-
主演俳優、来たらず。撮影現場に残された者たちが語る、一人の天才俳優の虚像と実像。映画と現実が交錯する鎮魂歌。
ポーランドの映画監督アンジェイ・ワイダが、盟友であり不慮の事故で亡くなった俳優ズビグニエフ・ツィブルスキに捧げた一作。映画の撮影初日、主演俳優が現場に姿を現さない。彼は物語の冒頭、疾走する列車から飛び降りるはずだった。撮影は中断し、監督や共演者、彼の妻だった女優は、彼の行方を追いながら、その破天荒な生き様や才能について語り始める。彼らの回想と、撮影されるはずだった映画のシーンが交錯し、虚構と現実の境界は次第に曖昧になっていく。一人の俳優の不在が浮き彫りにする、映画作りの情熱と、失われた者への哀悼。ワイダ監督による、極めて私的で痛切な魂の記録。
ネット上の声
- ワイダ監督お気に入りの俳優、ツィブルスキが39歳の若さで事故死してその失意の中か
- 待てども待てどもスターは撮影現場に現れない
- ワイダ版“8 1/2”は…
- アンジェイ・ワイダ監督の『灰とダイヤモンド』で主演として心に突き刺さる姿を見せて
ヒューマンドラマ
- 製作年1968年
- 製作国ポーランド
- 時間98分
- 監督アンジェイ・ワイダ
- 主演ベアタ・ティシュキエヴィッチ
-
富で愛は買えるのか。没落貴族の令嬢に全てを捧げた男の、狂おしくも美しい破滅の物語。
19世紀末、社会階級が絶対だったワルシャワ。一代で富を築いた商人スタニスワフは、没落貴族の令嬢イザベラに一目で心を奪われる。彼女の美しさに魅了され、その愛を手に入れるため、彼は全財産を投げ打つ覚悟。イザベラの父の事業を救い、彼女の歓心を買おうと奔走するスタニスワフ。しかし、貴族社会の壁は厚く、彼の純粋な情熱は冷ややかにあしらわれるだけ。まるで美しい「人形」を追い求めるかのような、彼の愛の行方。ポーランド文学の金字塔を映像化した、壮大な愛と破滅の叙事詩。
ネット上の声
- 19世紀ポーランドの退廃貴族社会描く歴史大作のノリに目蓋の重さを感じる頃、ふと気
- LalkaがLalkaを観る
- 製作年1968年
- 製作国ポーランド
- 時間165分
- 監督ヴォイチェフ・イエジー・ハス
- 主演ベアタ・ティシュキエヴィッチ
-
帝政ロシアの黄昏、失われた愛を胸に故郷へ戻った貴族を待っていたのは、新たな恋と残酷な運命。
19世紀半ば、帝政ロシア。長い海外生活で妻に裏切られ、心に深い傷を負った貴族ラヴレーツキーが故郷の領地へ戻る。静かな日々の中、彼は純粋で信仰心あつい若き乙女リーザと出会い、凍てついた心に再び愛の光が灯る。互いに惹かれ合い、未来を誓う二人。しかし、その矢先、死んだはずの妻が突然彼の前に姿を現す。社会の掟と宗教的戒律が、二人の愛の前に非情な壁として立ちはだかる。愛する人を守るため、自らの運命と対峙するため、彼が下す重大な選択とは。ロシアの大地を舞台に繰り広げられる、切なくも美しい愛の悲劇。
ネット上の声
- 35mmで観賞したが、損傷が激しいのか、カラーといいつつもだいたい赤かった
- ロシアは春と夏が一緒に来ます!
- お屋敷、コスチュームプレイ(使用人の衣装の着古し感も)とかっちり美術、自然主義の
- ツルゲーネフ原作で話はつまんないけど撮影がヌーベルバーグ感あって面白かった
ヒューマンドラマ
- 製作年1970年
- 製作国ソ連
- 時間110分
- 監督アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー
- 主演レオニード・クラーギン