フィリピンの生んだ“日記映画作家”キドラット・タヒミックの作品の特集上映〈キドラット・タヒミックの世界〉で上映された1本。95年に日本でも公開された代表作「虹のアルバム」も併映された。上映館はBOX東中野。スペイン人が建てた橋、アメリカの軍用車を改造したジプニー、月ロケットなどをモチーフに、フィリピン社会に染みついた植民地主義を、とぼけたユーモアと温かい詩情、途方もないナンセンスさのなかに炙り出しにするユニークなファンタジー・コメディ。監督は「虹のアルバム」などのキドラット・タヒミックで、第1作である本作はアメリカではフランシス・F・コッポラが配給権を獲得するなど、国際的な注目を集めた。インディペンデント製作で製作、脚本、撮影、編集も自ら担当し、主演もしている。共同撮影はハルトムート・レルヒで、アメリカ人役で出演もしている。美術は現在のタヒミック夫人であるカタリーナ・ミューラーで、本作では主人公がドイツで会う女性として出演もしている。共演はマン・フェリイ、ドロレス・サンタマリア、ジェジェト・ボードリィなど。
- 製作年1990年
- 製作国フィリピン
- 時間95分
- 監督キドラット・タヒミック
- 主演キドラット・タヒミック