全6作品。パン・ホーチョン監督が制作した映画ランキング

拾った財布から始まる、人気アイドルの彼氏への一方的な恋。妄想と現実が交錯する、奇妙で切ないラブストーリー。

現代の香港。カラオケ店で働くごく普通の女の子、アファ。ある日、彼女は人気歌手の恋人ケンが落とした財布を拾う。財布の中の写真を見た瞬間から、アファはケンこそが運命の相手だと信じ込み、彼のストーカーまがいの行為を開始。彼の生活を覗き見し、彼の恋人の動向を探り、偶然を装って近づこうと試みる。彼女の純粋で一途な想いは、次第にエスカレートし、妄想と現実の境界線を曖昧にしていく。果たしてこの歪んだ恋の行方は。

ポルトガル返還直前のマカオを舞台に、突如現れた娘との奇妙な共同生活が始まる中年刑事の物語。

1999年、中国への返還を目前に控えたマカオ。汚職に手を染め、刹那的な日々を送る警察官マー・チェンシンの前に、見知らぬ少女ヤンが現れる。彼女は、かつて一夜を共にした女性との間に生まれた、自分の娘だと告げる。突然の出来事に戸惑いながらも、二人の奇妙な共同生活がスタート。奔放なヤンに振り回され、父親としての責任に戸惑うチェンシン。時代の大きな転換点を迎えたエキゾチックな街で、孤独だった二つの魂が次第に寄り添っていく。失われた時間と、不器用な親子愛を描く、切なくも美しい人間ドラマ。

現代香港の夜。ありふれた日常に潜む、奇妙で可笑しく、そして少し不気味な人間模様の万華鏡。

舞台は夜の香港。ラジオから流れる都市伝説をきっかけに、男女の些細な日常が歪み始めるオムニバスストーリー。ありえない偶然、不可解な出会い、そして滑稽な誤解。それぞれの物語は独立しながらも、どこかで奇妙にリンク。日常に潜む非日常を、ブラックユーモアと独特の映像美で切り取る数々の断片。登場人物たちが経験する「些細なこと」が、やがて彼らの人生を静かに、しかし確実に狂わせていく。観る者の価値観を揺さぶる、スタイリッシュでシュールな人間観察劇。

夢のマイホームを手に入れるため、彼女が選んだ手段は「殺人」。不動産高騰が生んだ、香港発の壮絶スプラッター・ホラー。

舞台は不動産価格が高騰し続ける香港。幼い頃から海の見える高級マンションに住むことを夢見てきた女性、チェン。必死に働き、倹約を重ね、ようやく頭金を用意するが、契約直前に売主が価格を吊り上げ、彼女の夢は無残に打ち砕かれる。長年の希望を絶たれた彼女の精神は崩壊。その日を境に、彼女は常軌を逸した行動を開始する。目的のマンションの資産価値を暴落させるため、住民たちを次々と残忍な手口で殺害していく。夢の家への異常な執着が、血塗られた惨劇へと変わる。

香港の鬼才パン・ホーチョンの監督第8作「ドリーム・ホーム」（2010）の公開を記念して、ホーチョン監督の日本未公開作を一挙上映する特集上映「パン・ホーチョン、お前は誰だ!?」で公開。将来に夢も希望もないまま卒業を控えた大学生たちが、ナンパ目的で始めた映画製作の模様を描く青春群像劇。ローレンス・チョウ、デレク・ツァンら若手俳優ほか、日本のAV女優・天宮まなみも出演。