全3作品。三野龍一監督が制作した映画ランキング

過去の罪に囚われた男。守るべきものができた時、彼は再び修羅の道へ。人間の善性と暴力性を問う衝撃作。

現代日本の地方都市。傷害事件で服役し、家族も仕事も失った石川。今はスクラップ工場で働き、過去を償うようにひっそりと生きる日々。そんな彼の前に、同じアパートに住むシングルマザーの美々とその息子が現れる。親子との交流の中に、ささやかな幸せを見出し始めた矢先、美々の元夫の暴力が彼らの日常を脅かす。大切なものを守るため、石川が頼れるのは、かつて自らが捨てたはずの「暴力」のみ。彼の内なる鬼が、静かに目覚め始める。

超高齢化社会、国が導入したのは「老人安楽死制度」。生きることを諦めない老人たちが、廃村で最後の楽園を築くサバイバル。

舞台は、生産性を失った高齢者を安楽死させる法律が施行された近未来の日本。制度から逃れ、生きることを選んだ老人たちがいた。彼らは山奥の廃村に集い、自給自足の共同体「老人ファーム」を設立。しかし、政府がその存在を黙認するはずはなかった。ファーム解体を命じられた若手官僚が村にやってくる。老人たちの知恵と結束、そして生きるためのしたたかさが、国家権力と対峙。ユーモアと皮肉に満ちた抵抗の果てに、彼らが見出す希望とは。「生産性」とは何か、「生きる価値」とは何かを問う物語。

江戸時代、大坂や伊勢と並ぶ日本三大商人に数えられた近江商人たちの活躍を描いた時代劇。現代の経済においては「裁定取引」（アービトラージ）と呼ばれる取引方法に着目した近江商人たちが、そろばん片手に知恵をふりしぼり、商売で勝負に出る姿を痛快に描く。 ある近江商人との出会いから、大津の米問屋・大善屋で丁稚奉公することになった銀次は商才を発揮し、店の仕事はもちろん、ケガをして働けなくなった大工を救済する方法を考えたり、閑古鳥が鳴く茶屋に客寄せのアイデアを出したりするなど、さまざまな方面で町の人たちを助けていた。そんなある時、悪らつな奉行の罠で大善屋が千両もの借金を背負わされてしまう。銀次は店を守るため、大津と15里（60キロ）離れた堂島の米の価格差を利用した裁定取引を思いつく。飛脚でも半日かかかる距離を越え、情報を迅速に入手するため銀次は仲間とともに作戦を練る。 銀次役は「許された子どもたち」で注目された上村侑が務めた。銀次の先輩・蔵之介役に「ちはやふる」シリーズなどで活躍する森永悠希、銀次や蔵之介とともに働く楓役に「アルプススタンドのはしの方」の黒木ひかり。監督は「老人ファーム」「鬼が笑う」の三野龍一。