全9作品。ロバート・レッドフォード監督が制作した映画ランキング

裕福な一家を襲った突然の悲劇。完璧に見えた家族の仮面の下で、見えない心の傷が静かに崩壊を始める、感動の人間ドラマ。

シカゴ郊外の高級住宅街に暮らすジャレット一家。しかし、ボート事故で長男を失って以来、家族の間には見えない溝。兄の死に罪悪感を抱き、自殺未遂を起こした次男コンラッド。息子を愛せない母ベスと、家族の平穏を必死に保とうとする父カルビン。それぞれの胸に秘めた苦悩と葛藤。コンラッドは精神科医との対話を通じて、心の奥底に押し込めた感情と向き合い始める。果たして、バラバラになった家族の心は、再び一つになることができるのか。その再生への道のり。

1950年代アメリカ、国民的クイズ番組の裏で渦巻く欲望と不正。真実を暴こうとする若き調査官の孤独な戦い。

舞台はテレビが家庭に普及し始めた1950年代のアメリカ。ハーバード出の若きエリート調査官リチャード・グッドウィン。彼の任務は、国民的人気を誇るクイズ番組「21」に浮上した八百長疑惑の調査。きっかけは、敗退した挑戦者からの告発。グッドウィンの目的は、番組のスター解答者チャールズ・ヴァン・ドーレンやテレビ局が隠蔽する不正の証拠を掴むこと。しかし、富と名声、そしてメディアが作り出す虚像が、巨大な壁として彼の前に立ちはだかる。真実を追求する彼の孤独な戦いの記録。

20世紀初頭のモンタナ。フライフィッシングという芸術で結ばれた兄弟の、美しくも切ない人生の物語。

20世紀初頭のアメリカ、モンタナ州。厳格な牧師の父からフライフィッシングを教わった兄弟、真面目な兄ノーマンと奔放な弟ポール。彼らの人生は、故郷を流れる川のように時に穏やかに、時に激しく交差する。東部の大学から帰郷したノーマンは、ジャーナリストとして成功しながらも危険な賭け事に溺れるポールの危うい姿を目の当たりにする。弟を救いたいと願う兄と、助けを拒む弟。二人の心を繋ぐのは、父から受け継いだフライフィッシングの美しいリズムだけ。雄大な自然の中で描かれる、家族の愛と葛藤、そして避けられない運命の物語。

リンカーン大統領暗殺事件、唯一の女性容疑者。国が求める復讐の中、若き弁護士が真実を求め立ち上がる法廷サスペンス。

舞台は1865年、南北戦争終結直後のワシントンD.C.。戦争の英雄であり、若き理想に燃える弁護士フレデリック・エイキン。彼が不本意ながら引き受けたのは、リンカーン大統領暗殺の共謀者として逮捕された下宿屋の女主人メアリー・サレットの弁護。世論が極刑を求める中、エイキンは彼女の無実を信じ、公正な裁判を求める。しかし、軍事法廷は結論ありきで進み、証拠は次々と握り潰され、国家という巨大な権力が彼の前に立ちはだかる。裁判の、そして母の運命の鍵を握るメアリーの息子の行方。エイキンは自らの信念とキャリアを懸けた最後の弁論へ。

一人の男が起こした小さな反乱。それは、巨大開発の波に揺れる小さな町に奇跡を呼ぶ、愛と勇気の物語。

ニューメキシコ州の寂れた町ミラグロ。この土地に巨大なリゾート開発計画が持ち上がり、住民の生活は脅かされていた。そんな中、しがない修理工のホセが、気まぐれから開発業者が独占する用水路の水を自分の豆畑に引き込んでしまう。この些細な行動が、州知事や開発業者を巻き込む大騒動へと発展。ホセは町の英雄に祭り上げられ、住民たちは次第に団結していく。果たして、ホセの豆畑は無事に実を結ぶのか。そして、町に本当の奇跡は起きるのか。ユーモアと温かい視点で描く、人々の絆の再生。

事故で心に傷を負った少女と馬。母娘が最後の望みを託したのは、馬と心を通わせる伝説のカウボーイ。モンタナの大自然が、壊れた絆を静かに癒し始める。

現代のニューヨーク。雑誌編集長アニーの娘グレースは、落馬事故で片足を失い、愛馬ピルグリムも人間不信に陥り心を閉ざす。娘を救いたい一心のアニーは、馬と心を通わせる“ホース・ウィスパラー”トムの存在を知り、最後の望みをかけてモンタナの牧場へ。しかし、都会から来た母娘に対するトムの態度は冷たい。大自然の中、トムの静かで力強い導きが、少女と馬の頑なな心を少しずつ溶かしていく。その姿は、アニー自身の生き方をも見つめ直させ、やがて彼女とトムの間に特別な感情が芽生え始める。家族の再生を描く、魂の物語。

1928年、アメリカ南部サバンナ。かつて天才ゴルファーと謳われたジュナは、戦場での悲惨な体験により、ゴルフも富豪の娘である恋人アデールも捨てて隠匿生活を送っていた。一方、父の後を継ぎアメリカ最高のゴルフコースを完成させたアデールは、宣伝のため人気ゴルファー2人を招くエキシビション・マッチを企画、ジュナは2人に対抗する地元選手として試合に出場することとなる。今ではボールをまっすぐ飛ばすことすらできないジュナの前に、不思議な男が現れ5ドルの報酬でキャディを申し出る。

ロバート・レッドフォードが「大いなる陰謀」以来5年ぶりに監督と主演を兼任して手がけた社会派サスペンス。1969年、「ウェザーマン」と名乗る過激派グループがベトナム戦争反対を訴え連続爆破事件を起こすが、事件後、グループは忽然と姿を消す。それから30年後、元メンバーの1人が逮捕されたことをきっかけに、新聞記者のベンは再び注目を浴びたその事件の真相を追う。ベンはやがて、模範的なアメリカ市民で弁護士のジムという男の存在にたどり着く。危険を察知したジムは偽りの生活を捨てて逃亡を開始し、ベンとFBIはジムを追跡するが……。レッドフォードが逃亡者ジムを演じ、ベン役でシャイア・ラブーフが共演。そのほか、ジュリー・クリスティ、スーザン・サランドン、リチャード・ジェンキンス、クリス・クーパーら演技派がそろう。

トム・クルーズが自らエグゼクティブを務める新生ユナイテッド・アーティスツの第1回作品。ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、クルーズの3人を主演に、対テロ戦争を推し進める若き政治家（クルーズ）と彼の考え方に疑問を抱く女性ジャーナリスト（ストリープ）、そして教え子を戦地へと送り出してしまった大学教授（レッドフォード）のそれぞれの立場や思惑を描きながら、現在のアメリカの対外戦略の問題点をあぶり出す。監督は本作で長編7作目となるレッドフォード。