虚構性と幻想性に彩られた独特な映画作品を残したほか、オペラ演出なども手がけたスイスの映画監督で、2006年に他界したダニエル・シュミットのドキュメンタリー。1940年代、ホテルを経営する一家に生まれたシュミットは、祖母が語って聞かせてくれる物語に刺激を受け、いつしかホテルのロビーを舞台に、客人をキャストに見立てて物語を作るようになる。60年代、ベルリンの大学に進学したシュミットは、そこでニュー・ジャーマン・シネマの鬼才となるライナー・フェルナー・ファスビンダーと出会い、映画監督の道へと進んでいく。パリ、モロッコ、ポルトガルなどシュミットが撮影でたどった足跡をなぞり、シュミット作品のミューズだった女優イングリッド・カーフェン、親友の映画監督ベルナー・シュレーター、シュミット作品の撮影を担ったカメラマンのレナート・ベルタ、映画研究者の蓮實重彦ら、親交のあった人々の証言なども交えながら、シュミットの人生と作品の映画的探求について紐解く。
ネット上の声
- インタビュー、フッテージ、作品の引用から構築される映像のしっかりしたドキュメンタ
ドキュメンタリー
- 製作年2010年
- 製作国スイス
- 時間83分
- 監督パスカル・ホフマン
- 主演イングリット・カーフェン