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台湾ニューシネマをけん引したワン・トン監督による「台湾近代史3部作」の第3作。日本統治時代の台湾を舞台に、日本人が経営する金鉱山での台湾人労働者の生活を、貧しい鉱夫の兄弟の視点からリアルに描き出す。
日本では大正末期から昭和初期にあたる、日本統治下の台湾。小作人の兄弟チュウとウェイは、両親の葬儀費用を支払うために地主と不当な長期労働契約を結ばされていた。ある日、ゴールドラッシュの噂を耳にした兄弟は村を抜け出して金瓜石(キンカセキ)へと向かう。2人は未亡人ズーの家に部屋を借り、劣悪な環境のもと、日本人が管理する鉱山で金採掘に従事する。やがて兄チュウは強かに生きるズーにひかれ、弟ウェイは九份(キュウフン)の娼館で下働きする日本人の少女・富美子に恋心を抱く。
日本では「台湾巨匠傑作選2024 台湾映画の傑物ワン・トン(王童)監督と台湾ニューシネマの監督たち」(24年7月20日~、新宿K’s cinemaほか)にてデジタルリマスター版で劇場初公開。
ネット上の声
- 台湾と日本の歴史的な関係が深く描かれていて、見ごたえがあった。統治する側とされる側の複雑な感情がリアルで、色々考えさせられる傑作だと思う。
- 日本人の描き方があまりにひどくて、見ていて辛くなった。歴史的な背景はわかるけど、ちょっと気分が悪くなるシーンが多かったかな…。
- なんだか昔の日本映画を観ているような感覚になった。あの時代の空気感が伝わってくる。
- 台湾映画の歴史に残る傑作って言われるのも納得。映像の力強さがすごい。
ヒューマンドラマ
- 製作年1992年
- 製作国台湾
- 時間175分
- 監督ワン・トン
- 主演ポン・チャチャ
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「台湾近代史3部作」と言われる「村と爆弾」「バナナパラダイス」「無言の丘」で知られる台湾の名匠ワン・トン監督が、同3部作に続いて1995年に手がけた作品。1942年に中国大陸で国民党軍の将軍の家に生まれたワン・トン監督の自伝的ストーリーが紡がれる。
1949年、国共内戦に敗れた国民党軍とともに王将軍一家も台湾への移動の準備を始める。やがて新天地・台湾へやって来た一家は郊外の広い日本家屋に暮らし始めるが、10人の子だくさん一家の暮らし向きは父親の退役とともに次第に苦しくなっていく。そんな中、赤い柿の実の絵を抱えて家族とともに大陸から台湾へやってきたおばあちゃんの知恵とユーモアが、家族の生活の支えになっていく。
大陸から台湾に移住した家族の生きざまや時代に翻弄される様子を、一家の祖母の存在を中心に温かなまなざしで描く。第33回金馬奨で最優秀美術設計賞を受賞。最優秀監督賞と最優秀主演女優賞にノミネートされた。「台湾巨匠傑作選2025 ワン・トン(王童)監督自伝的最高傑作『赤い柿』劇場初公開!」(25年7月26日~、新宿K’s cinemaほか)にて、デジタルリマスター版で日本劇場初公開。
ネット上の声
- 没落していく国民党軍の将軍一家の物語
- 素晴らしい、飽きません!
ヒューマンドラマ
- 製作年1995年
- 製作国台湾
- 時間168分
- 監督ワン・トン
- 主演タオ・シュー
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「村と爆弾」「無言の丘」で知られる台湾ニューシネマの名匠ワン・トン監督が、大陸から台湾へと渡った男の数奇な人生を通して戦後台湾史を描いたドラマ。1949年。寒く荒涼とした中国華北で暮らす青年メンシュアンは、幼なじみのダーションを頼って国共内戦中の国民党軍に潜り込み、バナナがたわわに実る南国台湾にやって来る。しかし2人はそこでスパイ容疑をかけられ、メンシュアンは命からがら部隊を逃げ出す。その途中、ある男の臨終に出くわしたメンシュアンは、その妻ユエシャンから彼女の夫になりすまして仕事に就くことを持ちかけられ……。後に「モンガに散る」など監督としても活躍するニウ・チェンザーが、身分を偽って他人の人生を必死に生きる主人公メンシュアンを好演。日本では、特集上映「台湾巨匠傑作選 2020」(2020年9月19日~、新宿K’s cinemaほか)にて劇場初公開。
ネット上の声
- 国共内戦の中、台湾に逃がれた二人の青年が、共産党スパイの冤罪を受け、名前を偽りな
- 戦後台湾を生き抜いた外省人の壮絶な運命──昨年の台湾巨匠傑作選のプログラムに入っ
- 一人の人間の抱えるものが大き過ぎて、普通の会社風景でこんなに泣けたのは初めてだな
- 沢山どの国でもこの頃はあったのだろう、ちぐはぐを縫い合わせるようにして生きてきた
ヒューマンドラマ
- 製作年1989年
- 製作国台湾
- 時間148分
- 監督ワン・トン
- 主演ニウ・チェンザー