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ハンガリーの鬼才タル・ベーラが大作「サタンタンゴ」に続いて撮りあげた長編作品で、クラスナホルカイ・ラースローの小説「抵抗の憂鬱」をモノクロ映像で映画化した幻想ドラマ。
ハンガリーの荒涼とした田舎町。天文学が趣味の郵便配達員ヤーノシュは、音楽家の老人エステルの身の周りを世話している。エステルは18世紀の音楽家ベルクマイスターを批判しているようだ。ある日、町の広場に移動サーカスと見世物である巨大クジラがこつ然と姿を現す。住民たちは「プリンス」と名乗る扇動者の声にあおられるように広場に集まり、やがて町中に破壊と暴力が充満していく。
「ラン・ローラ・ラン」のラルス・ルドルフが主演を務め、「マリア・ブラウンの結婚」などライナー・ベルナー・ファスビンダー監督作への出演で知られるハンナ・シグラが共演。2024年2月、4Kレストア版にてリバイバル公開。
ネット上の声
- 四半世紀を経て、預言者の如く還ってきたクジラ
- 死せる大いなる者への挽歌。黙祷せよ。
- 「クジラ」とはいったい何なのか?
- タル・ベーラの傑作、ここに在り
ヒューマンドラマ
- 製作年2000年
- 製作国ハンガリー,ドイツ,フランス
- 時間145分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ラース・ルドルフ
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2011年の「ニーチェの馬」を最後に56歳で映画監督からの引退を表明した、ハンガリーを代表する巨匠タル・ベーラ監督が1994年に発表した作品で、4年の歳月をかけて完成させた7時間18分におよぶ長編大作。
ハンガリーのある田舎町。シュミットはクラーネルと組んで村人たちの貯金を持ち逃げする計画を企てていた。その話をシュミットが彼の女房に話しているところを盗み聞きしていたフタキは、自分もその話に乗ることを思いつく。その時、家にやって来た女は「1年半前に死んだはずのイリミアーシュが帰ってきた」と、にわかに信じられないことを口にする。イリミアーシュが帰ってくることを耳にした村人たちは、酒場に集まり議論するが、やがてその場は酒宴となり、いつものように夜が更けていった。そして翌日、女の言葉通りにイリミアーシュが村に帰ってきた。
日本では映画祭などでの上映のみだったが、2019年にベルリン国際映画祭フォーラム部門で初披露された「4K デジタル・レストア版」で同年10月に劇場初公開される。2024年10月にも製作30年を記念して4Kレストア版で上映。
ネット上の声
- 【”陰鬱な空の下、ハンガリーの寒村に雨は降り続く。”人を欺き、自由を求め、幻想を抱き、未来を信じ、けれど総てに幻滅し、諦観する根源的な人間の姿を描いた作品。】
- 少女終末旅行♥
- とーっても長い映像の綺麗な普通の作品
- 雨ニズブ濡レ、傘アラズ
ヒューマンドラマ
- 製作年1994年
- 製作国ハンガリー,ドイツ,スイス
- 時間438分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ヴィーグ・ミハーイ
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「ヴェルクマイスター・ハーモニー」「倫敦から来た男」で知られるハンガリーの名匠タル・ベーラが、ドイツの哲学者ニーチェの逸話を題材に荒野に暮らす男とその娘、一頭の馬のたどる運命を描く。1889年、イタリア・トリノ。ムチに打たれ疲弊した馬車馬を目にしたニーチェは馬に駆け寄ると卒倒し、そのまま精神が崩壊してしまう。美しいモノクロームの映像は「倫敦から来た男」も担当した撮影監督フレッド・ケレメンによる。2011年・第61回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員特別賞)を受賞。
ネット上の声
- ニーチェは出てきません。お気をつけて。
- タル・ベーラ監督が描くこの世の終焉
- つまらないのに、胸にぐさっとくる。
- あまりのインパクトにやられました
ヒューマンドラマ
- 製作年2011年
- 製作国ハンガリー,フランス,スイス,ドイツ
- 時間154分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ボーク・エリカ
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「サタンタンゴ」「ニーチェの馬」などで知られるハンガリーの映画作家タル・ベーラが、罪に絡みとられ破滅していく人々をリアルに描いた人間ドラマ。以降ほとんどのタル・ベーラ作品で脚本を担当する作家クラスナホルカイ・ラースローや音楽のビーグ・ミハーイが初めてそろい、独自のスタイルを確立させた記念碑的作品。荒廃した鉱山の町。夫のいる歌手と不倫しているカーレルは彼女の部屋を訪れるが追い返され、行きつけの酒場へ向かう。酒場の店主はカーレルに小包を運ぶ仕事を依頼するが、町を離れたくないカーレルは知り合いに運ばせようと思いつく。歌手の夫から彼女との関係を問い詰められたカーレルは、夫に小包を運ぶ仕事を持ちかける。
ネット上の声
- タル・ベーラ 伝説前夜にて
- 以前シアターイメージフォーラムの特集上映で観たが、不覚にも後半寝落ちしてしまった
- 香り立つ様なナルシシズムと退廃がどうしようも無い退屈を美しい映像に仕立て上げてい
- 絶望の中で希望がちらつくけど希望に向けて前進も後退もしない狭間の領域に巣食う人の
ヒューマンドラマ
- 製作年1988年
- 製作国ハンガリー
- 時間121分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ツェーケリ・B・ミクロシュ
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「ヴェルクマイスター・ハーモニー」「倫敦から来た男」「サタンタンゴ」などの作品を送り出してきたハンガリーの鬼才タル・ベーラが、1977年に発表した長編デビュー作。不法占拠者に対する警察官の暴力を撮影して逮捕されたタル・ベーラ自身の経験を基に、住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿をドキュメンタリータッチの映像で描き出す。首都ブダペストは住宅難により空き部屋がないため、イレンは仕方なく夫の家族と暮らしている。イレンのことが気に入らない義父は、彼女につらく当たる。帰宅した夫に不満を訴えるイレンだったが、夫はどっちつかずの態度を取り続ける。
ネット上の声
- 相関図がはっきり把握出来てない段階で既に「揉め」が発生していて「これは実の親子の
- 住宅難のために夫の両親と仕方なく同居する若い夫婦の境遇をドキュメンタリー風に描い
- 不法占拠していた労働者を暴力で制裁を加えた所を8mmカメラで撮影し逮捕されたタル
- 家の中では画面に隙間なく人を詰め込み、圧迫感がひどく、苦しい
ヒューマンドラマ
- 製作年1977年
- 製作国ハンガリー
- 時間105分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ラーツ・イレン
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「ヴェルクマイスター・ハーモニー」で世界を驚嘆させたハンガリーの鬼才タル・ベーラ監督が、「メグレ警視」シリーズで知られる推理作家ジョルジュ・シムノンの同名小説を映画化したフィルムノワール。静かな港町で単調な生活を送ってきた鉄道員の男が偶然にも殺人事件を目撃し、大金を手にしてしまったことから運命を狂わせていく姿をモノクロ映像で描き出す。出演はミロスラブ・クロボット、「フィクサー」のオスカー女優ティルダ・スウィントン。
ネット上の声
- こーいう監督なのだ、という予備知識も何もなく見てしまいました
- 見るものにとてつもない緊張感を強います
- カメラワークと映像美が陶酔感覚を誘う
- この白黒の映像美はただごとじゃない!
ヒューマンドラマ
- 製作年2007年
- 製作国ハンガリー,ドイツ,フランス
- 時間138分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ミロスラヴ・クロボット
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ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した「ニーチェの馬」や「サタンタンゴ」「倫敦から来た男」などで知られるハンガリーの名匠タル・ベーラが、ブダペストの映画芸術アカデミー在籍中の1981年に制作した長編第2作。同監督作の中では珍しいカラー作品で、社会に適合できないミュージシャンの姿を描き出す。精神科病院で働くアンドラーシュは、バイオリンの見事な演奏を患者に聞かせる。彼は自分の子を産んだばかりのアンナのもとを訪れ、彼女に別れを告げる。やがて彼は依存症患者と飲酒したことが原因で仕事を解雇され、ケーブル工場で働き始める。ある日、アンドラーシュは酒場で出会った女性カタと恋に落ち、結婚するが……。
ネット上の声
- 観てからレビューをすっかり忘れていたけど 暫く経っているのに細かく記憶している作
- 変わることを期待する女
- タル・ベーラの割にセリフがかなり多く、困窮した生活苦を並べただけの会話劇がほとん
- アウトサイダーとは誰なのか?精神病院から始まり、共産時代のハンガリーの田舎町の抜
ヒューマンドラマ
- 製作年1981年
- 製作国ハンガリー
- 時間128分
- 監督タル・ベーラ
- 主演サボー・アンドラーシュ