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写真の中の女「ローラ」に取り憑かれた男。寺山修司が描く、記憶と幻想が交錯する迷宮の物語。
1970年代、東京。一人の男が、一枚の古い写真に写る謎めいた女性「ローラ」に心を奪われる。彼は彼女の過去を探り始めるが、その過程で現実と妄想の境界は次第に曖昧に。関係者の証言は食い違い、ローラの人物像は万華鏡のように変化し続ける。男は果たして真実のローラに辿り着けるのか、それとも自らが作り出した幻想の虜となるのか。寺山修司の実験的映像美学が炸裂する、アイデンティティを巡るシュールな探求。
ネット上の声
- 仕掛け自体よりも「映画の中で予定された通りに振る舞うこと」というメタな権力関係が
- 映画なのになんで「ユーロライブ」でやるんだろう?と思っていたら、こんなことが起き
- 画面に向かって見ている者を挑発するように語りかける3人の売女と、座席にいた仕込み
- 上映中、劇場でご本人が実際にパフォーマンスをしてくれる貴重な鑑賞体験ができた
- 製作年1974年
- 製作国日本
- 時間9分
- 監督寺山修司
- 主演小野正子
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一つの扉、無限の迷宮。ドアノブに手をかけた瞬間、シュールでエロティックな記憶の世界へ迷い込む幻想譚。
部屋に閉じこもる一人の少年。彼の視線の先には、開かない扉。その扉の鍵穴から覗くのは、奇妙で猥雑なイメージの洪水。やがて少年は扉を開け、無限に続く廊下へと足を踏み出す。次々と現れる扉の向こうには、少女の記憶、歪んだ家族の肖像、そして性の目覚めを暗示する光景。現実と幻想が入り混じる迷宮の中で、少年が見つけるものとは何か。めくるめくイメージの万華鏡。
ネット上の声
- インターネットの海から安井邦夫さんの写真に出会い、どこのどなただろうと調べるうち
- 白と白の境目が溶けてるそこに緑青がテラッと塗られている感じが綺麗だったな…唐突な
- わたしらの民族は囲って領域をつくるのではなくて、何かを置いて領域を現象させる感覚
- 本編とは全く関係ないが、映像を観ながら「自分の頭の中にある妄想を現実世界に具現化
- 製作年1975年
- 製作国日本
- 時間17分
- 監督寺山修司
- 主演新高恵子
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ネット上の声
- アートテロ、寺山修司、メイク、ファッション、映像はフィルムの粒々フィルターに覆わ
- 蝶が覆いかざす眼前の世界、肉欲と快楽に溺れた男女を覗き見する少年
- 田園に死すや書を捨てよ街へ出ようなどで知られる寺山修司の実験映画
- 2023.5.20@ユーロライブ(寺山修司映画祭2023「映画監督◉寺山修司」)
- 製作年1974年
- 製作国日本
- 時間12分
- 監督寺山修司
- 主演新高恵子
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19世紀末パリ、悪と反逆の詩人が紡ぐ、神への冒涜と究極の絶望を描いた超現実的文学の映像化。
舞台は19世紀末の混沌としたパリ。若き詩人マルドロールは、既存の道徳や神への激しい反逆心を抱き、悪と倒錯の世界に身を投じる。彼の目に映る世界は、偽善に満ちた人間社会への痛烈な批判そのもの。自らの内なる闇と向き合い、常識を破壊する過激な詩作に没頭するマルドロール。彼は、人間性の最も暗い深淵を覗き込み、究極の絶望の中で何を見出すのか。ロートレアモン伯爵の伝説的詩集を原作に、言葉の暴力と映像美が交錯する前衛的な物語の幕開け。
ネット上の声
- ロートレアモン読みます、シュルレアリスムみ強くてよかった、鳥とかエルンストを想起
- 寺山修司映画祭2023で1日だけ行われた「実験映画集1」パフォーマンス&観客参加
- ロートレアモンのマルドロールの歌からフレーズを引用し解体、再構築する
- このタイトルの本をもう一回読んでみて、映画を見てみたい
ヒューマンドラマ
- 製作年1977年
- 製作国日本
- 時間27分
- 監督寺山修司
- 主演新高恵子
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孤独な老女の思い出が、“染み”や“消しゴム”により消去されていく様を写す実験映画。監督は寺山修司。
ネット上の声
- 鉛筆で書かれた文字を消した消しカスはグレーだけど、過去とか記憶を消した消しカスは
- 映像表現の挑戦、本当に実験 身毒丸でも消しゴムの章あるけど、寺山修司はこういう妄
- 過去の記憶に広がっていく染みを消しゴムで消したいという願望を表したものなのかな
- 誰かの手に持たれた消しゴムらしきものが女の顔やら何やらを本当に消していく
- 製作年1977年
- 製作国日本
- 時間20分
- 監督寺山修司
- 主演藤野節子
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江戸の世を襲った見えざる恐怖「疱瘡」。愛する者を守るため、一人の若き医師が絶望的な戦いに挑む、感動の時代劇。
徳川の治世、平和な江戸の町を突如として襲った病魔「疱瘡」。それは、身分を問わず人々の命を容赦なく奪う、死の病。蘭方医の道を志す若き医師・良庵は、次々と倒れていく人々を前に、己の無力さを痛感する。西洋の医学書だけを頼りに、特効薬のないこの病に立ち向かうことを決意。しかし、彼の前には古い慣習や人々の偏見、そして愛する家族にまで忍び寄る病の影が立ちはだかる。絶望の淵で、彼が見出した一筋の光とは。命の尊さと人々の絆を描く、壮絶な闘いの記録。
- 製作年1975年
- 製作国日本
- 時間31分
- 監督寺山修司
- 主演新高恵子
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さまざまな対象物に釘を打ち続ける登場人物たちを追う短編実験映画。監督は寺山修司。映画を白いペンキを塗った特殊スクリーンに投影、スクリーンの下には釘と金槌が用意され、映画の終盤に観客がスクリーンに釘を打ち付けていくことで完成する作品。
ヒューマンドラマ
- 製作年1975年
- 製作国日本
- 時間34分
- 監督寺山修司
- 主演新高恵子