自主製作で短編作品などを手がけてきた新鋭・小辻陽平監督の長編デビュー作で、孤独を抱えた人々のあてどない旅を描いたロードムービー。生と死をめぐる、交わることのない2つの物語を、SF映画のような独特の雰囲気で映し出した。
交通量調査員として働く達也は、身体が不自由になってきた母と2人暮らし。夜ごとにトイレに付き添うなど、日常的な母の介助に応じている。仕事はただ数を数えて記録するばかりで、そんな生活のどこにも居場所を見いだせずにいる。一方、顔見知りだった独居老人の部屋へ毎日のように通い、植物状態の老人の世話をしている青年クラゲ。団地は老朽化により、もうすぐ取り壊されようとしていた。ある日、幼なじみの雨と久しぶりに再会したクラゲは、団地の取り壊し期限が迫るなか、雨と2人で老人を連れてバンで旅に出る。
脚本づくりや演出において「即興」を重視し、監督と俳優たちが対話を重ねながら作り上げた。達也役は「ピストルライターの撃ち方」などインディーズ映画で活躍する奥津裕也、クラゲ役はシンガポール人の父と日本人の母を持つリー正敏。2023年・第36回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品された。
ネット上の声
- 本当によく行く公園、見覚えのあるような光、言葉以上のダンス 何を見ているのかわか
- 体調と館内の暖房のせいで、冒頭20分間うつらうつらしてしまったので正しい評価は不
- 言葉は極端に少なく絵を積み重ねて語る映画で、印象に残る好きなカットが多かった
- 生きているのと死んでいるのとの間にある曖昧な時間と場所での戯れと彷徨
ヒューマンドラマ
- 製作年2023年
- 製作国日本
- 時間167分
- 監督小辻陽平
- 主演奥津裕也