インディーズ映画界の登竜門とされる第22回TAMA NEW WAVEと第15回田辺・弁慶映画祭の双方でグランプリに輝いた青春エンタテインメント。アイデンティティのゆらぎや創作をめぐるもがきなど、葛藤を抱えながらも前進しようとする高校生のひと夏をみずみずしく描いた。
高校で美術部に所属する朔子は、船のスケッチをしている最中に誤って海に転落。それを目撃していた美術部員の西原が「溺れる朔子」を題材に絵を描いてコンクールで受賞したうえ、その絵が学校に飾られることに。さらに新聞記者から取材を受けた西原は、朔子をモデルに次回作を描くと勝手に発表する。悔しさから絵の道をあきらめた朔子は、代わりに新たな創作に挑戦しようとするが、物事が思うように運ばない。そんなある日、美術室で西原と向き合った朔子は、なぜ自分をモデルに選んだのか西原に疑問をぶつけるが……。
監督は、大九明子監督などのもとで助監督を務めながら中・短編を製作してきた淺雄望。朔子役は主演作「この街と私」で注目された上原実矩、西原役は「ジオラマボーイ・パノラマガール」などで活躍する若杉凪。上原はTAMA NEW WAVEでベスト女優賞、若杉は田辺・弁慶映画祭で俳優賞をそれぞれ受賞。田辺・弁慶映画祭の受賞作品を上映する「田辺・弁慶映画祭セレクション2022」で上映され、2023年3月に単独で劇場公開。
ネット上の声
- 普遍的なテーマに連帯を持って描く、呼吸が深くなるような余韻に
- 天才の人は間違いなく努力の人(習字)
- 監督が脚本を10年かけて温めた力作!
- 《足りない色、足りない部品―
ヒューマンドラマ
- 製作年2021年
- 製作国日本
- 時間82分
- 監督淺雄望
- 主演上原実矩