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日本神話に登場する幻の織物・倭文(しづり)に着目し、「衣」の神秘的な始源をたどったドキュメンタリー。
邪悪なものをはらい、身体を守護する神聖な力を持っていたという幻の織物・倭文。その力の源について解き明かす鍵は、衣服の始源を担った「カジの木」にあった。中国南部を原産とするカジの木のルーツをさかのぼり、台湾、インドネシアのスラウェシ島、南太平洋のパプアニューギニアへと旅していく。さらに日本各地で倭文の痕跡を追っていくと、古代国家の重要な謎が明らかになる。現代の織物作家たちが倭文の創造的復元に取り組む姿も映し出す。
「チロンヌプカムイ イオマンテ」など映像作品と文筆によって独自の“映像民俗学”を開拓してきた北村皆雄監督が、5年の歳月をかけて本作を完成させた。謎めいた日本神話の再現映像には、大駱駝艦主宰の麿赤兒と俳優としても活躍するアーティストのコムアイが出演。モデルの冨永愛が語りを担当。
ドキュメンタリー
- 製作年2024年
- 製作国日本
- 時間119分
- 監督北村皆雄
- 主演麿赤兒
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アイヌ民族の知られざる祭祀「チロンヌプカムイ イオマンテ(キタキツネの霊送り)」を記録したドキュメンタリー。1986年、屈斜路湖を望む美幌峠で、75年ぶりに「チロンヌプカムイ イオマンテ」が行われた。狩猟民族であるアイヌの教えでは、動物は自らの肉や毛皮を土産にして人間の国へやって来るとされる。彼らはキタキツネを我が子のように育てると、そのキタキツネに祈りを捧げて歌や踊りで喜ばせ、土産を背負わせて神の国へ送る「イオマンテ」を執り行う。祭祀を司るアイヌ長老・日川善次郎エカシは、祈りの言葉の一言一句に魂を込める。60年代から日本とアジアの民族文化を撮り続けてきた北村皆雄監督が、86年当時の映像に2Kレストアを施し、貴重な祭祀の様子をよみがえらせた。漫画「ゴールデンカムイ」のアイヌ語監修者・中川裕がアイヌ語の現代日本語訳を担当。(※タイトル「チロンヌプ」の「プ」は小文字が正式表記)
ネット上の声
- アイヌ文化の記録ドキュメントとして大変貴重な作品です。…けれど、観るのに心の準備が必要な場面もありますので心してご鑑賞ください。
- 観客側のリテラシーが問われる
- 違うけど同じという生と死を尊ぶアイヌの豊かな世界観
- 原日本・縄文の流れを残す、原日本人の在り方を見た
ドキュメンタリー
- 製作年2021年
- 製作国日本
- 時間105分
- 監督北村皆雄
- 主演---
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日本やアジアの民族文化を撮り続け、2022年に劇場公開された「チロンヌプカムイ イオマンテ」が話題となった北村皆雄監督が、キャリア初期に手がけた一作。さまざまな矛盾が渦巻くなかで沖縄が日本への復帰を果たした1972年の夏、一切の撮影を拒絶する秘儀が伝わる西表島の小さな集落・古見をカメラに収め、都会から遠く離れた島で、うめくように必死に生きる人々の姿を記録したドキュメンタリー。西表島・古見の豊年祭には、アカマタと呼ばれる仮面仮装の神が来訪する。しかし、この祭祀の撮影に訪れたスタッフは、「アカマタを撮ったら殺(くる)す」と激しい拒絶にあう。撮影スタッフは、その強い拒絶のエネルギーの根源を探るため集落の17軒ひとつひとつを訪ね歩き、人々から話を聞き、それぞれの家族や島の歴史を記録する。その過程で、伝統的なアカマタを信仰する土着の人々と新しい移住者たちの対立や、炭鉱からの脱走者、島を捨て離れた者たちの存在などが浮かび上がる。
ネット上の声
- 西表島で伝わるアカマタのお祭りの撮影を断られ、それでもその祭りとは何かと、周辺の
- 沖縄本土復帰の年、「アカマタ・クロマタ・シロマタ」を撮ろうと出向いたが「撮ったら
- 一切取材と研究が拒否されてきた西表島古見村の豊年祭を映像に収めた(ある意味)限界
- 田舎で集団に所属する/しないことの厳しさ、都市化の抗いがたさ、炭鉱のシステム、常
ドキュメンタリー
- 製作年1973年
- 製作国日本
- 時間---分
- 監督北村皆雄
- 主演---
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信州伊那谷を中心に活動した江戸末期の俳人・井上井月(いのうえせいげつ)の生涯をドキュメンタリーとフィクションを交えて描く。信州の伊那谷にふらりとやってきた井月は、幕末から明治にかけておよそ30年、家も家族ももたず放浪生活を続ける。宿を借りた家にはお礼に句を置き、伊那の自然や風土、生活を詠み続けた井月の姿を、残された1800の句や逸話、日記の断片などから描き出していく。井月に扮するのは舞踏家・俳優の田中泯。
ネット上の声
- カラオケの映像です
- 田中泯と彼の衣装を担当している山口源兵衛がゲストトークに登壇した贅沢な上映を体験
ドキュメンタリー
- 製作年2011年
- 製作国日本
- 時間119分
- 監督北村皆雄
- 主演田中泯
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東日本大震災による津波で被災した宮城県石巻市の小さな村を舞台に、石巻の伝統芸能・雄勝法印神楽が人びとを勇気づけ、絆を結んでいくさまを描いたドキュメンタリー。宮城県雄勝半島にある石巻市の漁村・立浜は、東日本大震災の大津波で46軒のうち1戸だけを残して被災。絶望的状況の中、12人の猟師が村に残ることを決断する。男たちは生活の再建とともに失われた神楽面や祭具を作り直し、海辺に柱を立てて舞台を作り、祭りの復興にも乗り出す。600年前と変わらない太鼓と笛の音やリズム、神楽の舞いが、被災した人びとの新たな力となっていく。監督は「ほかいびと 伊那の井月」の北村皆雄と戸谷健吾。ナレーションは寺尾聰。
ネット上の声
- 美しい面や着物を着て歌い踊る姿があまりにも強い
- シネマテークで上映初日の2本立て!
- シネマテークで上映初日の2本立て!
ドキュメンタリー
- 製作年2017年
- 製作国日本
- 時間75分
- 監督北村皆雄
- 主演---