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死の病に冒された歌姫ラ・パロマの、破滅的で甘美な恋。様式美と虚構性に彩られた、究極のデカダン・メロドラマ。
1970年代、ヨーロッパの退廃的な社交界。結核に冒され、死の影と隣り合わせに生きる美しき歌姫ラ・パロマ。彼女の前に現れた富豪の青年イシドールは、そのすべてを捧げるほどの情熱的な愛を告白。しかし、自らの運命を悟る彼女は、彼の愛を試すかのように、全財産を使い果たすことを要求。オペラのような豪華絢爛なセットの中で、二人の愛は破滅へと向かって加速。死を前にしたヒロインが選ぶ、あまりにも甘美で残酷な愛の結末。
ネット上の声
- 突然始まるデュエットシーンの画作りが頭おかしい
- ちょっと変わってる映画
- オペラ調怪異譚
- カルト映画
ヒューマンドラマ
- 製作年1974年
- 製作国スイス,フランス
- 時間110分
- 監督ダニエル・シュミット
- 主演イングリット・カーフェン
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少年時代への訣別。1950年代フランスの片田舎で、一人の少年が経験する淡い恋と性の目覚め、そして成長の記録。
1950年代、フランスの田舎町。祖母との穏やかな日々を送っていた13歳の少年ダニエルは、母の再婚を機に都会ナルボンヌへと移り住む。慣れないアパートでの暮らし、新しい学校、そして思春期ならではの性の目覚め。仲間たちとの他愛ない時間、映画館の暗闇で芽生える異性への好奇心、そして初めて触れる少女の肌の感触。戸惑いと発見に満ちた日々は、やがて彼を学校から労働の世界へと導く。少年時代の終わりを静かに描き出す、誰もが通り過ぎた季節の物語。
ネット上の声
- きれいな瞳を捉えた、秀作。
- 子供と大人の狭間で…
- 少年映画の最高峰
- 親の都合で大人になる事を急かされた少年の鬱屈と性の目覚めを、瑞々しい映像と乾いた
ヒューマンドラマ
- 製作年1974年
- 製作国フランス
- 時間123分
- 監督ジャン・ユスターシュ
- 主演マルタン・ローブ
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古城に集う男女が繰り広げる一夜の饗宴。退廃的な美学で描かれる、愛と裏切りの密室劇。
冬、人里離れたスイスの古城。城の女主人のもとに、一癖も二癖もある客たちが集う。「今宵かぎり」という宣言と共に始まった奇妙なパーティー。招待客と召使いたちは、音楽と食事が進むにつれ、胸に秘めた秘密と欲望を露わにしていく。虚飾に満ちた会話と妖艶な雰囲気の中、彼らは愛を求め、過去を清算し、互いを出し抜こうとする。閉ざされた空間で剥き出しになる本性。夜が更けるにつれ、彼らの運命は予期せぬ方向へと転がり始める。
ネット上の声
- Heute Nacht oder nie♪
- デュラスとリヴェットが渾然一体となったような世界観で、限りなく死に近い生の状態を
- 一日だけ召使たちが主人たちに労ってもらえるという設定からしてすでに優しさを感じま
- フィルムから異様なほどの神秘性みたいなものが滲み出ていて、何かの儀式に参加してい
ファンタジー、 ヒューマンドラマ
- 製作年1972年
- 製作国スイス
- 時間90分
- 監督ダニエル・シュミット
- 主演ペーター・カーン
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戦後ドイツ、社会復帰に挫折した元警官の男。果物売りに転身するも、家族と社会からの疎外感が彼を絶望へと追いやる。
1950年代、経済復興期の西ドイツ・ミュンヘン。元警官で今は果物の行商をしているハンス。愛する妻や家族のため懸命に働くが、彼の過去や学歴のなさを家族は蔑み、社会は冷たい視線を送る。誰からも認められない孤独と、埋められない心の溝。ささやかな成功を手に入れても、彼の魂は満たされない。やがて酒に溺れ、自らを破滅の道へと追い込んでいくハンス。彼のささやかな幸福への渇望が、悲劇的な結末を予感させる。
ネット上の声
- ‘出来損ない’は誰なのか?
- ダグラスサークの映画に影響を受けたファスビンダーが、自らの叔父をモデルとした作品
- ハリウッドメロドラマの巨匠ダグラスサークの強い影響下で撮られたというファスビンダ
- エグいほど急発進なズーム演出、荒ぶるカメラの躍動感、全てが上手くいかず救いがない
ヒューマンドラマ
- 製作年1971年
- 製作国ドイツ
- 時間87分
- 監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
- 主演ハンス・ヒルシミュラー
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労働者階級の青年、宝くじ当選で上流社会へ。愛と金が渦巻く世界で、彼を待ち受ける残酷な運命。
西ドイツ、ミュンヘン。カーニバルの見世物芸人として働く青年フォックス。恋人に捨てられ職も失った彼が、宝くじで50万マルクの大金を手にする。それを機に、彼は上流階級の恋人オイゲンとその仲間たちの世界へ。洗練されたブルジョワ社会に染まろうと必死になるフォックス。しかし、彼の純粋な愛情は、階級の違いと金目当ての人間関係の中で搾取され、踏みにじられていく。資本主義社会の冷酷さと愛の不可能性を痛烈に描いた傑作。
ネット上の声
- ファスビンダー監督が自らゲイ役を演じてます。
- 「いやだ、僕は後悔したい」
- 初めてのファスビンダー。
- ゲイ映画というより
ヒューマンドラマ
- 製作年1975年
- 製作国ドイツ
- 時間120分
- 監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
- 主演ライナー・ファスビンダー
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愛する男のために性転換したエルヴィーラ。絶望の淵で自らの過去を巡る、魂の彷徨を描く衝撃作。
物語は、フランクフルトに生きる元男性のエルヴィーラの、人生最期の5日間を追う。かつて愛した男アントンの「女だったら愛せる」という一言で性転換手術を受けた彼女。しかし、その愛は無残にも破れ、今は孤独と絶望の中にいる。死を決意したエルヴィーラは、かつての妻、娘、そして自分を捨てた修道院など、自らの過去と対峙する旅に出る。社会の不寛容、家族との断絶、そして埋めがたい孤独。人間の存在の根源的な哀しみを、冷徹かつ鮮烈な映像で容赦なく突きつける、ファスビンダー監督の私的で痛切な魂の記録。
ネット上の声
- 恋は人知れない夢のようで、愛は退屈なほどおだやかで、壮大な絶望はそれ自体がはげし
- 『第三世代』とコレは、早々にギブアップしたまま放置してた
- ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品🎬
- 性的マイノリティーの救われない人生
ヒューマンドラマ
- 製作年1978年
- 製作国ドイツ
- 時間124分
- 監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
- 主演フォルカー・シュペングラー
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バイエルン最後の王ともいうべき、ルトヴィッヒ2世の異常な快感と不安と夢が、オラトリオまたは中世の受難劇の形式で描かれていく。監督・脚本は35年生まれのハンス・ユルゲン・ジーバーベルク、撮影はディートリッヒ・ローマンが各々担当。出演はハリー・ベア、バルタザール・トーマス、ヴァルデマール・ブレム、イングリッド・カーフェン、ジギー・グラウエ、ゲルハルト・メルツ、リースル・ハラー、アースラ・シュトレーツなど。16、イーストマンカラー、スタンダード。
ネット上の声
- 市役所の会議室で観ました。
- そこでヨーデル?
- 私のようなワグネリアンには無条件に心に響く、あまりにも粗野すぎるラインの黄金第一
- この世には理由はよくわからないがその特異性と不可思議さに感服せざるを得ない映画が
ヒューマンドラマ
- 製作年1973年
- 製作国ドイツ
- 時間140分
- 監督ハンス=ユルゲン・ジーバーベルク
- 主演ハリー・バール
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正常な社会に絶望し、自ら精神病院へ入った女。狂気の中に真実を求める魂の彷徨。
社会での生活に息苦しさを感じ、自らの意思で精神病院に入った女性キャロル。彼女は「愚か者」と呼ばれる患者たちとの交流の中に、偽善に満ちた外界にはない純粋さを見出そうとする。しかし、そこは安住の地ではなかった。正常と異常、理性と狂気の境界線は次第に曖昧になっていく。閉鎖された空間で繰り広げられる、人間の存在そのものを問う衝撃的な物語。彼女が最後に見た光景。
ネット上の声
- ウインナ珈琲一気飲み!
- 役者がキチガイ病院でキチガイを熱心に演じている、その頭のおかしな行動が一つのパフ
- 後のズラウスキー的テーマをピーター・ブルック的な雰囲気と様式美重視で撮ったような
- 好きな人の視線が欲しいがためにウィンナー珈琲を3杯同時に頼み、挙げ句口元を生クリ
ヒューマンドラマ、 アクション
- 製作年1981年
- 製作国ドイツ
- 時間110分
- 監督ヴェルナー・シュレーター
- 主演キャロル・ブーケ
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ニュー・ジャーマン・シネマを牽引した鬼才ライナー・ベルナー・ファスビンダーの戯曲「ゴミ、都市そして死」を、彼の盟友であるスイスの名匠ダニエル・シュミットがメガホンをとり映像化。
戦後のドイツ、フランクフルト。娼婦リリーは繊細な性格のため仲間たちの間では浮いた存在で、家に帰るとヒモ男から金をせびられる日々を過ごしていた。そんなある日、彼女は裏社会の大物であるユダヤ人に気に入られるが、次第に破滅願望を強めていく。
シュミットとファスビンダー両監督作の常連俳優であるイングリット・カーフェンが主演を務め、ファスビンダーがヒモ男役で出演。日本では2023年7月に劇場初公開。
ネット上の声
- ライナー•ヴェルナー•ファスビンダーの戯曲『ゴミ、都市そして死』をダニエル•シュ
- ファスビンダーの映画って散々陰鬱な展開があるのに「怖い」とか「不穏」と感じたこと
- ジャケットのシーンがとても印象的
- ダニエル・シュミット監督の佳作
ヒューマンドラマ
- 製作年1976年
- 製作国ドイツ,スイス
- 時間101分
- 監督ダニエル・シュミット
- 主演イングリット・カーフェン
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「EUフィルムデーズ2021」(21年6月24日~7月18日=国立映画アーカイブ/6月17~7月4日=京都府京都文化博物館)上映作品。
ネット上の声
- 時間を扱ってる話にも関わらずほとんど時間が止まってるかのように演出されてることに
- 赤系を印象付けるために寒色系の彩度を落としてた色味が何だがとても残ってる
- とにかく色味と衣装と舞台と光と構図が美しすぎてシーン一つ一つ模写したい
- ボローニャ近辺らしい小領主ケッテルとそこに嫁いできたポルトガル女のお話
ヒューマンドラマ
- 製作年2018年
- 製作国ポルトガル
- 時間136分
- 監督リタ・アゼヴェード・ゴメス
- 主演クララ・リーデンシュタイン
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虚構性と幻想性に彩られた独特な映画作品を残したほか、オペラ演出なども手がけたスイスの映画監督で、2006年に他界したダニエル・シュミットのドキュメンタリー。1940年代、ホテルを経営する一家に生まれたシュミットは、祖母が語って聞かせてくれる物語に刺激を受け、いつしかホテルのロビーを舞台に、客人をキャストに見立てて物語を作るようになる。60年代、ベルリンの大学に進学したシュミットは、そこでニュー・ジャーマン・シネマの鬼才となるライナー・フェルナー・ファスビンダーと出会い、映画監督の道へと進んでいく。パリ、モロッコ、ポルトガルなどシュミットが撮影でたどった足跡をなぞり、シュミット作品のミューズだった女優イングリッド・カーフェン、親友の映画監督ベルナー・シュレーター、シュミット作品の撮影を担ったカメラマンのレナート・ベルタ、映画研究者の蓮實重彦ら、親交のあった人々の証言なども交えながら、シュミットの人生と作品の映画的探求について紐解く。
ネット上の声
- インタビュー、フッテージ、作品の引用から構築される映像のしっかりしたドキュメンタ
ドキュメンタリー
- 製作年2010年
- 製作国スイス
- 時間83分
- 監督パスカル・ホフマン
- 主演イングリット・カーフェン