「母の灯」「われ泣きぬれて」につぐ石田清吉の製作で、八木保太郎の原作から長崎県五島出身の清島長利「若き日の血は燃えて」「受胎」がある)が脚色し、演出は「汚れた花園」の小坂哲人、カメラは「のらくら海浜騒動」の竹野治夫が担当する炭坑映画である。配役は「風の中の牝鶏」につぐ佐野周二が「噂の男」についで炭坑夫にふんし「颱風圏の女」の山村聡と組んでたくましい男の世界を描く。これに「三百六十五夜(1948)」「生きている画像」と引続き新東宝作品に出演していた老練河村黎吉が松竹に帰って出演「夜の女たち」「一寸法師(1948)」で売り出した新人永田光男も助演する。女優陣は「武装警官隊」の幾野道子、往年「愛染かつら」「家庭教師」等で活躍し現在大庭秀雄監督夫人として家庭にあった森川まさみが、カムバック第一作として姿を見せる。この映画は通称軍艦島と呼ばれる長崎港外二十キロの海上にある端島炭坑に、その特異な環境をキャッチするため一大ロケを敢行したセミ・ドキュメンタリー映画である。
- 製作年1948年
- 製作国日本
- 時間---分
- 監督小坂哲人
- 主演佐野周二