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社会の片隅で生きる前科者の男と脳性麻痺の女性、二つの孤独な魂が紡ぐ、常識を揺さぶる禁断の純愛。
舞台は現代の韓国・ソウル。主人公は、傷害致死で服役し出所したばかりの社会不適合者ホン・ジョンドゥ。そして、部屋に置き去りにされた重度の脳性麻痺を持つ女性ハン・コンジュ。ジョンドゥが起こした事件の被害者家族の家を訪れたことから始まる、二人の歪な出会い。最初は暴力的な衝動から始まった関係。しかし、互いの孤独を理解し合ううち、二人の間には純粋な愛情が芽生え始める。だが、彼らの愛は家族や社会から理解されず、偏見と非難の目に晒される。世間の常識が「汚らわしい」と断罪する関係の中で、二人が見つけ出す希望の光「オアシス」。その愛の行方。
ネット上の声
- 主演二人の演技が凄すぎて言葉を失った。社会の片隅で生きる二人の純愛が、あまりにも切なくて美しい。間違いなく傑作です。
- 衝撃的だったけど、二人だけの世界が本当にオアシスみたいで…。ラストは涙が止まらなかった。
- ごめんなさい、私には無理でした。
- 好き嫌いは分かれると思うけど、韓国映画の底力を感じた。観ていて辛いシーンも多い。
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ネット上の声
- イ・チャンドン監督作品は「オアシス」が途中しんどくなってやめてしまったきりです
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ネット上の声
- 主人公はどうしたかったのか?神様の正体と宗教の意義を含めて考えてみました。
- 映画館で観たら、どうなっていただろう
- イ・チャンドンの残酷で美しい眼差し
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ヒューマンドラマ
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ネット上の声
- 韓国の歴史を知らないと理解しきれないんだろう。素晴らしい映画である...
- 物語の冒頭には1999年の、人生に絶望しきった40代の主人公が登場...
- 未来へと歩みを進めることは、とても恐ろしい。
- どうかもうこれ以上悲しまないでください
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「ベテラン」のユ・アインが主演を務め、ベンをテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」のスティーブン・ユァン、ヘミをオーディションで選ばれた新人女優チョン・ジョンソがそれぞれ演じた。第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で国際批評家連盟賞を受賞。2023年、イ・チャンドン監督の特集上映「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」にて、4Kレストア版でリバイバル公開。
ネット上の声
- 村上作品を韓国映画の熱量で新たな視点で昇華させた秀作
- いつの間にか文明が作り出した幻に囚われていた
- 退屈。女死んだ?何故男を殺した?理解不能
- 彼が燃やしたのは、彼女ではなかった説
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2023年、イ・チャンドン監督の特集上映「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」にて4Kレストア版で公開。
ネット上の声
- 素朴な味わい
- 低い評価に惑わされず、韓国映画を見よう
- どこかホンワカした裏社会モノ
- 言いたいことは分かるけど…
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