「ラ・パロマ」など退廃的な映像美で知られるスイスの映画監督ダニエル・シュミットが日本で撮影を敢行し、歌舞伎役者・坂東玉三郎に迫った作品。
「鷺娘」「大蛇」「積恋雪関扉」などの舞台映像や、芸者に扮した玉三郎を2人の男が奪い合うフィクションパート「黄昏芸者情話」を通して、玉三郎の濃厚な美の世界を映し出す。さらに俳優・杉村春子や日本舞踊家・武原はんの談話、現代舞踏家・大野一雄の荘厳な舞踏を挿入。歌舞伎の女形という特異な存在を通し、ジェンダー、生と死、フィクションとドキュメンタリーの境界線上に、虚構としての日本の伝統的女性像を浮かび上がらせていく。
エリック・ロメール作品などで知られるレナート・ベルタが撮影を手がけ、フィクションパートでは「EUREKA ユリイカ」の青山真治監督が助監督を担当。2023年3月、4Kレストア版をリバイバル公開。
ネット上の声
- 大野一雄、最上級の美しさ
- 冒頭の歩きのシーンから、役者のドキュメンタリーの複雑さ、演技をするひとをカメラに
- 鼓や太鼓や唄い手に三味線から黒子さんなど裏方さんの努力から坂東さんつまり自分自身
- シュミットにはこの映画の大野一雄のように恍惚然とした被写体をもっと撮って欲しかっ
ドキュメンタリー
- 製作年1995年
- 製作国スイス,日本
- 時間100分
- 監督ダニエル・シュミット
- 主演坂東玉三郎