全3作品。バディ・ジョヴィナッツォ監督が制作した映画ランキング

6年ぶりに出所してきた知的障害を持つ弟と彼を迎える兄の秘密と確執を描いた一編。監督・脚本は新鋭バディ・ジョヴィナッツォ。撮影はクラウディア・ラシュケ。音楽はリック・ジョヴィナッツォ。出演は「リトル・オデッサ」のティム・ロス、「スネーク・アイズ」のジェームズ・ルッソ、「クラッシュ」のデボラ・カーラ・アンガーほか。

1979年。ベルリン大学に通っていたアメリカ人のミッキーは、トラビスやヨハン、美しい女学生ラファエラとの友情を育んでいた。ある夜ラファエラを巡り、ヨハンと酒で勝負していたミッキーは、泥酔したヨハンと揉み合いになり階下に転落、野球選手として嘱望された将来を失ってしまう。それから20年後。ミッキーは野球賭博で身を持ち崩し、カネの取り立てに遭っていた。そんな時、トラビスから久しぶりに連絡が入り、彼に誘われベルリンへ。一方、建築家として活躍するヨハンは、古い工場を買い取り、隠れ家のような家を作っていた。そこでヨハンの妻となったラファエラとも再会したミッキー。その夜、クラブで出会った女性をヨハンの家に持ち帰ったトラビスだったが、2階の手すりが壊れた拍子に女性が転落し、死亡してしまう。

ベトナム戦争の悪夢に蝕まれ社会から見捨てられた帰還兵が、貧困と狂気の中で迎える絶望的な日常。

ニューヨークのスラム街。ベトナム戦争から帰還したフランキーを待っていたのは、過酷な現実。枯葉剤の影響で生まれた奇形児の息子、生活苦をなじる妻、そして脳裏に焼き付く戦場の記憶。英雄ではなく、社会の厄介者として扱われる日々。仕事も見つからず、彼の精神は徐々に崩壊。鳴り響く赤ん坊の泣き声が、かつての戦場の銃声と重なる時、彼の日常は地獄の戦場へと変貌する。男が迎える、あまりにも残酷な結末。