49年にソ連のアルメニアに生まれ、モスクワで助監督や映画評論家を経たのちにドイツ・ベルリンへ亡命した映画作家、ドン・アスカリアンの本邦初紹介となる映像詩。チェーホフ原作の自主製作映画『熊』(84)、アルメニアの修道士にして作曲家コミタスの生涯を描き、15年にトルコで虐殺された200万人のアルメニア人に捧げた「コミタス」(88)、テレビ用に製作されたドキュメンタリー『ナゴルノカラバフ:アルメニアの歴史、第三部および第四部』(88、日本未放映)に続いて発表した第4作。ひとりの亡命アルメニア人の物語をつづった監督の自伝的要素の濃い作品で、彼自身が在住している現在のベルリンと少年時代のアルメニアの風景が交錯し、亡命者の望郷、エロティシズムに溢れた自然の風景、トルコでのアルメニア人の大虐殺、監督自身の映画への思いなどが、官能的で美しく謎めいた緊密な映像で、流麗に綴られていく。ソ連の解体により、亡命後初めてアルメニアで撮影された。監督・脚本・編集・美術はドン・アスカリアン、製作はマルガリータ・ヴォスカニアン、撮影はガジック・アヴァキアン、マーティン・グレッスマン、アンドレアス・シナノス。音楽はベリーニ、フランツ・シューベルト、アルメニア民謡を使用。
ネット上の声
- 内容はちょっと理解しにくいところはあるものの、タルコフスキーのオマージュとかが入
- だれかの記憶の断片を曖昧な思い出で繋いでいくようなシーケンスが続く
- 吉祥寺のアップリンクにポスターが貼ってて何故か強烈に覚えてた作品
- 六本木にあったシネ・ヴィヴァンで観たのだと記憶している
ヒューマンドラマ
- 製作年1993年
- 製作国アルメニア,ドイツ
- 時間84分
- 監督ドン・アスカリアン
- 主演アリク・アサトリアン