太平洋戦争における日本軍の足跡を、神風特攻隊という観点からとらえながら、戦争否定を訴える記録映画。ペリー・ウォルフの脚本によって、アンリ・ディアマン・ベルジェ監督が、フランソワズ・ディオの協力を得て編集に当ったもの。音楽はノルマン・デロ・ジョイオ。日本語版の監修には大方弘男が当たり、アナウンスは川野昌宏の担当。映画はまず、一九四一年十二月のハワイ真珠湾奇襲攻撃からはじまる。日本軍の一方的勝利。アジアを制圧、インド洋東部までも進撃する。降伏を知らない日本人。日本は軍国主義一色にぬりつぶされる。勝利を過信する軍部。一方、アメリカは戦時体制にきりかえ、反撃を開始する。ミッドウェイさんご海海戦における日本軍の敗北。やがて、日本はB29の空襲にさらされる。焦土と化してゆく日本本土。ついに日本人はカミカゼという独特の戦術をあみ出してゆく。天皇の名の下に行なわれる自殺行為。そのもっとも激しかったのは沖縄の戦いである。八十二日間、日本はカミカゼをもって、敵を攻撃し、一、九〇〇名もの若者が死をえらんだ。しかし、ヒロシマを襲った一発の原爆は、八万の死者と八万の負傷者を出し、彼らの抵抗を停止させた。戦争は終った。が、人類は、自分たちの発明した自殺兵器を今なお持っている。
ドキュメンタリー
- 製作年1961年
- 製作国フランス
- 時間60分
- 監督アンリ・ディアマン=ベルジェ
- 主演---