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「鉄路の白薔薇」(23)などで知られるフランスの巨匠アベル・ガンスが一九二七年に製作したサイレント超大作。当初ガンスはこの作品を第一部としてナポレオンの全生涯を描こうという厖大なプランを持っていたが、トーキーの出現、製作・上映に要する莫大な資金などの問題があり、この一作にとどまった。しかし、この作品は世界中で悲運に見舞われ、アメリカではMGMによって80分に短縮されて公開され、日本では昭和7年10月に東京・万世橋シネマ・パレスで17.5ミリ版によってひっそりと公開されるというありさまだった。こうして伝説の彼方に埋もれたこの作品に対して、世界中の映画人、映画研究家が再生を望み、現在、それらの人々の手によって再生された「ナポレオン」は数多くあるといわれている。そのうちのケヴィン・ブラウンロー版の「ナポレオン」を見たフランシス・コッポラが、クロード・ルルーシュから配給権を買いとり、自ら率いるゾエトロープ・スタジオで配給、父カーマイン・コッポラに作曲とフルオーケストラの指揮を依頼し、1981年、ニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで公開した。この時から全世界に「ナポレオン」ブームが広がり、今回、日本で公開されたのも、このコッポラ版である。特に後半20分間の《トリプル・エクラン》はシネラマを先取りしたものとして話題を呼んた。スタッフは、監督・脚本のアベル・ガンスほか、撮影はジュール・クリュージェ、J・マンドヴィレ、レオンス・H・ビュレル、ロジェ・ユベール、美術はアレクサンドル・ブノワ、シルドクネヒト、ジャクティーが担当。出演は、ナポレオンにアルベール・デュードネが扮するほか、共演はジナ・マネス、アレクサンドル・クービッキー、劇作家アントナン・アルトー、アベル・ガンス自身もサン・ジュストに扮している。なお、日本公開版はコッポラの他、黒澤明が監修に当たっている。日本版字幕は戸田奈津子。白黒、スタンダード(一部、トリプル・エクラン)。
ネット上の声
- フランス・サイレント期の巨匠アベル・ガンス監督の「戦争と平和」(1919)「鉄路
- 肩透かしを食ったたような、伝記のような、
- 「フランス語に不可能という言葉はない」
- また一つサイレント映画の名作に出会った
ヒューマンドラマ
- 製作年1926年
- 製作国フランス
- 時間240分
- 監督アベル・ガンス
- 主演アルベール・デュードネ
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ネット上の声
- マックス・オフュルス監督の初期作品、やっぱり「流麗なカメラワーク」に眼が釘付けと
- マックス・オフュルスの代名詞とでも言うべき"流麗なカメラワーク"が随所に見られる
- なんか言われるがままにパリに出た田舎娘に異世界を見せられた感じ
- トリュフォーが仏時代のオフュルスのベストと言いきった作品らしい
ヒューマンドラマ
- 製作年1935年
- 製作国フランス
- 時間82分
- 監督マックス・オフュルス
- 主演シモーヌ・ベリオ
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「悪魔の満潮時」と同じくマイケル・カーティズ氏が監督したサッシャ映画で、「悪魔の満潮時」出演のミハエル・ヴァルコニー氏がアグネス・デスター嬢と共に出演している。無声。
ヒューマンドラマ
- 製作年1934年
- 製作国フランス
- 時間---分
- 監督アベル・ガンス
- 主演アルベール・デュードネ
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「面影」「雪崩」「カルメン(1926)」を作ったジャック・フェーデ氏の監督作品でエミール・ゾラの小説を「妖艶乱舞」「スイート・ハート」と同じくF・カールセン女史とウィリー・ハース氏とが共同脚色したもの。主演者はアベル・ガンス氏の「ナポレオン(1927)」にジョゼフィンを勤めたジナ・マネス嬢で、「ヴォルガ」「ジーグフリード」のハンス・アダルベルト・シュレットウ氏、「妖花アラウネ」のヴォルフガング・ツィルツァー氏、「噫無情」のジャンヌ・マリー・ローラン夫人、「キャバレーの夜」のラ・ヤナ嬢等で、撮影は「キャバレーの夜」のフレデリック・フュグルザング氏とH・スクライブ氏が担任している。(無声)
ヒューマンドラマ
- 製作年1928年
- 製作国ドイツ
- 時間---分
- 監督ジャック・フェデー
- 主演ジナ・マネス
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「姫君は文士がお好き」「シラノ・ドウ・ベルジュラック」のアウグスト・ジェニーナが監督したもので、原作はフランスの流行作家モーリス・デコブラの大衆小説『羅典区』、これをジェニナ自ら脚色した。出演者は「姫君は文士がお好き」のカルメン・ポーニ、「東洋の秘密」のイワン・ペトロヴィッチ、「テレーズ・ラカン」のジナ・マネス、「剣の栄冠」のガストン・ジャッケという顔触れで、ヘルガ・トーマス、A・バンディニ等が助演している。(無声)
- 製作年1929年
- 製作国フランス
- 時間---分
- 監督アウグスト・ジェニーナ
- 主演ジナ・マネス
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モルベック氏作の舞台劇をアレクサンドル・ヴォルコフ氏とジェルメーヌ・デュラック夫人とが脚色しデュラック夫人が監督したもので、主役は特に夫人の眼識に叶ったイギリスの新進女優メーベル・プールトン嬢が演じ、「美わしの君」「キイン」等出演のニコラ・コリーヌ氏、「ケエニクスマルク」出演のイワン・ペトロヴィッチ氏、「自由の魂」「後のジュデックス」等出演のイヴェト・アンドレヨール夫人等が出演し「播かれた種」の監督者アンリ・ウーリー氏が敵役を演じるほかジナ・マネス夫人、ベランジェール夫人等も助演している。無声。
- 製作年1925年
- 製作国フランス
- 時間---分
- 監督ジェルメーヌ・デュラック
- 主演ジナ・マネス
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パリのオペラ・コミックの歌手として有名なリュシアン・ミュラトールが主演する映画で、ジャン・マソンの原案に基いてフレッド・ベルトランが脚色し、「ドン・キホーテ(1933)」のアレクサンドル・アルヌーが台詞を書き、舞台から映画に移ったレオ・ミトラーが監督に当り、シュフタンとジャンヴィエが共同撮影した。助演者はコメディー・フランセーズ座付女優ヴェラ・コレーヌ、「今宵こそは」のマルゴ・リオン、シモーヌ・プールデエ、ジャン・セルヴェ、マドレーヌ・ギティ等の面々である。
- 製作年1934年
- 製作国フランス
- 時間---分
- 監督---
- 主演ジナ・マネス
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「ムーラン・ルージュ」「ピカデリィ」のE・A・デュポンがBIP社を辞し再びドイツに帰って監督にあたった作で、原作はアルフレッド・マッカードの筆になる小説、それをルドルフ・カッチャーとエゴン・アイスが協力して脚本に組立てた。主なる出演者は「メスメンド」「白鷲」「黄金の鑑札」で知られたソビエト女優のアンナ・ステンを始め「嘆きの天使」クルト・ゲロン、新進のアドルフ・ヴォールブルック、ラインホルト・ベルント、オット・ヴァルプルグなどでフリーデル・ベーン・グルント、アコス・ファルカスの二人がカメラを担当している。
- 製作年1929年
- 製作国フランス
- 時間---分
- 監督E・A・デュポン
- 主演ジナ・マネス
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「金」に次いでマルセル・レルビエ氏が監督したもので、原作は「白銀の翼」の作者で現代フランスの流行作家の一人たるジョゼフ・ケッセル氏の小説で、これをレルビエ氏自ら脚色した。主役は「テレーズ・ラカン」主演のジナ・マネス嬢が勤め、「幻影」「春来りなば」「人でなしの女」のジャック・カトラン氏、ネストル・アリアニ氏、「キイン」のナタリー・リセンコ嬢、「噫無情」のジャン・トゥールー氏、アリス・ティソ嬢、アレックス・ベルナール氏、等が助演している。撮影はレオンス・H・ビュレル氏がウィリー氏を補導して当った。(音響版)
- 製作年1929年
- 製作国フランス
- 時間---分
- 監督マルセル・レルビエ
- 主演ジナ・マネス
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「背信」「南方飛行」のシャルル・ヴァネル、「最後の戦闘機」「みどりの園」のジャン・ピエール・オーモン及び新顔のマルタ・ラバールが主演するフランスのA・C・E配給映画で、「地中海」「巴里の唄」のジャック・ド・バロンセリが監督に当ったもの。ストーリーはエリック・ユレルの原案に基いて「ジェニイの家」「望郷(1937)」の脚色者ジャック・コンスタンが書卸し、劇作家のミシェル・デュランが脚色して台詞をつけ、ドゥ・バロンセーリが自らコンティニュイティを作製した。撮影は「ジプシー男爵」「青春の海」のギュンター・リッタウが、音楽は「南の誘惑(1937)」のロタール・ブリューネが、それぞれ担当している。助演俳優は「地中海」「ミゼラブル」のポール・アザイス、「最後の戦闘機」「自由を我等に」のレイモン・コルディ、「美しき青春」のルネ・ダリー、新顔のボリス・アレキン、「巴里の屋根の下」のビル・ボケッツ、その他ジョルジュ・ランヌ、ニルダ・デュプレッシー、アンドレ・ランディアという顔ぶれである。
- 製作年1938年
- 製作国フランス
- 時間---分
- 監督ジャック・ド・バロンセリ
- 主演ジナ・マネス