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凍てつくハンガリーの田舎町に現れた巨大なクジラと謎のサーカス団が、人々の狂気を呼び覚ます不条理劇。
雪に閉ざされたハンガリーの小さな町。心優しい郵便配達員の青年ヤーノシュは、宇宙の調和について語ることを日課とする日々。ある日、町に巨大なクジラの死骸を乗せたサーカス団が到着。その不気味な存在は、町に不穏な噂と緊張をもたらす。ヤーノシュは町の異様な雰囲気に戸惑いながらも日常を保とうとするが、サーカス団が連れてきた謎の「プリンス」の扇動により、住民たちの不満と暴力性が爆発。純粋な魂を持つヤーノシュが見つめる、秩序が崩壊し暴力が支配する世界の果て。
ネット上の声
- 言葉が出ない。とにかく凄い。
- 巨大なクジラと不穏な長回しが頭から離れない。こんな映画は初めて観た。
- モノクロの映像がとにかく美しい。町に漂う不穏な空気と、静かに進む物語にただただ圧倒された。ちょっと難解だけど観る価値あり。
- ごめんなさい、私には良さが分からなかった…。長回しが退屈で、途中で寝ちゃいました。
ヒューマンドラマ
- 製作年2000年
- 製作国ハンガリー,ドイツ,フランス
- 時間145分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ラース・ルドルフ
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巨匠タル・ベーラ、最後の作品。動かなくなった一頭の馬と、世界の終焉を生きる父娘の荒涼とした6日間。
19世紀末、荒野に立つ一軒家。年老いた農夫と娘、そして一頭の馬が、単調な毎日を繰り返していた。しかしある日、彼らの唯一の労働力である馬が、動くことを拒否。それは、世界の終わりを告げる静かな予兆。吹き荒れる風、枯れゆく井戸、消えゆく光。来る日も来る日も茹でたジャガイモを食べるだけの、絶望的な日常。抗うことをやめた父娘が静かに迎える、世界の終焉。
ネット上の声
- 今まで観たことのないタイプの映画。繰り返される日常が少しずつ崩れていく様が恐ろしくも美しい。長回しの映像と音楽に完全に引き込まれた。映画館で観たかったな。
- 時間の無駄だったかも。
- 眠くなるのは確かだけど、後からじわじわくる。人を選ぶけど間違いなく名作。
- まさに『観る』しかできない映画。傑作。
ヒューマンドラマ
- 製作年2011年
- 製作国ハンガリー,フランス,スイス,ドイツ
- 時間154分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ボーク・エリカ
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降り続く雨が全てを閉ざすハンガリーの村。死んだはずの男の帰還が、絶望に沈む人々の運命を狂わせる、7時間超の映像叙事詩。
共産主義体制が崩壊した後の、ハンガリーの寂れた農村。泥と雨に覆われ、人々は希望を失い、互いを疑い、裏切りながら生き長らえていた。そんな村に、死んだはずのカリスマ的な男イリミアーシュが帰還。彼は村人たちに理想郷への移住を説き、救世主のように振る舞う。人々は彼の甘言を信じ、なけなしの全財産を差し出して彼に従うことを決意。しかし、その先に待つのは本当に救済なのか、それとも更なる絶望の深淵か。圧倒的な長回しとモノクロ映像で描かれる、人間の愚かさと魂の彷徨。
ネット上の声
- 7時間超えは伊達じゃない。人生で一度は体験すべき映像詩。雨と泥と絶望の中に、人間のどうしようもなさが美しく描かれてて、観終わった後の虚無感がすごい。
- とにかく長い!でもモノクロの映像が綺麗で引き込まれた。暗くて重いけど不思議な魅力がある。
- 正直、長すぎて途中で寝ちゃったw 雰囲気はわかるけど、ストーリーが難解すぎるかな…。
- 圧倒的。これぞ映画。
ヒューマンドラマ
- 製作年1994年
- 製作国ハンガリー,ドイツ,スイス
- 時間438分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ヴィーグ・ミハーイ
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ハンガリーの鬼才タル・ベーラ監督が描く、絶望の雨が降りしきる炭鉱町を舞台にした、魂の救済を求める男の破滅的なモノクローム叙事詩。
絶え間なく雨が降り注ぐ、ハンガリーの寂れた炭鉱町。人生に絶望し、無気力な日々を送る中年男カールは、かつての恋人である酒場の歌手に今もなお執着していた。彼女の心を再び手に入れるため、カールは彼女の夫に儲け話を持ちかけ、町から追い出そうと画策する。しかし、その卑劣な計画は予期せぬ方向へと転がり始め、彼の孤独と絶望をさらに深い闇へと突き落としていく。タル・ベーラ監督の代名詞である圧倒的な長回しと、光と影が織りなす退廃的なモノクロ映像。人間の根源的な孤独と、救いのない世界で蠢く魂の彷徨いを描ききった、観る者の心を揺さぶる映像詩。
ネット上の声
- メチャクチャ観やすくなってる
- タル・ベーラ 伝説前夜にて
- タル・ベーラ作品、二口目
- "titanik bar"
ヒューマンドラマ
- 製作年1988年
- 製作国ハンガリー
- 時間121分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ツェーケリ・B・ミクロシュ
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深刻な住宅難に悩む若夫婦。夫の両親が住む狭いアパートに同居するも、そこは息詰まる人間関係の巣窟だった。社会主義下ハンガリーの現実を抉る傑作。
結婚したばかりの若夫婦、ラツィとイレーン。しかし、当時のハンガリーを覆う深刻な住宅不足により、新居を見つけることができない。仕方なく、彼らはラツィの両親が暮らす一部屋だけのアパートに転がり込む。一つの部屋に二つの世帯。プライバシーは皆無で、世代間の価値観の違いから諍いが絶えない毎日。安らぎの場であるはずの「家」は、次第に息苦しい人間関係の檻へと変わっていく。閉塞感漂う空間で、夫婦の愛と尊厳が試される、あまりにも切実で滑稽な共同生活の記録。
ネット上の声
- 1977年、ハンガリー、ドラマ
- 初タル・ベーラ
- 夫の両親のアパートに居候している女性が義父のモラハラに耐えながら娘を育てるがつい
- ようやくタル・ベーラ監督作品華々しくデビューした、サタンタンゴがずっとこうだった
ヒューマンドラマ
- 製作年1977年
- 製作国ハンガリー
- 時間105分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ラーツ・イレン
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港町で殺人事件を目撃した男。偶然手にした大金が、彼の日常を罪悪感と欲望、そして破滅の影が渦巻く悪夢へと変えるフィルム・ノワール。
霧深い港町。鉄道の信号手として、単調な日々を送る男マロイン。ある夜、彼は信号所から埠頭での殺人事件を目撃し、海に沈んだスーツケースを密かに回収する。中身は、彼の人生を永遠に変えるほどの大金だった。退屈な日常からの脱出口となるはずの富。しかし、それは同時に、彼の心を蝕む罪悪感と、追われる恐怖の始まりでもあった。警察の捜査、そしてロンドンから来た謎の男の影。手に入れた秘密を抱え、男は静かな狂気の深淵へと堕ちていく。
ネット上の声
- こーいう監督なのだ、という予備知識も何もなく見てしまいました
- 見るものにとてつもない緊張感を強います
- この白黒の映像美はただごとじゃない!
- カメラワークと映像美が陶酔感覚を誘う
ヒューマンドラマ
- 製作年2007年
- 製作国ハンガリー,ドイツ,フランス
- 時間138分
- 監督タル・ベーラ
- 主演ミロスラヴ・クロボット
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ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した「ニーチェの馬」や「サタンタンゴ」「倫敦から来た男」などで知られるハンガリーの名匠タル・ベーラが、ブダペストの映画芸術アカデミー在籍中の1981年に制作した長編第2作。同監督作の中では珍しいカラー作品で、社会に適合できないミュージシャンの姿を描き出す。精神科病院で働くアンドラーシュは、バイオリンの見事な演奏を患者に聞かせる。彼は自分の子を産んだばかりのアンナのもとを訪れ、彼女に別れを告げる。やがて彼は依存症患者と飲酒したことが原因で仕事を解雇され、ケーブル工場で働き始める。ある日、アンドラーシュは酒場で出会った女性カタと恋に落ち、結婚するが……。
ネット上の声
- 観てからレビューをすっかり忘れていたけど 暫く経っているのに細かく記憶している作
- 共産主義時代のハンガリーを垣間見る
- 色の付いたタル・ベーラ
- 変わることを期待する女
ヒューマンドラマ
- 製作年1981年
- 製作国ハンガリー
- 時間128分
- 監督タル・ベーラ
- 主演サボー・アンドラーシュ