大学生時代に手がけた初監督の短編「ひとひら」で、京都国際学生映画祭の審査員特別賞を受賞するなどの実績を残した吉田奈津美監督による長編作品。自分の思いを口に出せずにもがく、不器用な年頃の主人公たちの複雑な心境を、少ないセリフと甘美な映像で描き出す。
かつて大きな森に囲まれていた町。そこには古くから天狗による神隠しの伝説があった。結衣は、最後に残った林の伐採が決まったことをきっかけに、11年前、かつて神聖な森だったその林で、年子の妹・佳世が神隠しにあっていたことを思い出す。その時、自分も隣にいたのに、なぜ妹が選ばれたのか。そんな思いにとらわれた結衣は、風に揺れる木々に誘われるように、伐採前の林へと足を踏み入れていくが……。
主人公の結衣役を松居大悟監督の「アイスと雨音」で注目された田中なつ(「アイスと雨音」出演時の芸名は田中怜子)、妹の佳世役を吉田監督の「ひとひら」にも出演し、本作では題字も手がけた芋生悠が演じる。また、姉妹を見守る幼なじみの進役を「裸足で鳴らしてみせろ」の諏訪珠理が務めた。
ネット上の声
- 吉田奈津美監督による長編作品は、自分の思いを口に出せずにもがく、不器用な年頃の主
- セリフと話の流れがちょうど過不足なく流れていって、そんなことを思う感覚がすごく懐
- 「加害されなかったこと(性的にまなざされなさったこと)」が自分を劣った存在たらし
- 一つずつ手繰り寄せるようにじっくりと観れたからこそ細かな変化にも気づけました
ヒューマンドラマ
- 製作年2021年
- 製作国日本
- 時間85分
- 監督吉田奈津美
- 主演田中なつ