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1970年代の日本。女性史を研究する圭子は、かつて「からゆきさん」としてボルネオ島サンダカンに送られた老婆・サキを訪ねる。貧しさから、わずか十代で騙されるように異国の娼館へ売られたサキ。彼女の口から語られるのは、日本人娼婦たちが祖国に見捨てられながらも、必死に生きた日々の記憶。過酷な労働、客からの暴力、そして望郷の念。歴史の闇に葬られた女性たちの声なき声。サキの壮絶な告白を通して、日本近代史の裏面を鋭く告発する衝撃作。
ネット上の声
- 本来、こういったベタでウェットな古いタイプの邦画は苦手なんだが、ここんとこ悲劇観
- 最近の映画は、すぐに忘れてしまいがちだが、昔の映画でもインパクトのある映画は、い
- 『むぞなげぇ』ファンタジーフィクション。こうならなけりゃ良か
- 多くの唐行きさんに謝りながら、恥ずべき歴史を知るべき
ヒューマンドラマ
- 製作年1974年
- 製作国日本
- 時間121分
- 監督熊井啓
- 主演栗原小巻
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戦争の罪を背負い、過去を捨てて生きる男。平穏な村に訪れた告発者が、偽りの日常を根底から揺るがす衝撃のドラマ。
終戦から10年余り、九州の小さな炭鉱町。宇南親雄は、戦争中の過去をひた隠し、今は妻子と静かに暮らす実直な男。しかし、ある日、かつて彼が所属した部隊の元兵士と名乗る男が出現。男は宇南が中国大陸で犯した残虐行為を告発し、彼の偽りの平和を打ち砕く。村人たちの猜疑の目、そして自らの罪の記憶。逃れられない過去と向き合うことになった男の苦悩と、戦争が人々に残した深い傷跡を抉り出す社会派サスペンス。
ネット上の声
- 『地の群れ』を知って、こういう話こそ現代の日本で映画にすべきではないかと思ったが、この作品を観て、それは甘いし浅い考えだ(だって絶対無理!)と認識したほど衝撃的。
- 「福田村事件」の描き方がなんとも辛気臭く、映画としての色気が全く感じられなかった
- 今はもうないけど佐世保市の図書館の前の橋の名が金子光晴橋だった。好...
- 被差別者間の凄まじい争いの描写に、製作者たちの真摯さ潔さを感じた。
ヒューマンドラマ
- 製作年1970年
- 製作国日本
- 時間127分
- 監督熊井啓
- 主演鈴木瑞穂
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第二次大戦末期の大学病院。倫理観が崩壊した医師たちが手を染めた、米軍捕虜への恐るべき生体解剖実験。
太平洋戦争末期、九州地方の大学病院。若き医師の勝呂と戸田は、戦況の悪化と共に麻痺していく日常を送っていた。ある日、軍から撃墜された米兵捕虜の生体解剖実験への参加を命じられる。それは「医学の進歩」という大義名分のもと、人間の尊厳を完全に踏みにじる行為。上官の命令と医師としての良心との間で、彼らの精神は極限まで追い詰められていく。正常な判断力を失わせる戦争という狂気の中で、罪の意識なくメスを握る教授たち。そして、若き医師たちもまた、その深淵を覗き込むことになる。人間の内なる闇を描いた衝撃作。
ネット上の声
- 人を救う為の医療の犠牲になって死んでいった者たち、その命の重さとは、そして人間の
- 中盤以降ヤベーことしか言ってないし説教されても大事なところ外国語で叫ぶから伝わっ
- WW2終戦間近に九州大学で行われた米兵生体解剖事件を、医学生目線で描いた同名小説
- 戦時中の1945年に九州大学医学部で起きた「米軍捕虜8名・生体解剖事件」を元に遠
ヒューマンドラマ
- 製作年1986年
- 製作国日本
- 時間123分
- 監督熊井啓
- 主演奥田瑛二
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大正時代の東京。過去に暗い影を背負う男女の、純粋でひたむきな愛。運命に抗う二人の静かな決意。
大正時代の東京。苦学しながらも文学を志す青年・哲郎は、小料理屋で働く女性・志乃と出会い、恋に落ちる。慎ましくも美しい志乃。しかし彼女は、兄が罪を犯したことで世間から受けた心の傷と、自身の不幸な生い立ちを背負っていた。哲郎もまた、複雑な家庭の事情を抱える身。互いの暗い過去を打ち明け、すべてを受け入れた二人は、世間の偏見に抗いながら純粋な愛を育んでいく。運命に翻弄される男女の、ひたむきで切ない愛の軌跡。
ネット上の声
- 大学在籍中に教員になれるという過去の話
- 三浦哲郎、私の中で爪痕を残す作家です
- 社会派熊井啓監督のデカダンな恋愛映画
- 明日を信じて強く生きる恋人たちの物語
ヒューマンドラマ
- 製作年1972年
- 製作国日本
- 時間120分
- 監督熊井啓
- 主演栗原小巻
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戦後日本の巨大プロジェクト、黒部ダム建設。不可能に挑んだ男たちの、命を懸けた闘いの記録。
舞台は、高度経済成長期の日本。関西電力による世紀の大事業、黒部ダム建設。トンネル工事の責任者である岩岡と、工事を請け負った熊谷組の北川。彼らの前に立ちはだかるのは、毎秒660リットルもの水が噴出する「大破砕帯」。いつ崩落してもおかしくない危険な状況の中、仲間を失いながらも、日本の未来のため、家族のために掘り進む男たち。これは、自然の猛威に知恵と勇気で立ち向かった者たちの、熱き魂の物語。
ネット上の声
- 観ている自分にも自然と力が入ってしまう、見逃せない名作
- これを観ちゃうと最近の日本映画ショボすぎる。
- ゆっくりと重厚かつ濃密に進む「3時間」
- フジTV史上最大規模番組「黒部の太陽」
ヒューマンドラマ
- 製作年1968年
- 製作国日本
- 時間196分
- 監督熊井啓
- 主演滝沢修
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遠藤周作の同名小説を原作に、インドの母なる大河ガンジスを舞台として、愛と悪と魂の救済をテーマに描く文芸ドラマ。インド政府の協力により、日本映画としては初めてインドにおける長期ロケーションが実現した。監督・脚色は「ひかりごけ」の社会派・熊井啓。主演は「レッスン Lesson」の秋吉久美子と「棒の哀しみ」の奥田瑛二。95年度キネマ旬報ベストテン第7位。
ネット上の声
- 遠藤周作さんのご意見は?
- 原作の方は、高校3年の時に読んで以来、私の人生の1冊といえるものの1つ
- * 小説ほどの深さを表現するのはさすがに厳しいか
- 熊井啓監督による遠藤周作原作の映画化最終作
ヒューマンドラマ
- 製作年1995年
- 製作国日本
- 時間130分
- 監督熊井啓
- 主演秋吉久美子
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占領下の日本を震撼させた国鉄総裁謎の死。巨大な権力の壁に挑む、一人の新聞記者の執念を描く社会派サスペンス。
昭和24年、敗戦後の日本。国鉄初代総裁・下山定則が、轢死体で発見される。警察は早々に自殺と断定。しかし、新聞記者の矢代は、大規模な人員整理を背景とした謀殺事件だと確信し、独自の調査を開始。GHQの影、錯綜する証言、そして見えざる圧力。真実を追うほどに深まる謎と、身に迫る危険。歴史の闇に葬られようとする大事件の真相に、男は辿り着けるのか。
ネット上の声
- 先日NHKの未解決事件がおもしろかったので、いつか見ようとHDの中に眠っていた『
- 戦後の日本で実際に起きた昭和ミステリーのドキュメンタリー映画
- アメリカ様ァ!これが戦後の総括です(笑)
- 占領時代「戦後史最大の謎」
冤罪、 実話
- 製作年1981年
- 製作国日本
- 時間115分
- 監督熊井啓
- 主演仲代達矢
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江戸・深川の岡場所を舞台に、遊女たちの逞しくも哀しい生き様を描く、黒澤明の遺稿を映画化した人間ドラマ。監督は「日本の黒い夏 冤罪」の熊井啓。撮影を「日本の黒い夏~」の奥原一男が担当している。主演は、「田園のユーウツ」の清水美砂と「日本の黒い夏~」の遠野凪子。日活創立90周年記念作品。
ネット上の声
- 日活90周年記念作品にして、黒澤明の脚本
- 遊女の恋は、惚れちゃいけない。
- ある意味偉人の「お新ちゃん」
- 爽やかな吉原炎上(深川洪水)
時代劇
- 製作年2002年
- 製作国日本
- 時間119分
- 監督熊井啓
- 主演清水美砂
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米軍基地で起きた一つの事件。その真相を追う執念が、戦後日本の巨大な闇を暴き出す社会派サスペンス。
1960年代、米軍基地が点在する日本。基地内で日本人少女暴行殺人事件が発生する。容疑者として一人の米兵が浮かぶが、日米地位協定の壁が捜査を阻む。新聞記者の秋山は、元特高刑事の矢部と共に事件の真相を追う。軍や警察の圧力、証言者たちの沈黙に直面しながらも、彼らは事件の裏に隠された真実を追い求める。やがて調査は、戦時中から続く国家間の根深い問題へと突き当たる。一つの事件の真相は、巨大な権力によって捻じ曲げられてしまうのか。
ネット上の声
- 本作の英語題はA Chain of Islandsです そこに着目して頂きたいと思います 日本列島と書いて、鎖の列島と読め そういう監督からのメッセージなのだと思います
- 戦後日本に起きた幾つかの事件に関する仮説を提示
- 日本はアメリカに255の基地を提供している
- アメリカによる日本の”闇”支配
ヒューマンドラマ
- 製作年1965年
- 製作国日本
- 時間117分
- 監督熊井啓
- 主演宇野重吉
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茶道の名匠・千利休の娘・吟の悲恋を描く、今東光原作の同題名小説の映画化。脚本は「京舞・四世井上八千代」の依田義賢、監督は「北の岬」の熊井啓、撮影は「ねむの木の詩がきこえる」の岡崎宏三がそれぞれ担当。
ネット上の声
- 力作。中野の演技。考証に不満
- お吟と高山右近の恋
- 奇妙なのは「お吟さま」というタイトルで、誰の口から出るものだろう?原作通りならお
- 三船敏郎演じる豊臣秀吉はキリスト教や朝鮮明侵略などの外に目を向けて内を見ようとし
- 製作年1978年
- 製作国日本
- 時間154分
- 監督熊井啓
- 主演志村喬
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昭和史最大のミステリー「帝銀事件」。一人の死刑囚の無実を訴え続け、国家権力の闇に迫った執念のドキュメンタリー・ドラマ。
1948年、帝国銀行椎名町支店で発生した青酸カリによる12名毒殺事件。戦後日本の混乱期を震撼させたこの大量殺人事件の犯人として逮捕されたのは、画家の平沢貞通。拷問まがいの取り調べの末に自白し、死刑判決が確定。しかし、彼は獄中から一貫して無実を叫び続ける。ずさんな捜査、矛盾だらけの証拠、そして噂される旧日本軍秘密部隊の影。本当に彼が犯人なのか。膨大な資料と証言を基に、事件の深層と司法の闇に鋭く切り込む。一人の男の人生を狂わせた巨大な謎の行方。
ネット上の声
- アマプラ配信中の帝銀事件とその後の裁判を描いた一本
- 事件報道には冷静になりたい。
- ●帝銀事件 死刑囚(1964年日本
- 死刑は執行されなかった
死刑囚、 冤罪、 裁判・法廷、 ドキュメンタリー
- 製作年1964年
- 製作国日本
- 時間116分
- 監督熊井啓
- 主演信欣三
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ダム建設に揺れる村で、故郷の土地を命がけで守ろうとする一人の農夫の孤独な闘い。
静かな山村で、代々受け継がれてきた土地を耕し、自然と共に生きてきた農夫の朝夫。彼の穏やかな日常は、村を沈める巨大ダムの建設計画によって突如として打ち砕かれる。補償金を受け取り、次々と村を去っていく隣人たち。しかし、朝夫はただ一人、先祖から受け継いだ土地を離れることを頑なに拒否する。近代化の大きな波に抗い、たった一人で権力に立ち向かう彼の姿は、やがて家族との間にも溝を生んでいく。失われゆく故郷への愛と、時代の流れに翻弄される人間の尊厳を描いた魂の物語。
ネット上の声
- 熊井作品にしては
- 社会派のお堅い感じかと思いきや仲代達矢が時代劇かて感じの立ち回りしてて面白かった
- 自然破壊は人類の歴史だけでなく村や家族や夢や努力の破壊であり父を残して娘を乗せた
- 熊井啓監督の社会派作品の中で、初々しい関根恵子の圧倒的な存在感が見られる傑作!
ヒューマンドラマ、 サスペンス
- 製作年1973年
- 製作国日本
- 時間130分
- 監督熊井啓
- 主演仲代達矢
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事故によって童心に帰った男と彼を囲む女たちとの愛と葛藤を描く。秋元松代原作の戯曲「かさぶた式部考」の映画化で、脚本・監督は「千利休 本覺坊遺文」の熊井啓。撮影は同作の栃沢正夫がそれぞれ担当。
ヒューマンドラマ
- 製作年1990年
- 製作国日本
- 時間113分
- 監督熊井啓
- 主演奥田瑛二
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仏教の戒律を日本に伝えるため、荒波の海を渡った遣唐使たちの、信念と執念を描く壮大な歴史叙事詩。
奈良時代、天平年間。日本の仏教界を正すため、高僧・鑑真を日本へ招くという国家的な使命を帯び、若き僧侶たちが唐へと旅立つ。しかし、彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する苦難の連続。度重なる航海の失敗、異国での迫害、そして仲間との別れ。幾度となく挫折しながらも、彼らは決して諦めない。鑑真和上もまた、失明という悲劇に見舞われながら、日本へ渡るという固い決意を貫く。十数年にも及ぶ壮絶な旅路の果てに、彼らは無事に使命を果たせるのか。井上靖の不朽の名作を原作とした、感動の歴史大作。
ネット上の声
- 鑑真の実像
- 奈良が…見えました…。
- 何度でも見たい
- 奈良の平城宮跡歴史公園に、遣唐使船の展示や鑑真和上に関する紹介などあって、思わず
ヒューマンドラマ
- 製作年1980年
- 製作国日本
- 時間152分
- 監督熊井啓
- 主演中村嘉葎雄
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1994年6月27日に起こった松本サリン事件を材に、一市民を冤罪へと陥れた警察捜査、マスコミ報道、そして市民の偏見の在り方を問う社会派実録ドラマ。監督は「愛する」の熊井啓。平石耕一による原作を基に、熊井監督自身が脚色。撮影を「生地獄」の奥原一男が担当している。主演は、「世にも奇妙な物語 映画の特別編/携帯忠臣蔵」の中井貴一と「サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS」の寺尾聰。ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・カメラ賞受賞作品。
ネット上の声
- ☆mixi過去レビュー転載計画(TSUTAYAレンタル編)
- 昔、学校で見せられた道徳教材レベルの映画
- 河野さんの奥さんのことをさ そんなもの
- 火のないところに煙を立てる・・・
冤罪、 社会派ドラマ
- 製作年2000年
- 製作国日本
- 時間119分
- 監督熊井啓
- 主演中井貴一
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千利休四百年遠忌特別作品。安土・桃山時代の茶人・千利休の謎に包まれた晩年を、愛弟子・本覚坊らが解き明かしていく様子を描く。井上靖原作の小説『本覺坊遺文』の映画化で、脚本は「天平の甍」の依田義賢が執筆。監督は「海と毒薬」の熊井啓、撮影は「女衒」の栃沢正夫がそれぞれ担当。
ネット上の声
- もうこんな映画出てこないと思う
- いろんな意味でバブル
- この映画が公開された1989年頃の奥田瑛二と言えば「男女7人夏物語」や「金曜日の
- 佗茶を権勢の場に持ち込んでしまった矛盾を…
時代劇
- 製作年1989年
- 製作国日本
- 時間107分
- 監督熊井啓
- 主演奥田瑛二
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戦時中に実際に起こった食人事件をもとに描かれた武田泰淳の同名小説の映画化。脚本・監督は「式部物語」の熊井啓。共同脚本は池田太郎。撮影は同作の栃沢正夫がそれぞれ担当。
ネット上の声
- 「人肉を食べる」って行為には興味あるけど
- すぐれた映画ですが、どこかにズレが。
- 後半突然シュールになります。
- シュールだ
生き残りを賭けた極限のサバイバル、 ヒューマンドラマ
- 製作年1992年
- 製作国日本
- 時間118分
- 監督熊井啓
- 主演三國連太郎
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ハンセン病と誤診されたことにより、人間としての生き方に目覚めていく孤独な少女の心の成長を描いたヒューマン・ドラマ。監督は「深い河」の熊井啓。原作は、かつて浦山桐郎が映画化した遠藤周作の『わたしが・棄てた・女』で、今回は原作に忠実に熊井自身が脚色。撮影には「深い河」の栃沢正夫があたっている。主演は「誘拐」の酒井美紀と「スワロウテイル」の渡部篤郎。
ネット上の声
- 良作であることは間違いない
- 遠藤周作×熊井啓、その三
- 切ない切ない・・・映画
- 何がなんやらさっぱり理解できない映画。
ヒューマンドラマ
- 製作年1997年
- 製作国日本
- 時間114分
- 監督熊井啓
- 主演酒井美紀
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日本人自動車技師と美しい修道女の愛の彷徨を描いた辻邦生の同名小説の映画化。脚本は「朝やけの詩」の桂明子、監督は脚本も執筆している「サンダカン八番娼館 望郷」の熊井啓、撮影も同作の金宇満司がそれぞれ担当。
ネット上の声
- ほぼ原作に忠実な映画化だが、尼僧の思い、信念を言葉で説明しても、分かりにくい
- 製作年1976年
- 製作国日本
- 時間113分
- 監督熊井啓
- 主演加藤剛