古き祇園を生きる姉妹芸者。男への義理か、打算か。対照的な二人の生き様が、時代の波に揺れる。
昭和初期、京都・祇園。古い暖簾の置屋に暮らす、芸者の姉妹、梅吉とおもちゃ。男に尽くすことを芸者の本分と信じる古風な姉・梅吉。一方、妹のおもちゃは、男を巧みに手玉に取り、金を引き出すことこそが賢い生き方だと考える現実主義者。破産した旦那を家に引き入れた姉に、妹は激しく反発。姉妹の間に生まれた亀裂は、やがてそれぞれの身を滅ぼす悲劇的な結末を予感させる。封建的な社会で女性が生きることの厳しさを描く、溝口健二監督の傑作。
ネット上の声
- 祇園という「廓」(場所)で両極端な活き方を選ぶ姉妹の姿を通して溝口監督が描きたかったもの。
- 当時19歳の山田五十鈴さんの既に貫禄たっぷりな体当たり演技が記録された貴重な作品
- 最初のカメラワークと最後の山本五十鈴の男どもに対する怒りが印象的
- 1936年の映画にしては、なかなかラディカルな映画ですね
ヒューマンドラマ
- 製作年1936年
- 製作国日本
- 時間69分
- 監督溝口健二
- 主演山田五十鈴