全10作品。フルーツ・チャン監督が制作した映画ランキング

中国返還に揺れる香港の街を舞台に、社会の底辺で生きる若者たちの姿をリアルかつスタイリッシュに描き、香港で社会現象を巻き起こした青春ドラマ。これが2作目となるフルーツ・チャン監督は本作で次世代を担う俊英として注目を集め、後に「ドリアン　ドリアン」「ハリウッド★ホンコン」などのヒット作を連発。「ドッグ・バイト・ドッグ」「ピンポン」などの実力派俳優サム・リーは本作の主人公チャウ役でデビューを果たした。1997年、香港。借金取りを手伝う青年チャウと弟分のロンは、ベリーショートが魅力的な少女ペンと出会う。飛び降り自殺した女子学生の遺書を拾ったことをきっかけに、3人の間には奇妙な友情が芽生えるが、それは彼らにとって過酷な日々の始まりでもあった。ペンに恋心を抱くようになったチャウは、彼女が腎臓病で余命わずかなことを知る。日本では99年に劇場公開。2018年3月、4K レストア・デジタルリマスター版でリバイバル公開。

香港の裏町でたくましく生きる9歳の少年を描いたドラマ。監督・脚本は「花火降る夏」のフルーツ・チャン。撮影・音楽のラム・ワーチュン、編集のティン・サムファは「花火降る夏」に続く参加。出演は監督自身が発見した少年ユイ・ユエミンとマク・ワイファン、「花火降る夏」のゲーリー・ライほか。

返還当時の香港を舞台に、銀行強盗を決行した退役軍人の中年男の姿を描くドラマ。監督・脚本は「メイド・イン・ホンコン」のフルーツ・チャン。製作総指揮は人気歌手・俳優のアンディ・ラウ。撮影・音楽のラム・チューワン、編集のティン・サムファは「メイド・イン・ホンコン」に続く参加。出演は演劇界出身で本作が映画デビューとなるトニー・ホー、「メイド・イン・ホンコン」のサム・リーほか。

香港の歓楽街で体を売って稼ぐ中国の若い女性を描いたドラマ。監督・脚本・原案は「リトル・チュン」のフルーツ・チャン。撮影・音楽はチャン監督とずっとコンビを組んでいるラム・ワーチュン。出演はこれがデビューのチン・ハイルー、「リトル・チュン」のマク・ワイファンほか。第6回金紫荊最優秀脚本賞、最優秀主演女優賞、第20回香港電影金像賞最優秀脚本賞、最優秀新人賞受賞。

取り壊しが決定している香港の下町を舞台に、そこへやってきた上海娘が巻き起こす人間模様を描いた人間ドラマ。監督は、「メイド・イン・ホンコン」のフルーツ・チャン。「小さな中国のお針子」のジョウ・シュンが、キュートでミステリアスなヒロインを演じる。

体に入れ墨がある香港警察の熱血捜査官ガウ・ロン(マックス・チャン)は、女性警官ばかりを狙った連続殺人事件の捜査に奔走する中、犯人に婚約者を拉致されてしまう。失意のあまり彼は捜査の第一線から退くが、その後マカオで同じ手口の連続殺人が発生。愛する人の生存を信じるガウは、かつての部下を招集して犯人に挑む。

香港インディペンデント映画界を代表するフルーツ・チャン監督が、「ドリアン　ドリアン」「ハリウッド・ホンコン」と併せて自ら「娼婦3部作」と呼ぶ作品群の最終作。常人離れした性欲に悩む女性ムイ。父親は彼女を年老いた漁師に嫁がせる。2人の男はムイに売春させて金を稼ぎ、一石二鳥を得る。そんな中、ムイと驚くような性体験をして彼女の虜になった青年が3人目の“夫”となる。しかし彼だけではムイを満足させられず、彼女は結局客を取り続けることになり……。主演は「天安門、恋人たち」のクロエ・マーヤン。2018年・第31回東京国際映画祭コンペティション部門出品。

中田秀夫監督の「女優霊」をハリウッドリメイク。落ち目の映画監督マーカスは、突如襲ってくる幻覚に悩まされながらも、それをヒントに映画を製作していた。そんなマーカスに新作のオファーが舞い込み、ドラキュラ生誕の地・トランシルバニア高原にある古びた撮影スタジオに向かう。しかし撮影が始まると、映るはずのない女性の人影や機材の故障などのトラブルが続く。

「メイド・イン・ホンコン」「ドリアン　ドリアン」のフルーツ・チャン監督が、2002年の「トイレ、どこですか？」以来12年ぶりに香港で長編映画のメガホンをとったサスペンススリラー。17人の客を乗せて夜の香港を走行中の深夜バス。とあるトンネルを抜けたところで、乗客たちは自分たち以外のすべての人間が消えてしまったことに気づく。バスから降り、誰もいない街中をさまよう彼らだったが……。「10人の泥棒たち」のサイモン・ヤム、「ドッグ・バイト・ドッグ」のサム・リー、「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」のラム・シューら実力派俳優たちが、一癖も二癖もある登場人物たちを個性豊かに演じた。2014年・第27回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映作品。