現代イタリアの工場と農地。そこで生きる人々の声なき声と労働の現実を、静謐かつ力強く映し出すドキュメンタリー。
舞台は、現代イタリア。近代化された巨大な工場で働く労働者たちと、古くからの土地を受け継ぎ、黙々と土を耕す農民たち。監督ダニエル・ユイレの厳格な視線は、彼らの日常的な労働風景をただ静かに捉える。繰り返される機械の音、大地を掘り起こす音。そこに交わされる言葉は少ない。しかし、その一つ一つの所作や表情からは、労働の尊厳、自然との対話、そして資本主義社会の中で生きる人々の葛藤が浮かび上がる。セリフやドラマを排し、映像の力だけで人間の営みの本質に迫る、思索的な映像詩。
ネット上の声
- 後の慰めようもないものとか影たちの対話とかみたく山中の景色やそこで台詞を発する人
- 膨大なテキストの朗読が主で、川のせせらぎや鳥のさえずりによるヒーリング効果、ハッ
- 役者は脚本を持って本読みをしているし、モンタージュというよりもはや長回しの連なり
- ヴィットリーニの未完の長編小説「メッシーナの女たち」の交響的な複数の独白からなる
ドキュメンタリー
- 製作年2000年
- 製作国フランス,イタリア
- 時間123分
- 監督ダニエル・ユイレ
- 主演アンジェラ・ヌガラ