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英雄を夢見て第一次大戦の西部戦線へ。そこは、若者の理想が砲弾と泥濘に砕け散る、あまりにも無慈悲な地獄だった。
1917年、ドイツ。愛国心に燃える17歳のパウルは、友人たちと共に入隊し、西部戦線へと送られる。しかし、英雄になるという甘い幻想は、着任初日に打ち砕かれた。そこは泥と死臭にまみれた塹壕という名の地獄。鳴り響く砲撃、突撃の合図、目の前で命を落とす仲間たち。生き残ることだけが目的となった極限状況は、彼の精神を徐々に蝕んでいく。戦争の非人間性を体感した若き兵士を待ち受ける、残酷な運命。
ネット上の声
- 今まで観た戦争映画の中でもトップクラス。特に塹壕戦の描写がリアルすぎて、泥と血の匂いまで伝わってくるようだった。英雄譚ではなく、ただただ戦争の虚しさと理不尽さを突きつけられる。今この時代にこそ観るべき一本だと思う。
- とにかく重い…。でも目を背けちゃいけない現実だと思った。主人公たちの無邪気さが戦争によって奪われていくのが辛すぎた。
- これは傑作。言葉が出ない。
- 描写がリアルすぎて私にはキツかった…。グロいのが苦手な人は覚悟した方がいいかも。ストーリーも救いがなくて、ただただ落ち込む。
戦争、 ヒューマンドラマ
- 製作年2022年
- 製作国ドイツ,アメリカ
- 時間147分
- 監督エドワード・ベルガー
- 主演フェリックス・カマラー
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9歳の少女、行き場のない怒りと愛。里親、施設、その全てを破壊する彼女が唯一求めるのは、母の腕の中。
現代ドイツの児童保護施設が舞台。主人公は、9歳の少女ベニー。愛らしい見た目とは裏腹に、制御不能な怒りの発作で周囲を破壊し、「システム・クラッシャー」と呼ばれる存在。彼女の激しい行動は、どの里親や施設も受け入れを拒否するほど。唯一の願いは、愛する母親と暮らすこと。しかし、母親自身も娘の暴力性に怯え、距離を置く。そんな彼女の前に、怒りの感情をコントロールする専門家ミヒャが出現。果たして彼女は、安らげる「家」を見つけることができるのか。その魂の叫びが胸を突き刺す。
ネット上の声
- 少年とケアラーが築く関係性のドラマに引き込まれる
- 最初から最後まで見逃せない「救いのない」作品
- 奥深い絶望の暗闇に沈められた気分に
- ベルリン国際映画祭 銀熊賞、その他各国の賞を総ナメにしました 。 ...
ヒューマンドラマ
- 製作年2019年
- 製作国ドイツ
- 時間125分
- 監督ノラ・フィングシャイト
- 主演ヘレナ・ツェンゲル
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アルフレート・デーブリンによる現代ドイツ文学の金字塔「ベルリン・アレクサンダー広場」を、新鋭ブルハン・クルバニが大胆な解釈とスタイリッシュな映像で映画化。アフリカからヨーロッパを目指す不法移民フランシスは、船が嵐に巻き込まれた際、無事に上陸できたら心を入れ替えて真面目に生きると誓う。運良くドイツにたどり着いたものの難民生活は困難を極め、裏社会に生きる狡猾な男ラインホルトの手引きで犯罪に手を染めていく。そんなある日、フランシスは1人の女性との出会いをきっかけに、自らの運命を変えようとするが……。2020年・第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。ドイツ映画賞2020では作品賞を含む5部門に輝いた。
ネット上の声
- 前後半、計5部、3時間越え。キツい。
- 淡い赤色に照らされるフランシスの瞳
- 美しい、考えさせられる
- 哲学的?…
ヒューマンドラマ
- 製作年2020年
- 製作国ドイツ,オランダ,フランス,カナダ
- 時間183分
- 監督ブルハン・クルバニ
- 主演ヴェルケット・ブンゲ
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ドイツの児童文学作家エーリッヒ・ケストナーが1931年に発表した大人向け長編小説「ファビアン あるモラリストの物語」を、「コーヒーをめぐる冒険」のトム・シリング主演で映画化。1931年、ベルリン。時代は狂躁と頽廃の20年代から出口の見えない不況へと移り変わり、人々の心の隙間に入り込むようにナチズムの足音が忍び寄る。作家志望の青年ファビアンは、目的のない無為な日々を過ごしていた。女優を夢見るコルネリアとの恋や、唯一の親友であるラブーデの破滅。世界が大きく変わる予感と不安の中、ファビアンはどこへ行くべきか惑い、焦りを募らせていく。やがてコルネリアは女優の夢をかなえるためファビアンのもとを離れるが……。コルネリアを演じるのは「ある画家の数奇な運命」でもシリングと共演したサスキア・ローゼンタール。監督は、ドイツでテレビ映画を中心に手がけてきたドミニク・グラフ。2021年・第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。
ネット上の声
- 178分、長い…。 でも、4年ぶりのトム・シリング。 もう、それだ...
- 178分!! 長いです…(泣)。 4年ぶりに見たトム・シリングは、...
- ドイツのトム君が、アメリカの戦闘機のトム君より好きです❣️
- 二人の浮き沈みは世相の反映か。
ヒューマンドラマ
- 製作年2021年
- 製作国ドイツ
- 時間178分
- 監督ドミニク・グラフ
- 主演トム・シリング
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オーストリアの作家シュテファン・ツバイクが1942年に発表し、命をかけてナチスに抗議した書として世界的ベストセラーとなった小説「チェスの話」を映画化。
ヨーゼフは久々に再会した妻とともに、ロッテルダム港からアメリカへと向かう豪華客船に乗る。かつてウィーンで公証人の仕事をしていた彼は、オーストリアを併合したナチスドイツに貴族の資産の預金番号を教えるよう迫られるも拒絶し、ホテルに監禁された過去があった。豪華客船ではチェス大会が開かれ、世界王者が乗客全員を相手に戦っていた。世界王者と船のオーナーの対戦の際、オーナーにアドバイスして引き分けに持ち込んだヨーゼフは、自ら王者と一騎打ちをすることになる。ヨーゼフのチェスの強さには、ある悲しい理由があった。
「帰ってきたヒトラー」のオリバー・マスッチが主演を務め、「ゲーテの恋 君に捧ぐ『若きウェルテルの悩み』」のフィリップ・シュテルツェル監督がメガホンをとった。
ネット上の声
- 【”「チェスの書」今日、我々は精神力が無敵である事を信じなければならぬ。”ナチスによる精神的拷問に屈せず、一冊のチェスの本によりオーストリアの財産をナチスに渡さなかった男の物語。】
- とらきちさんのレビューを読んで物凄く興味をそそられた作品!地元に上映館がなくひた
- ツヴァイク小説を映像で味わう楽しみ
- 原作小説の脱構築を試みた意欲作だが
ヒューマンドラマ
- 製作年2021年
- 製作国ドイツ
- 時間112分
- 監督フィリップ・シュテルツェル
- 主演オリヴァー・マスッチ