- 製作
- 1972年 チェコスロバキア
- 時間
- 71分
- 監督
- ドゥシャン・ハナック
- 出演
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- 種類
- ドキュメンタリー
スロバキアの山間で暮らす老人たちの世界を描いたドキュメンタリー。1972年、共産党政権下のチェコスロバキアで製作されたが、当局によって完成から16年にわたって輸出禁止とされた一作。
スロバキアのファトラ山地。痩せた土地と厳しい自然条件のなかで、農業や羊飼いを生業として暮らしている70歳以上の老人たちの日常生活を、当人たちへのインタビューを通して丹念に描き出していく。驚くほど精緻に動くからくり人形作りに熱中する老人、第1次世界大戦に従軍し、数カ国語を理解できるという羊飼い、足が不自由なため25年間、膝を使って暮らしながら自力で家を建築した男性、ともに暮らすめんどりに聖書を読み聞かせる老人など、登場する人びとそれぞれの姿から、愛や孤独、夢、労働と人生の意義を問い、生と死についての哲学的な世界をつくりあげた。
輸出禁止措置が解かれた1988年に世界各地の映画祭で上映されてさまざまな賞を受賞。日本では、1989年の第1回山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別招待作品として上映され、その3年後の1992年5月に劇場公開された。2022年12月、デジタルリマスター版で再公開。