- 製作
- 1996年 パレスチナ
- 時間
- 84分
- 監督
- エリア・スレイマン
- 出演
- エリア・スレイマン
- 種類
- ヒューマンドラマ
【故郷パレスチナに戻った映画監督の目に映る、失われゆくアイデンティティ。静かで皮肉な日常の断片集。】
長い亡命生活を終え、映画監督エリア・スレイマンが故郷パレスチナに帰郷。彼は「パレスチナ人とは何か」をテーマに映画を撮ろうとするが、明確な答えは見つからない。カメラが捉えるのは、劇的な事件ではなく、占領下で続く非条理で滑稽ささえ漂う日常の断片。レストランで議論する人々、観光客を待つ男、沈黙する家族。言葉少なな監督自身の視点を通して、徐々に記憶や文化、そしてアイデンティティそのものが消えゆく様が静かに、しかし鋭く描き出される。これは、ある民族の存在証明を巡る、詩的で痛烈な映像年代記。