全6作品。第53回ニューヨーク映画批評家協会賞(1987年開催)の映画ランキング

わずか3歳で清朝最後の皇帝となった男、愛新覚羅溥儀。激動の歴史に翻弄された彼の孤独な生涯の物語。

舞台は20世紀初頭の中国、紫禁城。わずか3歳で清朝最後の皇帝に即位した溥儀。しかし、辛亥革命によってその座を追われ、広大な宮殿が彼の鳥かごとなる。西洋の家庭教師との出会いを経て外の世界へ憧れを抱くも、時代の波は彼を日本の傀儡国家・満州国の皇帝へと押し流す。権力という虚構の中で見失う自己。第二次世界大戦後、戦犯として囚われた彼が、一人の人間として自らの人生を振り返る時、何を見出すのか。壮大な歴史絵巻。

1950年代スウェーデン、母親の病気で親戚の元へ預けられた少年。宇宙犬ライカに想いを馳せ、懸命に生きる少年のひと夏の物語。

1950年代後半のスウェーデン。12歳の少年イングマルは、病気の母と離れ、叔父の住む田舎町で夏を過ごすことに。そこは、個性豊かな住人たちが暮らす風変わりな場所。いたずら好きな彼は、少女サガとの淡い恋や奇妙な出来事を経験する。辛い時は、宇宙に打ち上げられた犬ライカのことを想い、「それに比べればマシだ」と自分に言い聞かせるイングマル。少年が大人になる入口で見た、世界の輝きと哀しみ。

テレビニュースの舞台裏で繰り広げられる、仕事と恋の三角関係。報道の理想と現実の狭間で揺れる、敏腕プロデューサーの選択。

ワシントンのテレビ局で働く、才能豊かだが気難しいニュースプロデューサーのジェーン。彼女の前に、二人の対照的な男性が現れる。一人は、聡明で取材力もあるが、ルックスに恵まれない記者のアーロン。もう一人は、ハンサムでカリスマ性はあるが、ニュースキャスターとしては未熟なトム。ジェーンは、報道の真実を追求するアーロンに惹かれつつも、視聴者を魅了するトムのスター性に心を奪われる。視聴率至上主義が台頭するテレビ業界を背景に、三人のキャリアと恋が複雑に絡み合う。報道とは何か、そして本当の愛とは何かを問う、大人のための物語。

1960年代、イギリス・ロンドン。貧しい労働者階級から現れ、その才能で演劇界の寵児となった劇作家ジョー・オートン。彼の死後、伝記作家が関係者への取材を通して、その短い生涯を紐解いていく。物語は、彼の長年の恋人であり師でもあったケネス・ハリウェルとの出会い、共同生活、そして破滅的な関係の終わりまでを回想形式で描写。オートンの成功が、二人の創造的な関係のバランスを崩壊させる。名声の光と、その裏に潜む嫉妬と愛憎の闇。衝撃的な結末の裏にあった真実とは。

大恐慌時代のアメリカ。過去の罪に苛まれる元野球選手が、故郷で向き合う自らの人生と、消えかけた愛の物語。

1938年、大恐慌の爪痕が残るアメリカ北部の街オールバニ。かつてはメジャーリーガーとして活躍したフランシス・フェラン。しかし、誤って我が子を死なせてしまった過去から逃れるように、22年間も放浪生活を送るアル中の男。ハロウィーンの夜、彼は故郷に舞い戻る。そこで待っていたのは、同じくアルコールに溺れるかつての恋人ヘレンとの再会。過去の亡霊に苦しみながらも、彼は見捨てた家族との和解を試みる。人生の黄昏に、男が探し求める赦しと救済とは。

悪魔と3人の美女が巻き起こすファンタスティック・ホラー・コメディ。製作はニール・カントン、ピーター・グーバー、ジョン・ピーターズ、エグゼクティヴ・プロデューサーはロブ・コーエン、ドン・デヴリン。監督は「マッドマックス　サンダードーム」のジョージ・ミラー、脚本はマイケル・クリストファー、原作はジョン・アップダイク（新潮社刊）、撮影はヴィルモス・ジグモンド、音楽はジョン・ウィリアムス（2）が担当。出演はジャック・ニコルソン、シェール、スーザン・サランドン、ミシェル・ファイファーほか。