ナチスの亡霊が蘇る戦後ドイツ。元将校の追憶と野心が、軍国主義の再来を静かに告げる、痛烈な風刺に満ちた短編。
第二次世界大戦後の西ドイツ、ボン。元ナチス将校エーリッヒ・フォン・マホルカ=ムフは、新たな国防軍の礎を築くための式典に出席するため、この街を訪問。彼はかつての恋人であり、今は裕福な未亡人となったインの屋敷に滞在。過去の戦争の記憶と、新たな地位への野心を胸に、彼は街を歩き、有力者たちと会合を重ねる。淡々としたモノローグと固定されたカメラワークで映し出されるのは、過去を清算することなく、軍国主義の影を再び社会に落とそうとする男の姿。ハインリヒ・ベルの小説を原作に、ストローブ=ユイレが戦後ドイツ社会の欺瞞を鋭く告発した記念すべき第一作。
ネット上の声
- ストローブ=ユイレの処女短編はナチス後ものうのうと甘い汁を吸って生きる軍人の話だ
- 冒頭、布が落ちる夢、というか自分の銅像が立ちまくりのカットは確かに圧倒的に面白い
- ハインリヒ・ベルの原作は日記であり、日記とは主観的視点から、信頼できない語り手を
- カール・テオドア・ドライヤーっぽい映像がかっこいいと思った以外、特に記憶なし
ヒューマンドラマ
- 製作年1962年
- 製作国ドイツ
- 時間---分
- 監督ジャン=マリー・ストローブ
- 主演エーリッヒ・クービ