全5作品。ジョン・ヒルコート監督が制作した映画ランキング

禁酒法時代のアメリカ。法を恐れぬ密造酒ビジネスで名を馳せた、不死身と謳われた兄弟たちの壮絶な実話。

1931年、禁酒法下のバージニア州フランクリン郡。ここでは密造酒の製造・販売が一大産業となっていた。その中でも、ボンデュラント３兄弟は「不死身」と噂されるほどの度胸と腕力で、誰にも屈することなくビジネスを仕切っていた。長男ハワード、次男フォレスト、そして気弱な三男ジャック。彼らの前に、非情でサディスティックな特別取締官レイクスが現れる。法を盾に高額な賄賂を要求し、兄弟のビジネスを脅かすレイクス。暴力と欲望が渦巻く中、兄弟は誇りと家族を守るため、権力との全面戦争に突入する。血で血を洗う抗争の果てに、彼らを待ち受ける運命とは。

「ノーカントリー」の原作者として知られる現代米文学の巨匠コーマック・マッカーシーによるピュリッツアー賞受賞の同名ベストセラー小説を、ビゴ・モーテンセン主演で映画化したロードムービー。ほとんどの生物が死に絶え、文明が崩壊した近未来のアメリカを舞台に、父親と幼い一人息子が漂流する姿を描く。監督は「プロポジション　血の誓約」のジョン・ヒルコート。共演にシャーリーズ・セロン、ロバート・デュバル、ガイ・ピアース。

1880年代、オーストラリアの荒野。弟の命か、兄の命か。法と血の掟に引き裂かれる男の、過酷で残酷な選択を描くウェスタン・ノワール。

1880年代、開拓時代末期のオーストラリア。無法者のバーンズ兄弟の一味を追い詰めた保安官スタンリーは、捕らえた次男チャーリーに冷酷な取引を持ちかける。それは、9日後のクリスマスまでに、逃亡中の長兄で残忍なアーサーを殺せば、末弟マイキーの命は助けるという「提案」。兄を狩るか、弟を見殺しにするか。血の誓約と家族の絆の間で引き裂かれるチャーリー。灼熱の太陽が照りつける不毛の大地を舞台に、暴力と裏切りが渦巻く、男たちの宿命を描いた壮絶な物語。

脱出不可能な監獄要塞。極限状況に置かれた囚人たちが、狂気へと堕ちていく衝撃のバイオレンス。

オーストラリアの砂漠にそびえ立つ、最新鋭の最高警備刑務所。そこは、凶悪犯たちが収容される「生ける墓場」。徹底的な管理体制の下、囚人たちの人間性は徐々に破壊されていく。些細なきっかけから生まれる暴力の連鎖。看守による非道な仕打ち。出口のない絶望的な日々は、やがて囚人たちを狂気の淵へと追い詰める。そしてついに、施設全体を巻き込む大規模な暴動へと発展。秩序が崩壊した監獄で繰り広げられる、血と暴力の黙示録。人間の尊厳を問う、あまりにも陰鬱で強烈な物語。

「ザ・ロード」「欲望のバージニア」のジョン・ヒルコート監督が、ケイシー・アフレック、キウェテル・イジョフォー、ノーマン・リーダス、ウッディ・ハレルソン、ケイト・ウィンスレットら豪華キャストを迎えて描いたクライムアクション。職務中の警官が撃たれるという非常事態時に発せられ、警察にとっては最悪のコードとされる「999（トリプルナイン）」を利用した強盗計画を、リアリズムと緊張感たっぷりに描き出した。元軍人と悪徳警官で構成されたギャング団を率いるマイケルは、非情な女ボスのリーナが仕切るロシアンマフィアとの関係を断つつもりでいた。しかし、リーナに最愛のひとり息子を人質にとられたマイケルは、国土安全保障省の施設を襲うという、困難極まりない襲撃作戦に挑むことになる。