翻訳家の母とその息子の葛藤を通して、複雑な母と息子の関係、大人への目覚めに揺れる少年の心の動きを描き、家族・幸福・愛・孤独・老いといったテーマに迫った一編。旧ソ連ウクライナ出身でオデッサ劇映画スタジオ所属の女性監督キラ・ムラートワの第3作だが、成人向けという条件付きで上映が許可されたものの、結局そのままオクラ入りとなっていた。彼女は社会的弱者や人間の内面の矛盾をあるがままに余すところなく描くという姿勢を貫き通したために、ソ連時代は20年以上にわたって不遇な創作活動を強いられた。86年のペレストロイカ以降、それまで国内で黙殺されていた作品が海外でも日の目を見、本作も87年のロカルノ国際映画祭FIPRESSI賞を受賞するに至って、ムラートワの名は一躍、国際的な脚光を浴びることになった。脚本は女性作家ナターリヤ・リャザンツェワ、撮影は「金色の雲は宿った」のゲンナジー・カリューク、音楽はオレーグ・カラワイチューク。出演はボリショイ・ドラマ劇場のヴェテラン女優で映画初出演のジナイーダ・シャルコ、オデッサの中学生でやはり映画初出演のオレーグ・ウラディミルスキー、「7/6 ソビエトの一番長い日」のユーリー・カユーロフら。
ネット上の声
- ロシアのおかんも喧しいなあ~
- 繋がらないカットを連続させて親子の関係性を意識させて、母を長回しで追って執着心を
- 反復するカット、急な激しいパン、手元や関係のないインサート、明らかに音の大きい音
- ついに非英語圏の映画も無理やり日本語字幕なしで観るようになってしまった
ヒューマンドラマ
- 製作年1971年
- 製作国ウクライナ
- 時間95分
- 監督キラ・ムラートワ
- 主演オレグ・ウラジーミルスキー