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社会の片隅で生きる前科者の男と脳性麻痺の女性、二つの孤独な魂が紡ぐ、常識を揺さぶる禁断の純愛。
舞台は現代の韓国・ソウル。主人公は、傷害致死で服役し出所したばかりの社会不適合者ホン・ジョンドゥ。そして、部屋に置き去りにされた重度の脳性麻痺を持つ女性ハン・コンジュ。ジョンドゥが起こした事件の被害者家族の家を訪れたことから始まる、二人の歪な出会い。最初は暴力的な衝動から始まった関係。しかし、互いの孤独を理解し合ううち、二人の間には純粋な愛情が芽生え始める。だが、彼らの愛は家族や社会から理解されず、偏見と非難の目に晒される。世間の常識が「汚らわしい」と断罪する関係の中で、二人が見つけ出す希望の光「オアシス」。その愛の行方。
ネット上の声
- 主演二人の演技が凄すぎて言葉を失った。社会の片隅で生きる二人の純愛が、あまりにも切なくて美しい。間違いなく傑作です。
- 衝撃的だったけど、二人だけの世界が本当にオアシスみたいで…。ラストは涙が止まらなかった。
- ごめんなさい、私には無理でした。
- 好き嫌いは分かれると思うけど、韓国映画の底力を感じた。観ていて辛いシーンも多い。
恋愛
- 製作年2002年
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ネット上の声
- イ・チャンドン監督、やっぱりすごい。詩を書くために美しいものを探す主人公と、孫が起こした醜い事件。この対比がずっと心に重くのしかかって、ラストで全部持っていかれた。静かだけど、とんでもない衝撃作。
- 主人公の女性の気持ちが痛いほど伝わってきて、涙が出ました。静かで美しい、忘れられない映画です。
- テーマはかなり重いけど、見応えはあった。韓国映画のレベルの高さを改めて感じさせられる一本。
- きれいなものだけ見て詩は書けないんだなって。辛い現実から目を逸らさずに美しさを見つけようとする姿に胸を打たれた。
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ネット上の声
- 主人公はどうしたかったのか?神様の正体と宗教の意義を含めて考えてみました。
- 映画館で観たら、どうなっていただろう
- イ・チャンドンの残酷で美しい眼差し
- 善良という暴力。信仰という無知。
ヒューマンドラマ
- 製作年2007年
- 製作国韓国
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- 監督イ・チャンドン
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「帰りたい!」男の絶叫が20年の時を遡る。純粋な青年が絶望に至るまでを逆再生で描く、残酷で美しい人生の軌跡。
1999年春、川辺での同窓会。場違いな男キム・ヨンホが、線路上で「帰りたい!」と叫び、彼の人生は死の瞬間から20年前へと遡り始める。事業に失敗し、家族も失った現在から、刑事時代の暴力、兵役中のトラウマ、そして初恋の女性との淡い思い出へ。時代に翻弄され、純粋さを失っていく一人の男の人生の断片。なぜ彼は壊れてしまったのか。物語が過去へ進むほどに、観客は彼の魂の叫びの根源を知ることになる。ラストシーンに待つのは、最も美しく、最も残酷な始まりの瞬間。
ネット上の声
- 韓国の歴史を知らないと理解しきれないんだろう。素晴らしい映画である...
- 物語の冒頭には1999年の、人生に絶望しきった40代の主人公が登場...
- 未来へと歩みを進めることは、とても恐ろしい。
- どうかもうこれ以上悲しまないでください
ヒューマンドラマ
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- 製作国韓国,日本
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- 監督イ・チャンドン
- 主演ソル・ギョング
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「シークレット・サンシャイン」「オアシス」で知られる名匠イ・チャンドンの8年ぶり監督作で、村上春樹が1983年に発表した短編小説「納屋を焼く」を原作に、物語を大胆にアレンジして描いたミステリードラマ。
アルバイトで生計を立てる小説家志望の青年ジョンスは、幼なじみの女性ヘミと偶然再会し、彼女がアフリカ旅行へ行く間の飼い猫の世話を頼まれる。旅行から戻ったヘミは、アフリカで知り合ったという謎めいた金持ちの男ベンをジョンスに紹介する。ある日、ベンはヘミと一緒にジョンスの自宅を訪れ、「僕は時々ビニールハウスを燃やしています」という秘密を打ち明ける。そして、その日を境にヘミが忽然と姿を消してしまう。ヘミに強く惹かれていたジュンスは、必死で彼女の行方を捜すが……。
「ベテラン」のユ・アインが主演を務め、ベンをテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」のスティーブン・ユァン、ヘミをオーディションで選ばれた新人女優チョン・ジョンソがそれぞれ演じた。第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で国際批評家連盟賞を受賞。2023年、イ・チャンドン監督の特集上映「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」にて、4Kレストア版でリバイバル公開。
ネット上の声
- 村上作品を韓国映画の熱量で新たな視点で昇華させた秀作
- いつの間にか文明が作り出した幻に囚われていた
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兵役を終え、様変わりした故郷に帰ってきた青年マクトン。帰りの汽車で出会った謎の美女ミエに惹かれ、彼女を追ううちに暴力団のボス、ペ・テゴンと出会う。純粋さゆえにボスの信頼を得て、裏社会でのし上がっていくマクトン。しかし、ミエがボスの愛人であることを知り、彼の心は激しく揺れ動く。家族への想いと、ミエへの禁断の恋、そして組織への忠誠心。抜け出せない闇の中で、彼が求めたささやかな夢の代償。
ネット上の声
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- イ・チャンドンデビュー作でジャンル的には韓国ノワールになるんだろう...
- 低い評価に惑わされず、韓国映画を見よう
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