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ハンガリーを代表する映画監督タル・ベーラが福島で行ったワークショップの様子を、タル・ベーラの愛弟子でもある小田香監督が記録したドキュメンタリー。
「サタンタンゴ」「ヴェルクマイスター・ハーモニー」などで知られ、2011年に発表した長編「ニーチェの馬」を最後に映画監督から引退したタル・ベーラが、2024年2月に福島で映画制作ワークショップ「FUKUSHIMA with Bela Tarr/福島映画教室2024」を開催。東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて避難指示対象地域となった福島県内の12市町村を舞台に、世界各地から集まった若手映画監督たちが、町の中で自ら題材を見つけ、それぞれの個性を生かした短編を作り上げた。
そのワークショップの模様を、タル・ベーラの愛弟子であり「鉱 ARAGANE」「セノーテ」などで知られるドキュメンタリー監督の小田香が記録。受講生とタル・ベーラ、そして福島の人々との交流と、作品をめぐる対話の様子が収めた。2024年・第37回東京国際映画祭上映作品。
※「BELA TARR」の「e」はアクセント記号付きが正式表記
ドキュメンタリー
- 製作年2024年
- 製作国日本
- 時間180分
- 監督小田香
- 主演タル・ベーラ
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「鉱 ARAGANE」「セノーテ」など異形の地下世界を題材に映画制作を続けてきた小田香監督が、日本の地下世界にカメラを向けた作品。
地下の暗闇から現れた「シャドウ(影)」はある女の姿を借り、時代も場所も超えた旅に出る。シャドウは地下鉄が走る音を聞き、戦争で多くの人々が命を落としたほら穴の中で死者の声に耳を澄ませる。山奥の寺では、洞窟へと続く壁面に彫られた仏のために読経する僧侶のかたわらに身を寄せる。かつてそこで起きたことをトレースするようになったシャドウは、ふと訪れた映画館で目にした映像に導かれ、湖の底に沈んだ街へと向かう。
小田監督が3年かけて日本各地で取材を行い、その土地に宿る歴史と記憶、土地の人々の声を反映させて描きだす。米津玄師「Lemon」MVでのダンスや映画「Shari」の監督として知られる映画作家・ダンサーの吉開菜央が、女の姿を借りたシャドウを演じた。
ネット上の声
- 舞台挨拶付きで、客席からの質問の半分は監督の前作を観賞された方も含めて良かったと
- 暗闇体験をしますと電気が消えるとき「あ、ここも地下の穴(地下階の映画館)だ…」と
- 「GAMA」で係留された在/不在の狭間を、より在に引き寄せるためのいくつかの異化
- 「影」が記憶をたどって色んな場所を訪れる
ドキュメンタリー
- 製作年2024年
- 製作国日本
- 時間83分
- 監督小田香
- 主演吉開菜央
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「鉱 ARAGANE」で長編デビューを飾り、世界に羽ばたく若い才能のために2020年に設立された大島渚賞の第1回受賞者となった小田香監督が、メキシコ・ユカタン半島洞窟内にある泉セノーテの神秘を追ったドキュメンタリー。メキシコ、ユカタン半島北部。その地に点在するセノーテと呼ばれる洞窟内の泉は、マヤ文明の時代唯一の水源で、雨乞いの儀式のために生け贄が捧げられた場所でもあった。この泉の近辺には現在もマヤにルーツを持つ人びとが生活している。マヤの人たちによって伝えられてきた精霊の声やマヤ演劇のセリフテキスト、そして水中と地上を浮遊する映像から、現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐる人びとの過去と現在の記憶が紡がれていく。
ネット上の声
- 水中をゆく魂の浮遊のようなカメラの動きに陶酔感すら覚える
- 執拗な水中ロング・ショットや水飛沫を前にして、霊的なおどろおどろしさ/音楽的快楽
- セノーテという歴史に人間(アーティスト)が介在する余地などなく、自意識など到底及
- セノーテとマヤ文明の供犠のことをあまり知らなかったのだが、人身御供として投げ入れ
ドキュメンタリー
- 製作年2019年
- 製作国日本,メキシコ
- 時間75分
- 監督小田香
- 主演---
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ボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱の姿を日本人監督が捉えたドキュメンタリー。ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ。その近郊にあるブレザ炭鉱は操業100年の歴史を持ち、地下300メートルの世界では坑夫たちが黙々と作業を進め、杭を掘り進めている。爆音を響かせ続ける掘削重機、男たちが振り上げるツルハシ、鉱山から掘り出される石の小さな断片など、鉱山、そして労働者たちをカメラがひたすら見つめていく。監督は長編デビュー作である本作で山形国際ドキュメンタリー映画祭2015アジア千波万波部門特別賞を受賞した小田香。「ニーチェの馬」などで知られ、小田監督が学んだ映画学校の創設者でもある映画作家タル・ベーラが監修を務めた。
ネット上の声
- 誰かの日常は誰かの非日常
- 見た事が無い世界を見る
- 見た事が無い世界を見る
ドキュメンタリー
- 製作年2015年
- 製作国ボスニア・ヘルツェゴビナ,日本
- 時間68分
- 監督小田香
- 主演---