全3作品。エルカン・コルチャク・コーステンディルが出演する映画ランキング

口のきけない少女が操る、古の「口笛言語」。森に潜む狼を追う彼女が出会ったのは、社会からの逃亡者だった。

トルコの山深く、孤立した村。25歳のシベルは、生まれつき声が話せず、村人からは不吉な存在として疎外されていた。彼女の唯一の言葉は、この地に伝わる古の「口笛言語」。村での名誉を取り戻すため、森に潜む狼を仕留めようと孤独な狩りを続ける彼女は、ある日、森の中で傷ついた一人の男を発見する。この出会いが、彼女の閉ざされた世界を大きく揺るがす。初めて知る他者との絆と、外の世界への憧れ。しかしそれは、村の厳しい掟との対立の始まりだった。

25年ぶりに現れた父は、放浪の音楽家だった。確執を抱えた父と息子の、過去と向き合う最後の旅路。

舞台は現代のトルコ。弁護士として成功したユスフのもとに、25年間音信不通だった父、ヘシュメトが突然姿を現す。父は、各地を放浪しながら伝統楽器サズを奏でる「吟遊詩人」。病を患い、最後の力を振り絞って、吟遊詩人たちが集う祭典への旅に出ようとしていた。ユスフは、幼い頃に自分を捨てた父への憎しみを抱えながらも、車でその旅に同行することを決意。気まずい沈黙が流れる車内。旅の途中で立ち寄る町、出会う人々、そして父が奏でるサズの音色。それは、父子の間に横たわる長年の空白を埋め、知らなかった真実を解き明かす旅の始まり。