若くして芥川賞を受賞したもののスランプに陥っている小説家と、本を読みも書きもしない自称「天才小説家」の義理の姉妹が、同居生活の中で繰り広げる諍いを描いたホームコメディ。都市と地方の文化資本格差を背景に、才能の有無に悩まされる者たちの苦悶を描く。監督の鴨井奨平が、自身の出身地である新潟県津南町でロケ撮影を敢行して手がけた。
大学時代に初めて執筆した小説が芥川賞を受賞し、一躍有名作家になった和泉朱莉は、結婚を機に地方にある夫の実家で、彼の両親と同居を始める。東京とは異なる、自然豊かな土地での穏やかな暮らしを期待していた朱莉だったが、10年以上家を離れていた夫の姉・吉村晴海が突然帰省してくる。晴海は「天才小説家」を称するものの、小説を書くことも読むこともせず、働きもせず、家で食べて寝て過ごすだけの、いわゆるニートだった。朱莉は当初、晴海と仲良くしようと試みるが、晴海はなぜか朱莉に敵意を向けてくる。デビュー作以降、小説を書くことができなくなっていた朱莉は、プレッシャーから逃れるように地方での生活を選んだが、そのことを晴海に指摘されてしまい……。
インディーズ映画の登竜門として知られる第18回田辺・弁慶映画祭でコンペティション部門に選出されるなど、各地の映画祭で上映された。「僕の町はお風呂が熱くて埋蔵金が出てラーメンが美味い。」「青すぎる、青」の原愛音が朱莉役、「宮田バスターズ(株)」などで知られる大須みづほが晴海役を務めた。
ネット上の声
- タイトルに惹かれて観たけど、想像以上に深かった。物書きじゃなくても、何かを生み出す人には刺さるはず。自分も頑張ろうって思えた。
- 主人公の葛藤がリアルで、他人事とは思えなかった。ラストは鳥肌!
- 最高の人間ドラマ!
- 静かな映画だけど、心にズシンとくる。セリフの一つ一つが重くて、考えさせられることが多かったな。
ヒューマンドラマ
- 製作年2024年
- 製作国日本
- 時間58分
- 監督鴨井奨平
- 主演原愛音