狂言方大蔵流の能楽師・大藏基誠と康誠の実の親子が本人役で映画に初主演し、伝統芸能をモチーフに「伝えること」という普遍的なテーマを描いた人間ドラマ。小栗康平の助監督を務め、テレビドキュメンタリーなどを手がけてきた土井康一の初長編監督作。650年の伝統を持つ狂言方の家に生まれた大藏基誠は、幼いころに父や兄と訪れた山の稽古場に10歳の息子・康誠を連れてくる。基誠はかつて父が自分にしたように、稽古場の掃除などの手ほどきをしながら、時に厳しく息子に稽古をつけるが、康誠は普段よりも厳しさを増した父に戸惑い、稽古を投げ出しそうになる。そんなある日、近くに住む少女・咲子が稽古場を訪ねてくる。数年前に災害で両親を亡くした過去を持つ咲子は、自分より幼い康誠が懸命に稽古をしている姿に目を奪われる。連綿と続く狂言の伝道世界に生きる家族の歴史を背負った少年・康誠と、家族を失った少女・咲子は静かに交流し、そこから2人の心に小さな決意が芽生える。
ネット上の声
- 【”伝えるという事”狂言師を継ぐ決意をした幼き息子と父の日常の姿と稽古の姿を描いたドキュメンタリ―映画。歴史と伝統ある芸を極める決意は、年齢には関係ないのであろう。】
- 実在の狂言方の親子が本人役を本人が演じる、ドキュメンタリーのようなフィクション作
- なにかしら伝えたいことはあるのだろうなという演出はあるが、特に押し付けがましくな
- 狂言を少し理解しようと、それから民家と窓から見る雪景色に忘れかける日本の原風景を
ヒューマンドラマ
- 製作年2018年
- 製作国日本
- 時間72分
- 監督土井康一
- 主演大藏基誠