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映画黎明期のフィルムに映る謎の男を追う、映画史と記憶を巡るドキュメンタリーの旅。
1896年、リュミエール兄弟が撮影した『ラ・シオタ駅への列車の到着』。この歴史的なフィルムに映っていたとされる一人のアマチュア映画作家、ジェラール・ルブラン。監督ホセ・ルイス・ゲリンは、この謎に包まれた男の足跡を追って旅に出る。フランスの田舎町を訪ね、残されたフィルムの断片や関係者の証言を収集。それは、映画というメディアが捉えた「時間」と「記憶」、そしてそこに映る人々の「不在」を巡る思索の旅。ドキュメンタリーとフィクションの境界を曖昧にしながら、観る者を映画の原初的な魅力へと誘う映像詩。
ネット上の声
- 光と影、そして音だけでここまで幻想的な世界を創り出すなんて…。フィルムの傷や劣化さえもが、失われた記憶の断片みたいで美しかった。まさに「映画」そのものを体験するような作品。
- まるで古い写真が動き出すような、不思議な感覚。幽霊の見る夢に迷い込んだみたいだった。
- 正直、何が面白いのかさっぱり…。あまりに実験的すぎて、開始早々寝ちゃいましたw
- これぞ映画の魔法。
ヒューマンドラマ
- 製作年1997年
- 製作国スペイン
- 時間82分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演アン・セリーヌ・オーシュ
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見知らぬ都市、見知らぬ人々。ある朝の光景から紡がれる、言葉を超えた出会いと記憶のドキュメンタリー詩。
スペインの巨匠と韓国の女優。二人のアーティストが、ソウルのとある朝の風景を切り取る実験的ドキュメンタリー。公園で太極拳をする老人たち、通勤ラッシュの雑踏、路地裏の静寂。カメラは、名もなき人々の日常の断片を静かに映し出す。そこにナレーションや明確なストーリーは存在しない。ただ、光と影、音と沈黙が織りなす映像詩。観る者は、いつしか自身の記憶や感情をその風景に重ね合わせる。日常に潜む美しさと、一期一会の出会いを描く、静謐な映像体験。
ネット上の声
- 向かいの集合住宅をヒッチコック「裏窓」の如く撮る
- これまたすごい
ドキュメンタリー
- 製作年2011年
- 製作国スペイン,韓国
- 時間47分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演ガラ・ペレス・イニエスタ
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バルセロナ、変わりゆく街の一角。失われゆく日常と人々の記憶を映し出すドキュメンタリー。
舞台は20世紀末、バルセロナの旧市街ラバル地区。再開発の槌音響くこの街で、古き良きアパートが次々と取り壊されていく。そこに住まう人々、立ち退きを迫られる老人、未来を夢見る若者、そして新しく流入してくる移民たち。カメラは、ただ静かに彼らの日常と変化の渦中にある街の姿を記録。失われる風景への郷愁と、新しい時代への期待が交錯する人々の声。これは、一つの街が生まれ変わる瞬間の、かけがえのない記憶の物語。
ネット上の声
- ホセ・ルイス・ゲリン監督作品…!!
- 去年フィルメックスの特集かなんかで観た昨夜あなたが微笑んでいたがやりたかったのは
- 濱口竜介と酒井耕の『うたうひと』で、ドキュメンタリーの中に切り返しショットを置く
- スペイン・バルセロナの貧民街化していた「バリオ・チーノ(ラバル地区)」の一部を取
ドキュメンタリー
- 製作年2001年
- 製作国スペイン
- 時間133分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演---
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6年前に出会った女性の面影を求め、異国の街を彷徨う青年。言葉少なに、視線と音だけで綴られる詩的な恋物語。
夏のフランス、ストラスブールの美しい街並み。主人公は、スケッチブックを片手に街のカフェで女性たちをデッサンする、物静かな青年。彼は6年前にこの街で出会った女性、シルビアを忘れられずにいた。ある日、カフェで彼女によく似た女性を見つけ、思わず後を追いかける決意。言葉を交わすことなく、ただひたすらに彼女の姿を追い続ける青年。追い続けた先で彼を待つ、現実と記憶が交錯する一瞬の邂逅。
ネット上の声
- スペインのホセ・ルイス・ゲリン監督による『シルビアのいる街で』の元ネタ的な作品(
- この映画で眠るひととはたとえサルカニが親友になるだけの時間が経っても相容れない自
- 無音で文字と静止画のみで構成されているのに、ここには運動(らしきもの)もショット
- ジャンヌダルク像への視線をめぐるシークエンスに思わずクスリ、新年初映画です
ドキュメンタリー
- 製作年2007年
- 製作国スペイン
- 時間67分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演---
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ジョン・フォード監督『静かなる男』のロケ地を巡る、詩情豊かな映像の旅。記憶と風景が交差する幻想譚。
映画監督ホセ・ルイス・ゲリンが、ジョン・フォードの名作『静かなる男』の舞台となったアイルランドのコング村を訪問。半世紀の時を経て、映画の記憶が色濃く残るその場所。監督は、村の風景やそこに暮らす人々の日常を静かにカメラで捉える。住民たちが語る撮影当時の思い出、スクリーンに映し出されたかつての風景。映画というフィクションと村の現実、そして過去と現在が交錯し、観る者を詩的で幻想的な映像世界へと誘うドキュメンタリー。
ネット上の声
- おれは映画が好きなんじゃなくて、北野武とホセルイスゲリンが好きなだけかもしれない
- ジョン・フォードの名作『静かなる男』の舞台である"イニスフリー"を辿る
- 映画が始まる…!といった感じの線路ショット
- 「イニスフリー」
ドキュメンタリー
- 製作年1990年
- 製作国スペイン,フランス,イギリス
- 時間108分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演---
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帰らぬ人を待ち続ける少女。過去と現在が交錯する、スペインの片田舎を舞台にした幻想的な物語。
スペインの緑豊かな片田舎。少女ベルタは、一度も会ったことのない、遠い戦地へ赴いた父の帰りを待ち続けている。彼女の日々は、父が残した手紙や遺品に触れ、彼への想像を膨らませることで彩られていた。そんな彼女の前に、父のかつての戦友を名乗る謎めいた男が現れる。男が語る父の物語は、ベルタの抱いていた理想の父親像を少しずつ揺るがしていく。現実と幻想、記憶と想像の境界が曖昧になる中、ベルタは自分自身のアイデンティティを探し始める。静謐で絵画のような映像美の中に、少女の繊細な心の機微を詩的に描き出した、ホセ・ルイス・ゲリン監督による珠玉の一篇。
ネット上の声
- 思春期の少女の内面を詩情豊かに綴った、スペインの作家ホセ・ルイス・ゲリン長編処女
- (J.L.ゲリン特集) 自然との対話好きな少女ベルタは、丘の上に一人住む風変わり
- ハタチそこそこでこんなん撮ってる時点で化け物
- 孤独な少女が精神を病んだ男と出会って成長する
ヒューマンドラマ
- 製作年1983年
- 製作国スペイン
- 時間118分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演シルビア・ガルシア
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講義は現実か、虚構か。大学教授の「ミューズ」を巡る授業が、妻や教え子たちの感情を揺さぶり、愛と創造の関係を問い直すドキュメンタリー風フィクション。
スペイン・バルセロナの大学。言語学教授のラファエレが「ミューズ(女神)」をテーマにしたゼミを開講。芸術家にとってのミューズの重要性を情熱的に語る彼の講義は、次第に現実と交錯し始める。講義に疑問を抱く妻アナ、そして教授の言葉に触発され自らの恋愛観を見つめ直す女子学生たち。カメラは彼らの議論、告白、葛藤を静かに映し出す。言葉によって紡がれる愛の神話は、やがて誰も予期しなかった結末へ。これは本当にただの授業なのか。
ネット上の声
- インスタレーションを二通の手紙にまとめて提示してみましたとしか言いようがないのよ
ドキュメンタリー
- 製作年2010年
- 製作国スペイン
- 時間28分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演ガラシ・ロペス・デ・アルメンティア
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見知らぬ隣人から託された謎の小包と、「決して開けるな」という電話。日常が侵食される、ドキュメンタリータッチの不条理サスペンス。
バルセロナでごく普通の日常を送る弁護士。ある日、アパートの隣人から謎の小包を預かった直後、見知らぬ男から奇妙な電話が入る。「警察に追われている。その小包を決して開けずに、指定の場所へ持ってきてほしい」。断りきれず、言われるがままに街へ出る弁護士。しかし、行く先々で感じる監視の視線。彼の平穏な日常は、次第に疑心暗鬼と不安に蝕まれていく。現実と虚構の境界が曖昧になる中、彼はこのゲームから抜け出せるのか。
ドキュメンタリー
- 製作年2010年
- 製作国スペイン
- 時間131分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演---
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「ミツバチのささやき」「エル・スール」の名匠ビクトル・エリセが、「現代スペインで最も優れた映画作家」と絶賛するホセ・ルイス・ゲリン監督のミステリードラマ。ヨーロッパの古都にあるホテルの一室で目覚めた画家志望の青年は、街のカフェに行くと、かつてバーで会ったことのある美しい女性シルビアの姿を見つける。青年はそのシルビアと思しき女性を追いかけて街中を駆けずり回るが……。
ネット上の声
- ストーリーらしきものはないんだけどあえて言うならイケメンの青年が女性をつけまわし
- 【美しく見せていますが、やってる事はシンプルにストーカーです】
- 観ているのが苦痛。私にはついていけず。
- ただ感じたまま観賞したほうがいいですね
ヒューマンドラマ
- 製作年2007年
- 製作国スペイン,フランス
- 時間85分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演グザヴィエ・ラフィット
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「シルビアのいる街で」などで知られるスペインのホセ・ルイス・ゲリン監督の長編作。バルセロナ大学の哲学科を舞台に、実在するイタリア人教授ラファエロ・ピント教授が、ダンテの「神曲」における女神の役割をきっかけに、現代におけるミューズ(女神)像を探る講義を行なう様を、フィクションとドキュメンタリーの境目をあいまいにしていくゲリン監督独特の手法で描いた。高尚な文学や芸術を語る講義で教授と学生たちの議論は果てなく続き、やがて予期せぬ方向へと向かっていく。2015年・第28回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門でも上映された。
ネット上の声
- 最初はみんな普通にドキュメンタリーに写ってるだけの人なのに、いつの間にか全員すご
- ダンテ『神曲』を導きにしてミューズなるものを独善的に論じる研究者と、それに歯向か
- バルセロナ大学哲学科で教鞭をとるラファエル・ピント教授の講義「ミューズ論」は、ダ
- ドキュメンタリーなのかフェイクなのか区別がつきにくいというのは確かに面白味ではあ
ドキュメンタリー
- 製作年2015年
- 製作国スペイン
- 時間96分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演ラファエル・ピント
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「ミューズ・アカデミー」「シルビアのいる街で」などで知られるスペインのホセ・ルイス・ゲリン監督が初期に手がけた、創作日記風の短編作品。フランスの歌手フランソワーズ・アルディによる楽曲「男の子と女の子」が流れるなかで、海辺でたわむれるゲリン自身と、ゲリンの監督作「ベルタのモチーフ」でベルタ役を演じたシルビア・グラシアが映し出されている。2017年1月、ゲリン監督の特集「ミューズとゲリン」で上映(「ある朝の思い出」と併映)。
ネット上の声
- 「ルノワールの映画の中の白い雲が今も空を流れている」これも、映画の中の痕跡とか映
- 美しいものを捉えることができるゲリンの“思い出”、というだけで有り難がるのは難し
- ゲリンの興味は眼前の運動に相違なく、彼のショットにはそれを鮮烈に捉える非凡さが宿
- もうね、最初はわからんなーって思ったけど、最初ってほんの20秒とかそんくらいね
- 製作年1985年
- 製作国スペイン
- 時間5分
- 監督ホセ・ルイス・ゲリン
- 主演シルビア・グラシア