全3作品。フィリップ・リドリー監督が制作した映画ランキング

1950年代、黄金色の麦畑に潜む悪夢。少年が信じた隣人は吸血鬼だった。

舞台は1950年代、アイダホの広大な麦畑が広がる田舎町。好奇心旺盛な少年セスは、退屈な日常の中で仲間たちと過激な遊びに興じていた。ある日、友人の突然の死をきっかけに、セスは近所に住む美しい未亡人ドルフィンが吸血鬼だと信じ込む。兄キャメロンが戦地から帰還し、その未亡人と恋に落ちたことで、セスの妄想は恐怖へと変わっていく。果たして、少年の目に映る世界の真実とは。黄金色の風景とは裏腹に、死と腐敗の匂いが立ち込める、悪夢のような夏の物語。

カルト的人気を誇るフィリップ・リドリー監督が、「聖なる狂気」（1995）以来14年ぶりに手がけた長編監督作。英ロンドンに暮らす青年ジェイミーは、顔にあるハート型の痣に悩まされながら生きてきた。ある日、街角でストリートギャングの集団に遭遇したジェイミーは、彼らが人間ではない“何か”であることに気がついてしまう。しかし、そのために母親を惨殺されてしまったジェイミーは復讐に燃える。やがてギャングのリーダーでパパ・Bと呼ばれる男と対峙したジェイミーだったが、「殺人者として仲間になれば、願いをかなえる」と言われ、悪魔の契約を交わしてしまう。リドリー監督独特の悪夢的なビジョンや不可思議なイメージが挿入され、幻惑的な映像で描かれるサイコスリラー。

狂信的な宗教で人間性を抑圧された青年が、ある美女への欲望の虜になり狂気に陥っていく様を描くサイコ・サスペンス。監督・脚本は「柔らかい殻」のフィリップ・リドリー。製作はフランク・ヘンシュケ、ドミニク・アンチアーノ、アラン・ケイツマン、エグゼクティヴ・プロデューサーはジム・ビーチ、レイ・バーディス、撮影はジョン・ド・ボルマン、音楽はニック・ビカット、編集はレスリー・ヒーリー、美術はユベール・プイユ、衣装はアンヌ・バーホーベン、ガービ・ビンダー（サーカス団の家族役で端役出演も）がそれぞれ担当。主題歌はＰＪ・ハーヴェイの“Who Will Love Me Now?”。主演は「きっと忘れない」のブレンダン・フレイザー。共演は「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のアシュリー・ジャッド、リドリーとは前作「柔らかい殻」でも組んだ「インディアン・ランナー」「カリートの道」のヴィーゴ・モーテンセン、「セイ・エニシング」のローレン・ディーンほか。