全6作品。パウル・フェヨシュ監督が制作した映画ランキング

純真な愛を踏みにじられた一人の女性。天国から我が子を見守り続ける、母の永遠の愛を描く、詩的で悲しい物語。

20世紀初頭のハンガリー。純朴なメイドのマリーは、ある男性と恋に落ち、子供を身ごもる。しかし、男に捨てられ、未婚の母となった彼女は社会から見放され、愛する我が子を手放すという過酷な決断。絶望の末に命を落とした彼女の魂は、天国へと昇り、地上に残した娘を見守り続ける存在に。娘に困難が訪れるたび、天から降り注ぐ「春の驟雨」。母の愛が奇跡を呼ぶ、幻想的で美しい映像詩。

1920年代、大都会ニューヨークの喧騒に埋もれる孤独な男女。偶然の出会いが、灰色の日々を鮮やかに彩る一日。

舞台は狂騒の1920年代、ニューヨーク。巨大な都市の片隅で、それぞれ孤独な日々を送る電話交換手の女と工員の男。休日の朝、二人は人混みに紛れてコニーアイランドへと向かう。そこで偶然出会い、瞬く間に惹かれ合う二人。ジェットコースター、ダンスホール、そして浜辺での語らい。まるで夢のような時間を過ごすが、些細なきっかけで離れ離れに。互いの名前も知らないまま、再び雑踏の中に消えてしまった相手を、彼らは見つけ出すことができるのか。都会の孤独と恋のときめきを描く、詩情豊かな物語。

「笑う男」「ある男の過去」と同じくコンラッド・ファイト氏が主演した映画で、ジェームズ・アシュモーア・クリールマン氏が原作並びに撮影台本を書いたものを「ブロードウェイ(1929)」「ラスト・モーメント」のポール・フェヨス氏が監督したもので、俳優としては主演者のほかに「愛の巷」のメアリー・フィリビン嬢、「ブロードウェイ(1929)」のレスリー・フェルントン氏、「夢の港」のフレッド・マッケイ氏、グスタフ・パルトス氏、ウィリアム・ターナー氏、アンダース・ランドルフ氏その他が出演している。キャメラは「ブロードウェイ(1929)」「最後の警告」のハル・モーア氏が担当である。

演出家ジェッド・ハリス氏がニューヨーク市のブロードハースト座に上演して大当たりをとったフィリップ・ダニング、ジョージ・アボット両氏原作の同名戯曲を「都会の哀愁」のエドワード・ティー・ロー・ジュニア氏がチャールズ・ファースマン氏と協力して脚色し、科白をつけたもので監督は「ラスト・モーメント」「都会の哀愁」のポール・フェリス氏。主演者は「当たって砕けろ(1929)」「都会の哀愁」のグレン・トライオン氏、「サーカス」のマーナ・ケネデイ嬢「都会の幻想」「虎御前」のエブリン・プレント嬢の他に舞台劇『ブロードウェイ』出演のトーマス・ジャクソン氏、ポール・ポルカシ氏が加わっている。助演者にはオディス・ハーラン氏、ロバート・エリス氏、マリオン・ロード嬢、アーサー・ハウスマン氏等が出ている。撮影は「結婚行進曲」「ジャズ・シンガー(1927)」のハル・モーア氏。カール・エムレ・ジュニアー氏が監督ポール・ブエヨス氏を助けている。最後の場面にテクニカラーを施したオールトーキーである。

「都会の哀愁」で初めて本邦に知られたポール・フェヨス氏が同映画製作以前、米国において最初に作った作品がこれである。原作、脚色、監督ことごとく氏自身が当り、「救いを求むる人々」に出演オット・マティーゼン氏が出演し、「救いを求むる人々」「黄金狂時代」のジョージア・ヘール嬢その他ルシル・ラ・ヴァーン嬢、アニエルカ・エルター嬢、イサベル・ラモア嬢、ヴィヴィアン・ウィストン嬢等が助演している。