夫の急な海外出張が決まる。離れ離れになる前の最後の夜、二人は初めて食卓を囲み、静かにお茶漬けをすする。小津安二郎が描く、夫婦の機微と再生の物語。
ネット上の声
- いや〜これはもう木暮実千代の怪演に尽きる。なんとセレビーな嫌な女。...
- 今の時代に通じる普遍的なメッセージ性
- 《空白の一日》が導く、神聖な儀式
- これだ!捜し求めていた映画!!
ヒューマンドラマ
- 製作年1952年
- 製作国日本
- 時間115分
- 監督小津安二郎
- 主演佐分利信