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「三池 終わらない炭鉱の物語」などで炭鉱に関わる人々を追い続けて来たドキュメンタリー映画監督・熊谷博子が、瀬戸内海のハンセン病回復者・宮崎かづゑさんにカメラを向けたドキュメンタリー。
瀬戸内海の長島にある国立ハンセン病療養所・長島愛生園。かづゑさんは10歳で入所してから約80年、ずっとこの島で生きてきた。病気の影響で手の指や足を切断し、視力もほとんど残っていないが、周囲の手を借りながら買い物も料理も自分で行う。患者同士のいじめに遭うなどつらかった子ども時代には、家族の愛情とたくさんの愛読書が、彼女を絶望の淵から救ってくれた。そして夫の孝行さんと出会ってからは、海沿いの夫婦寮で自然とともに暮らしてきた。
いつも新しいことに挑戦しているかづゑさんは、76歳の時にパソコンを覚え、84歳で初の著作「長い道」を出版。熊谷監督が2016年から8年間にわたって長島愛生園に通い続け、かづゑさんの日常を映し出す。俳優の斉藤とも子がナレーションを担当。
ネット上の声
- ドキュメンタリーには事実を紐解いていくものと人物を深く掘り下げるものがあるが、本作の被写体はあまりにも強烈なので、それを受け止めて進行していく監督の手腕が見事だ。
- 指、脚の切断、老いにも負けないバイタリティの凄い人
- 素敵なところと物足りなかったところ
- 何事にも前向きな精神の強さに感服
ドキュメンタリー
- 製作年2023年
- 製作国日本
- 時間119分
- 監督熊谷博子
- 主演---
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日本初のユネスコ世界記憶遺産になった山本作兵衛の記録画と日記を通し、日本の近現代史を描き出すドキュメンタリー。国策として進められた石炭産業の栄枯盛衰を労働者の視点からつづり、絵や日記などのかたちで残した山本作兵衛。福岡県の筑豊炭田で幼い頃から炭鉱夫として働いてきた作兵衛は、自らが体験した労働や生活を後世に伝えようと、60歳半ばを過ぎてから絵筆をとった。国のエネルギー政策はやがて石炭から石油へと移行し、炭鉱は次々と姿を消し、その裏ではさらに原子力発電への準備が進んでいた。そんな時代の移ろいの中でも「底のほうは少しも変わらなかった」という言葉を残した作兵衛の残した「記憶」と向き合い、生前の作兵衛を知る人々などの証言も交え、日本の過去と現在、そして未来を見つめていく。
ネット上の声
- 作兵衛さんの作品に興味がある人は必見
- 実直すぎるほど実直な記録映画
- 石炭の記憶
- ユネスコ世界記憶遺産に登録された作兵衛さんの絵は、表情の乏しく思える絵ながら、炭
ドキュメンタリー
- 製作年2018年
- 製作国日本
- 時間111分
- 監督熊谷博子
- 主演---
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1977年に閉山となった三池炭鉱の歴史に迫ったドキュメンタリー作品。福岡県大牟田市を中心に20あまりの坑口(坑内への入り口)を持ち、一時は全国の石炭の四分の一を掘り出していた日本最大規模の三池炭鉱。その坑道は有明海の下に迷路のように伸び、もっとも深い所では海面下600メートルもあったという。この三池炭鉱の歴史を「負の歴史」と呼ぶ人もいる。囚人労働、強制連行、日本を揺るがした労働争議(昭和35年)、炭じん爆発事故……三池炭鉱は常に歴史のターニングポイントとなる場所だったのだ。その三池炭鉱で過酷な労働を引き受けてきた男女の証言を聞き続け、7年がかりで本作を完成させたのは、社会派ドキュメンタリー作品を作り続けてきた熊谷博子監督(「ふれあうまち」)だ。本作品は、地下の危険な場所で石炭を掘り続け、日本を支えてきた無数の人々にスポットを当てることで、150年以上にも及ぶ三池炭鉱の歴史に初めて正面から向かい合った画期的な作品である。
ネット上の声
- じいちゃんの生まれ故郷大牟田であったこと
- 大罪: ドキュメンタリーを偽装すること
- 当時の「顔」の迫力は凄い…
- すばらしい映画でした
ドキュメンタリー
- 製作年2005年
- 製作国日本
- 時間103分
- 監督熊谷博子
- 主演---