ボブ・コノリーとロビン・アンダーソンはパプア・ニューギニア高地人のガニガ族に取材して、すでにFirst ContactとJoe Leahy's Neighbours(ともに83)の2本のドキュメンタリー映画を発表しており、「黒い収穫」はこの三部作の最後の作品にあたる。伝統的な部族社会やその文化・生活を守る人々を題材とすることはロバート・フラハティの「極北のナヌーク」(初公開時邦題「極北の怪異」)や「モアナ」以来、ジャン・ルーシュの人類学映画などドキュメンタリー映画には伝統的な主題であるが、この監督コンビのアプローチは部族そのものではなくて、部族と白人の植民地主義的・資本主義的な観念との接触と関係に興味を集中している点--その姿勢はガニガ族と白人の混血のジョー・レイを、3本の映画の主人公としていることにもはっきり表われている--が特徴的であり、それ故に彼らの映画からは、単なる部族社会の生活の記録以上の、現代の世界とそのシステムに対するコメントを見い出すことも可能だろう。ジョー・レイは1930年代に最初にこの地に探検に来た白人がガニガ族の女に生ませた子供で、孤児になっていたのを叔父にあたる白人にひきとられ、白人の教育で育っている。93年レ・フィルム・デュ・レエル国際ドキュメンタリー映画コンクール大賞、山形国際ドキュメンタリー映画祭ロバート&フランシス・フラハティー賞(大賞)受賞。
ネット上の声
- パプア・ニューギニアのとある村でコーヒー豆によるビジネスの展開を試みる一人の男、
- 事実の重み
- 事実の重み
ドキュメンタリー
- 製作年1992年
- 製作国オーストラリア
- 時間90分
- 監督ボブ・コノリー
- 主演---