- 製作
- 1993年 イギリス,日本
- 時間
- 75分
- 監督
- デレク・ジャーマン
- 出演
- ジョン・クエンティンナイジェル・テリーティルダ・スウィントン
- 種類
- ドキュメンタリー
【視界を覆う、ただ一面の青。鬼才デレク・ジャーマンが、失われゆく光の中で紡ぐ、魂のモノローグ。】
映画が始まると、スクリーンはただ一面、鮮烈な「青」で満たされる。物語も登場人物の姿も、そこには映し出されない。これは、1990年代、HIV合併症により視力を失いつつあった鬼才デレク・ジャーマン監督が、その最晩年に制作した遺作。観客は、ジャーマン自身の声、友人たちの声、そして緻密に計算された音楽と効果音だけで構成された世界に身を委ねる。語られるのは、病との闘い、愛する人々との記憶、そして死への思索。視覚を奪われた監督が、観る者に問いかける「映画とは何か」「見るとは何か」。青一色のスクリーンが、観る者自身の内面を映し出す鏡となる、究極の映像体験。