- 製作
- 1993年 ロシア,ドイツ
- 時間
- 77分
- 監督
- アレクサンドル・ニコラエヴィッチ・ソクーロフ
- 出演
- アレクサンドル・チェレドニクエリザヴェータ・コロリョーヴァ
- 種類
- ヒューマンドラマ
【ドストエフスキー『罪と罰』の世界。罪の意識に苛まれる男が、魂の救済を求め彷徨う、静謐なる映像詩。】
19世紀ロシア文学の世界を彷彿とさせる、霧深く陰鬱な架空の都市。犯した罪の重さに耐えかね、一人の青年が街を彷徨う。彼の名は明かされず、ただその苦悩に満ちた表情と足取りが、内面の葛藤を物語る。人々との疎外感、救いのない現実。彼はどこへ向かい、何を求めているのか。監督ソクーロフが、セピア色の退廃的な映像美で描き出す、魂の遍歴。明確な物語を排し、観る者の心に直接語りかける哲学的な問い。これは映画というより、一枚の動く絵画であり、深遠な思索の旅。