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インドの名匠サタジット・レイが監督・脚本・音楽を手がけ、ひとりの映画スターの危機や内省を通して、ベンガル映画業界が抱える問題を巧みに批判したドラマ。
ベンガル映画界の人気俳優アリンダムは、デリーで行われる映画賞の授賞式に出席することになるが、航空券を確保できず寝台列車で現地へ向かう。列車内ではアリンダムの飲酒習慣をとがめる偏屈な老人やファンだという母娘など、乗客の誰もが彼のことを知っていた。そんな中、偶然乗り合わせた女性記者アディティからインタビューを受けることになったアリンダムは、彼女との会話を通じて自身の半生を見つめ直し、華やかな成功の裏に隠された孤独や葛藤に向き合っていく。
実際に当時のベンガル映画界で活躍していた人気俳優ウットム・クマルがアリンダム役で主演を務め、「大樹のうた」のシャルミラ・タゴールが記者アディティを演じた。日本では、レイ監督のデビュー70周年を記念した特集上映「サタジット・レイ レトロスペクティブ 2025」にて、25年7月に劇場初公開。
ヒューマンドラマ
- 製作年1966年
- 製作国インド
- 時間117分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ウットム・クマル
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聖なるガンジス河のほとりで、少年は世界を知る。故郷を離れ、学びへの渇望に目覚めた少年の成長と、母との心の距離を描く人間ドラマ。
舞台は20世紀初頭のインド。父の死後、一家は故郷の村を離れ、聖地ヴァーラーナシーへと移り住む。好奇心旺盛で聡明な少年アプーは、学校で学問の面白さに目覚め、その才能を開花させていく。やがて奨学金を得て、大都市カルカッタの大学へ進学する機会を得るアプー。まだ見ぬ世界への期待に心を膨らませる彼。しかしそれは、女手一つで彼を育ててきた母ショルボジョヤとの別れを意味していた。息子の成長を喜びながらも、寂しさを隠せない母。伝統的な価値観と近代的な学問との間で、母と子の心は次第にすれ違っていく。少年から青年へ、アプーが直面する人生の試練。
ネット上の声
- ベネチア映画祭グランプリ。映画の最高傑作
- 「オプー三部作」の二作目
- 間をつなぐ作品
- 🔸Film Diary🔸
ヒューマンドラマ
- 製作年1956年
- 製作国インド
- 時間110分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ピナキ・セン・グプタ
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1920年代、インドの貧しい村。厳しい現実の中、一人の少年の瞳が捉えた世界の詩情と家族の絆。
舞台は1920年代、ベンガルの貧しい村ニシュチンドゥプル。司祭の父、心優しい母、姉のドゥルガーと共に暮らす少年オプー。日々の暮らしは貧困と隣り合わせ。それでも、オプーの目には、雨上がりの水たまり、走り去る汽車、姉とのささやかな冒険など、世界は驚きと喜びに満ちていた。しかし、一家に訪れる過酷な運命。失われるものと、それでも心に灯り続ける希望。インド映画の巨匠サタジット・レイが描く、ある家族の愛と喪失の叙事詩、その始まり。
ネット上の声
- 歌って踊らないこんな骨太映画がインドにあったこと、出会えたことは喜び
- サタジット・レイが描く“インド”
- 温かくも冷徹に"家族"を見つめる
- 人間を描く力がもうひとつ
ヒューマンドラマ
- 製作年1955年
- 製作国インド
- 時間125分
- 監督サタジット・レイ
- 主演サビル・バナルジー
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「大地のうた」などの「オプー3部作」をはじめとする幅広いジャンルの名作で世界中の映画ファンから敬愛されてきたインドの巨匠サタジット・レイの中期の代表作で、同国の文豪ラビンドラナート・タゴールの小説を自身の脚本と音楽で映画化し、1965年のベルリン国際映画祭で監督賞を受賞した傑作ドラマ。
1880年、イギリスの植民地支配下にあるインド。カルカッタで暮らす裕福な主婦チャルラータは、政治新聞の編集長をつとめる多忙な夫ブパチに相手にしてもらえず寂しい日々を過ごしていた。そんな彼女の前に、ブパチの従弟アマルが現われる。チャルラータはアマルと一緒に過ごすうち、次第にアマルにひかれていく。
2015年9月、レイ監督のデビュー60周年を記念した特集上映「Season of Ray シーズン・オブ・レイ」でリバイバル公開。2025年7月にもレイ監督のデビュー70周年を記念した特集上映「サタジット・レイ レトロスペクティブ2025」でリバイバル公開。
ネット上の声
- サタジット・レイ自身が認める最高傑作
- 静寂な部屋から始まった物語は…
- 自己表現が繋ぎとめるのは…
- 書くことへの理不尽な抵抗
ヒューマンドラマ
- 製作年1964年
- 製作国インド
- 時間119分
- 監督サタジット・レイ
- 主演マドビ・ムカージ
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貧しくも美しい、インドの原風景。少年オプーの瞳を通して描かれる、家族の愛と詩情豊かな日常。
20世紀初頭、インド・ベンガルの小さな村。貧しいバラモン一家に生まれた少年オプーと姉のドゥルガ。夢見がちな父と、厳しい現実を生きる母のもと、二人は貧しさの中にも自然の美しさやささやかな喜びを見出し、かけがえのない日々を過ごす。しかし、一家を襲うのは容赦のない貧困と、過酷な運命の訪れ。美しいモノクロ映像で綴られる、詩情豊かな家族の物語。インド映画の巨匠サタジット・レイ監督による、不朽の三部作の第一章。
ネット上の声
- 「オプー三部作」完結編
- 至福感の描写は映画史上最高峰
- 産み育ててくれた“大地”、“大河”のように時は流れ、そして大きく力強い“大樹”へ
- ネオレアリズモやオリエンタリズムにのっかってるように見えてそうではない、正統派モ
ヒューマンドラマ
- 製作年1958年
- 製作国インド
- 時間105分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ショウミットロ・チャテルジー
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イギリス植民地下の1920年代ベンガル地方。時代の変化に抵抗し、すべてを失ってまで、最後の栄光と威信をかけて「音楽会」を開催する没落寸前の富裕な地主のすがたを描いたサタジット・レイ監督の代表作。旧地主層から新興商人への富裕層の移り変わりを美しく描いている。また当時のヒンドゥスタニー音楽の最高峰の演奏家がじっさいに出演しているので、音楽的にも注目される。
ネット上の声
- 没落地主の誇りと悲哀を描きながら「芸術」の持つ意味を問うサタジット・レイ初期の佳作。
- めちゃネタバレであまり感想らしい感想ではないので読むの注意
- ラストのダンサーのくだりを楽しめるのか
- 音楽と踊り、喜びと悲哀、そして虚栄と…
ヒューマンドラマ
- 製作年1958年
- 製作国インド
- 時間100分
- 監督サタジット・レイ
- 主演チョビ・ビッシャシュ
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35年間行方不明だった叔父と再会する姪家族の姿を描く人間ドラマ。監督・脚本・原案・音楽は「家と世界」の、本作が遺作となったサタジット・レイ。撮影はボルン・ラハが担当。
ヒューマンドラマ
- 製作年1991年
- 製作国インド
- 時間121分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ディポンコル・デー
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ヒューマンドラマ
- 製作年1965年
- 製作国インド
- 時間70分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ショウミットロ・チャテルジー
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インドの片田舎に住む一夫婦を通し、はるか遠くの戦争がおよぼす悲劇を描く。73年度ベルリン国際映画祭グランプリ受賞作品。製作はミセス・サルバニ・バッタチャーヤ、監督・脚本・音楽は「大都会」のサタジット・レイ、原作はビフティブシャーン・バナールジ、撮影はショーメンドゥ・ロイ、編集はドュラル・ドットが各々担当。出演はショーミットロ・チャタージ、バビータ、ションディーヤ・ロイ、ゴビンダ・チャクラバーティ、ロメシ・ムカージー、ノニ・ギョングリ、シェリー・パル、チトラ・バナージ、ショーチタ・ロイ、アニル・ギャングリィ、デバトシュ・ゴシュなど。
ネット上の声
- 遠くから戦争の響きが...
- 感動しました
- 原作は『大地のうた』の3部作と同じビブティブション・ボンドパッダエ(বিভূতি
- 日本軍のインパール作戦が原因で物資が届かなくなった農村での飢餓
ヒューマンドラマ
- 製作年1973年
- 製作国インド
- 時間101分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ショウミットロ・チャテルジー
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伝統的な価値観が根付くインドの大都市。家計を助けるため、保守的な主婦が社会へ踏み出す決意の物語。
1950年代、インドのカルカッタ。銀行員の夫と子供、そして両親と暮らす主婦のアラティ。決して裕福ではない家計を助けるため、彼女は夫の反対を押し切り、セールスの仕事に就くことを決意。初めて働くアラティは、外の世界で新たな自信と自立心に目覚めていく。しかし、彼女の成功は家庭内に波紋を広げ、伝統的な価値観を持つ家族との間に溝を生んでしまう。女性の社会進出と家族の在り方を問う、サタジット・レイ監督の傑作。
ネット上の声
- ベルリンで銀熊賞受賞。だが、しかし…
- 電車のパンタグラフが輝いて…
- 都会の喧騒に灯る淡い光
- 女性の社会進出を描いた作品って言われてるけど、
ヒューマンドラマ
- 製作年1963年
- 製作国インド
- 時間135分
- 監督サタジット・レイ
- 主演アニル・チャタージー
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ネット上の声
- インド版「明智探偵&小林少年」! サタジット・レイ原作&監督の児童向け冒険探偵もの。
- 象の頭を持つ像にぞっとするミステリー
アドベンチャー(冒険)
- 製作年1979年
- 製作国インド
- 時間122分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ショウミットロ・チャテルジー
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インドの世界的名匠サタジット・レイが、ベンガルを代表するユーモア作家ラジシェコル・ボシュの短編小説を原作に映画化したコメディ。伝統と近代化が交錯するインド社会を舞台に、軽妙なコメディの形式を借りながら宗教的偽善や盲信的信仰を鋭く風刺した。
弁護士のグルパダ・ミトラは妻を亡くして以来、心の拠りどころを求める日々を送っていた。そんなある日、彼は娘のブチキとともにバラナシから帰る途中で、不老を自称する聖者ビリンチ・ババと出会う。かつてプラトンと議論し、アインシュタインに公式を教え、キリストやブッダとも親しかったと豪語するババは多くの人々をひきつけ、グルパダもすっかり魅了されてしまう。一方、ブチキの恋人ショットはババの言動に疑念を抱き、友人で哲学者のニバランダらとともにその正体を暴こうとする。
本国インドでは同じくレイ監督による「臆病者」との2本立てで劇場公開された。日本では、レイ監督のデビュー70周年を記念した特集上映「サタジット・レイ レトロスペクティブ 2025」にて、25年7月に劇場初公開。
ネット上の声
- 時をかける偽聖者様と理性の徒の愉快な攻防。サタジット・レイの贈る小粋な宗教コメディ。
コメディ
- 製作年1965年
- 製作国インド
- 時間67分
- 監督サタジット・レイ
- 主演チャルプロカシュ・ゴーシュ
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今世紀初頭のベンガルの民族運動を背景に、理想主義者の地主の姿を友人と妻との葛藤をからめて描く。ノーベル賞詩人として知られるラビンドラナート・タゴールの原作を基に「遠い道(1981)」のサタジット・レイが監督。撮影はショーメンドゥ・ロイ、編集はドゥラル・ドット、美術はオショク・ボースが担当。出演はショーミットロ・チャタージ、ヴィクター・バナルジなど。
ネット上の声
- インドで“白”が表すものは
- 炎は輝き、燃える。
- やっぱ後期のサタジット・レイって成瀬やヴィスコンティに近いものがあって、その両者
- サタジットレイのほかの作品も見てみたい.. 正直難しいというか分からなかったので
ヒューマンドラマ
- 製作年1984年
- 製作国インド
- 時間139分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ショウミットロ・チャテルジー
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国が接収されるという重大時に執拗にチェスに興じる二人の貴族と悲運のアウド王の姿を描く。製作はスレーシュ・ジンダル。ムンシー・プレームチャンドの原作を基に「ミドルマン」のサタジット・レイが監督・脚色・音楽を担当。台詞はレイとシャマ・ザイディ、ジャヴェド・シディキ、撮影はショーメンドゥ・ロイ、編集はドゥラル・ドット、美術はボンシ・チャンドログプタが各々担当。出演はサンジーヴ・クマール、サイード・ジャフリー、シャバーナー・アーズミー、ファリーダー・ジャラール、アムジャド・カーン、リチャード・アッテンボロー、ヴィクター・バナルジなど。
ネット上の声
- まあ退屈なんだけど、根幹の逃れ得ない英国侵攻へのインド貴族の諦念みたいな、ため息
- 第七の封印やボビー・フィッシャーを探してと同様チェスと言われて思い浮かべる映画の
- 最近“外国語映画”ばかり観てたのもあるけど、インド人たちのシーンとイギリス兵たち
- タイトルの通り、おっさん貴族2人がチェスをするだけの映画
ヒューマンドラマ
- 製作年1977年
- 製作国インド
- 時間121分
- 監督サタジット・レイ
- 主演サンジーヴ・クマール
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思うような就職先を得られぬまま大学を卒業して、ミドルマン(仲介者)になった男を通し、インド社会を描く。チェコスロヴァキア・カルロヴィ・ヴィリ国際映画祭優秀作品賞受賞作品。製作はスヴィル・グーハ、監督・脚本・音楽は「遠い雷鳴」のサタジット・レイ、原作はモニ・シャンカール・ムカージー、撮影はショーメンドゥ・ロイ、編集はドゥラル・ドット、録音はJ・D・イラニが各々担当。出演はパラディプ・ムカージー、ウタパル・ダット、ラビ・ゴーシ、ショット・バナージ、リリー・チャクラバーティ、スデシャナ・ダス・シャラマなど。英語圏公開題名はThe Middleman。
ヒューマンドラマ
- 製作年1975年
- 製作国インド
- 時間134分
- 監督サタジット・レイ
- 主演パラディプ・ムカージー
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インドが生んだ東洋で初のノーベル賞に輝く世界的な文豪タゴールの生誕百年を記念してインド政府が製作したタゴールの伝記映画。監督・脚本・ナレーションは「大都会」のサタジット・レイ、撮影はショーメンドゥ・ロイ、音楽はジョティリンド・モイトラ、美術はボンシ・チャンドログプタが各々担当。
ドキュメンタリー
- 製作年1961年
- 製作国インド
- 時間54分
- 監督サタジット・レイ
- 主演---
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あるインド人(ベンガル人)の上流家庭の一日の出来事を、ピクーという6歳の少年の目を通して描いた短編。監督・脚本・音楽は「チェスをする人」のサタジット・レイ、撮影はショーメンドゥ・ロイ、編集はドゥラル・ドットが担当。出演はアルジュン・グゥハ・タクルタ、ナボルナ・シェーン、ヴィクター・バナルジ、プロモド・ガングリなど。
ヒューマンドラマ
- 製作年1981年
- 製作国フランス,インド
- 時間26分
- 監督サタジット・レイ
- 主演アルジュン・グゥハ=タクルク
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バラモン教を地上の神として崇める一人の男の不幸な死を描く。監督・脚本・音楽は「ピクー」のサタジット・レイ。原作はヒンディー語近代文学のプレームチャンドの小説『サドガティ』(「サドガティ」原題は「よき行ない・道」という意味)。撮影はショーメンドゥ・ロイ、台詞はオムリト・ラエとサタジット・レイ、編集はドゥラル・ドットが担当。出演はオーム・プリー、スミター・パーティルなど。
ネット上の声
- プレームチャンド「サドガディ」をサタジット・レイが脚色・監督したカースト制度、僧
社会派ドラマ
- 製作年1981年
- 製作国インド
- 時間50分
- 監督サタジット・レイ
- 主演オム・プリ
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英国系の一流会社に勤めるインド人のエリート・サラリーマンの西欧化した思考形態を諷刺的に描く。製作はバハロット・シャムシャールとジャング・バハドゥル・ラナ、監督・脚色・音楽は「チェスをする人」のサタジット・レイ、原作はシャンコール、撮影はショーメンドゥ・ロイ、編集はドゥラル・ドット、美術はアショケ・ボーシが各々担当。出演はボルン・チャンド、シャルミラー・タゴール、パロミタ・チョウドリー、ホリンドラナート・チャトパダーイ、ハラドン・バナージー、アジョイ・バナージー、プロシャント・モッリクなど。
ヒューマンドラマ
- 製作年1972年
- 製作国インド
- 時間112分
- 監督サタジット・レイ
- 主演ボルン・チャンド