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占領下の沖縄、記憶を失った男と彼を「つるヘンリー」と呼ぶ少女。琉球の神話と現実が交錯する、幻想的な映像詩。
戦後、米軍占領下の沖縄。浜辺に記憶喪失の男が流れ着く。彼を拾った少女マブイは、男を「つるヘンリー」と名付け、共に暮らし始める。つるヘンリーは、失われた記憶を探し求めるうち、沖縄の神話や伝説、そして戦争の傷跡が混在する摩訶不思議な世界へと迷い込む。現実と幻想、過去と現在が交錯する中、彼は一体何者なのか。沖縄の土着的な文化と歴史を背景に、アイデンティティの探求を描く、唯一無二の映像体験。
ネット上の声
- 夕暮れ時のほろ酔い のような映画
- 訳がわからなすぎて、ウトウトしかけた時にこれまた訳がわからないギャグで笑いの感情
- 哀しみと迷いと憧れと怒りと思慕をシュール過ぎる笑いで包み隠し切れないシャイなのに
- 高嶺剛のフィルモグラフィーの中でも、とりわけ攻撃的でラジカルな一本と捉えている
ヒューマンドラマ
- 製作年1998年
- 製作国日本
- 時間90分
- 監督高嶺剛
- 主演大城美佐子
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沖縄の記憶と神話が交錯する、現実と幻想の境界を旅する男のシュールで奇妙なロードムービー。
舞台は沖縄。主人公の男タルガニーは、ある日、友人から奇妙な依頼を受ける。それは、豚の頭を届けるというものだった。豚の頭を携え、沖縄の道を彷徨い始めるタルガニー。彼の旅の途中、キジムナーやユタといった沖縄の神話的存在や、過去の戦争の記憶が亡霊のように現れ、現実と幻想が入り混じっていく。高嶺剛監督が描く、色彩豊かでありながらも不穏な映像世界。言葉遊びや沖縄の風土が織りなす独特のリズムの中、観る者を摩訶不思議な世界へと誘う。これは単なる旅ではない。沖縄という土地が持つ記憶の深層を巡る、魂の彷徨の記録。
ネット上の声
- やなーだわけさー
- 「遂に映画はここまで来た」の謳い文句に間違いはない。新しい映画世界。傑作
- 「遂に映画はここまで来た」の謳い文句に間違いはない。新しい映画世界。傑作
- イメージ・フォーラムにて
ヒューマンドラマ
- 製作年2016年
- 製作国日本
- 時間81分
- 監督高嶺剛
- 主演平良進
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日本復帰前の沖縄、豚の化身にして伝説の義賊ウンタマギルー。圧政に苦しむ民を救う、奇想天外な物語。
1920年代、製糖会社の搾取に苦しむ沖縄の小さな村。この地に、豚の化身とされる不思議な力を持つ男、ギルーがいた。彼は、豚の姿を借りて製糖会社の倉庫から砂糖を盗み、貧しい人々に分け与える義賊「ウンタマギルー」。一方、ギルーの兄貴分で、彼を慕うモーアシビのリーダー、樽金は、近代化の波と日本への同化政策に抗い、沖縄の魂を守ろうと闘う。神話と現実が交錯する中、ギルーの超自然的な力は、やがて村人たちを巻き込み、大きなうねりを生み出していく。
ネット上の声
- 「鉄男」と一緒に新文芸坐で観たやつ、本当は「死霊の罠」と「鉄男」が上映の日に行き
- 昨年、ガルシア・マルケス没後10年の再ブームでマジック・リアリズムという言葉が氾
- 返還直前の沖縄を、18世紀からの伝承義賊民話とクロスオーバーさせる
- 沖縄の精神性がよく伝わってくる
沖縄、 ファンタジー、 ヒューマンドラマ
- 製作年1989年
- 製作国日本
- 時間120分
- 監督高嶺剛
- 主演小林薫
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日本復帰前夜のコザ。変わりゆく沖縄で生きる人々の日常と葛藤を、幻想的に描く映像詩。
舞台は1970年代初頭、本土復帰を目前に控えた沖縄のコザ市。アメリカと沖縄の文化が混在する混沌とした時代。製糖工場で働く青年レイシューは、復帰に向けた社会の変化と人々の動揺を肌で感じていた。米兵相手の商売、土地問題、そして自らのアイデンティティへの問い。彼はこの変化の波の中で自らの生きる道を見つけようともがくが、時代の大きなうねりは個人の思いを飲み込んでいく。沖縄の神話や音楽が交錯する幻想的な映像の中、彼が見つめる「楽園(パラダイス)」の眺めとは。歴史の転換点に立つ人々の選択。
ネット上の声
- 2019年、令和一本目の鑑賞
- 細野さんが出ているし細野さんのサントラが神なのでアレだが、話はろくすっぽ分からん
- 元々アンビエントミュージックに傾倒していた頃の細野晴臣作品が好きで、彼が音楽を担
- 歌手の小池玉緒さん、りりィさんや細野晴臣さんが出演されている稀有な作品
沖縄、 ファンタジー、 ヒューマンドラマ
- 製作年1985年
- 製作国日本
- 時間113分
- 監督高嶺剛
- 主演小林薫
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監督、撮影の高嶺剛が二年の歳月をかけて完成させたドキュメンタリー。ねむそうな表情の水牛。本土からの土地買い占めの商人、若い観光客と店のおばさん、原始人と宇宙人とキジムナー(木の精)との出会といった短い風景とドラマがオムニパス形式によって構成されたドキュメンタリー。“チルダイ”とは沖縄の日常語で“つい怠けてしまう”とか“嫌になってしまう”といった意味で、監督の高嶺はこの“チルダイ”を沖縄人が好むと好まざるにかかわらず、どうしても避けることのできない沖縄の地に根さした自然現象としてとらえ、天からの恵みである“チルダイ”を失ってしまった時こそ、沖縄はうまく日本になってしまうと、全篇を通じて言う。(16ミリ)
ネット上の声
- オキナワに土地を買いに来た男を狂言廻しに、オキナワを炙り出す不思議な味わいの作品
- (確か、ぴあが主催していた)上映会で観た
- 原始時代の沖縄に臭い立つチルダイ
ドキュメンタリー
- 製作年1979年
- 製作国日本
- 時間75分
- 監督高嶺剛
- 主演コンデンション・グリーン
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歌人であり歌手でもあった母親の影響から、自らも沖縄民謡歌手となった嘉手苅林昌。この作品は、75歳という高齢にもかかわらず、現在もコンサート活動や昔唄の発掘に勤しむ彼の唄とインタビューで構成されたドキュメンタリー。監督は「パラダイスビュー」「ウンタマギルー」といったオキナワン・フィルムを撮り続けている高嶺剛。VTR作品。ビデオプロジェクターによる上映。
ドキュメンタリー
- 製作年1995年
- 製作国日本
- 時間57分
- 監督高嶺剛
- 主演嘉手苅林昌