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夏の海で夫が忽然と姿を消した。残された妻が彷徨う、愛と喪失、そして現実と幻想の狭間。静かな狂気の物語。
夏のバカンス先、静かな海辺。大学教授のマリーは、愛する夫ジャンと25年間、穏やかな日々を過ごしてきた。しかし、その日常は突然終わりを告げる。ジャンが「少し泳いでくる」と海に入ったまま、二度と戻らなかったのだ。遺体は見つからず、彼の失踪は謎に包まれたまま。夫の死を受け入れられないマリーは、パリの自宅に戻っても、まるで彼がまだそこにいるかのように生活を続ける。彼の洋服に触れ、彼と会話をし、食卓には彼の分の皿を並べる。周囲は彼女を心配するが、マリーの世界ではジャンは生き続けている。愛する人を失った悲しみが、現実と幻想の境界線を溶かしていく。彼女が見ているのは、愛の記憶か、それとも狂気の始まりか。
ネット上の声
- 美しく歳をとる、ってよく聞く言葉ではあるけれど、シャーロット・ランプリングはその
- 32歳にして大人の女性の心や夫婦の機微をこんなに繊細に描くなんて!オゾン監督の才
- やっぱり、シャーロット·ランプリングって、素敵だなぁとしみじみ思う作品でした
- フランソワ・オゾン監督による静かで切なく美しい夫婦のドラマ
ヒューマンドラマ
- 製作年2001年
- 製作国フランス
- 時間95分
- 監督フランソワ・オゾン
- 主演シャーロット・ランプリング
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目的も地図もない。ただ「行く先」だけを求めて車を走らせる男女の、予測不能なロードムービー。
どこまでも続くフランスの田舎道。人生に行き詰まりを感じる男と、過去から逃れるように旅を続ける謎めいた女。ふとしたきっかけで出会った二人は、互いの素性を知らぬまま、衝動的に共に旅を始める。行き先を決めず、気ままに車を走らせる中で出会う人々や出来事を通して、彼らは自分自身と向き合っていく。しかし、女が隠す過去の影が、次第に二人の旅に忍び寄る。この旅の終わりに、彼らは何を見つけるのか。
ネット上の声
- 作家を目指す男性が貧困に喘ぎながらも成長していく姿を描く、ルーダ・ベン・サラ=カ
- 主人公のラビディがお金がなくて軽い気持ちで犯罪に手を染めるのが全く共感できない
- いやいや、映画やから映画としたら許せるけど、いくら金なくても盗みとかやめろよ
- 負のサイクルから抜け出す瞬間が具体描写だったのはお気に入りポイント
ヒューマンドラマ
- 製作年2021年
- 製作国フランス
- 時間84分
- 監督ロウダ・ベン・サラー
- 主演オーレリアン・ガブリエリ
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パリの片隅で、薄れゆく記憶と向き合う一人の男。人生の終幕に彼が見出す、愛と孤独の真実。
華やかなパリのアパルトマン。かつて文壇を賑わせた作家ピエールは、今や病に蝕まれ、孤独な日々を送っていた。彼の日常は、過去の栄光と快楽の記憶、そして容赦なく体を蝕む病との闘い。訪れるのは、若い愛人や昔の仲間たちだが、彼らの存在は慰めであると同時に、過ぎ去った時間と失われたものを突きつける。薄れゆく意識の中で、ピエールは自らの人生を再訪する。愛した人々、書けなかった物語、そして避けられない死。記憶が完全に消え去ってしまう前に、彼が探し求めるものとは何か。一人の男の尊厳と生きた証を静かに、そして鮮烈に描く物語。
ヒューマンドラマ
- 製作年2007年
- 製作国フランス
- 時間108分
- 監督ジャック・ノロ
- 主演ジャック・ノロ