ドストエフスキー『罪と罰』の世界。罪の意識に苛まれる男が、魂の救済を求め彷徨う、静謐なる映像詩。
19世紀ロシア文学の世界を彷彿とさせる、霧深く陰鬱な架空の都市。犯した罪の重さに耐えかね、一人の青年が街を彷徨う。彼の名は明かされず、ただその苦悩に満ちた表情と足取りが、内面の葛藤を物語る。人々との疎外感、救いのない現実。彼はどこへ向かい、何を求めているのか。監督ソクーロフが、セピア色の退廃的な映像美で描き出す、魂の遍歴。明確な物語を排し、観る者の心に直接語りかける哲学的な問い。これは映画というより、一枚の動く絵画であり、深遠な思索の旅。
ネット上の声
- レヴォリューション no.9のような
- ソクーロフ特集にて
- ひと度死んだ街が何かの間違いでズルズルと呼吸してる様を思わせるおどろおどろしい映
- 『死者からの手紙』とかを想起させる腐食しきった空間の味わいはすばらしいけど話が全
ヒューマンドラマ
- 製作年1993年
- 製作国ロシア,ドイツ
- 時間77分
- 監督アレクサンドル・ニコラエヴィッチ・ソクーロフ
- 主演アレクサンドル・チェレドニク