光と影が織りなす悪夢。言葉を捨て、映像と音響だけで観る者の感覚を支配する前衛的アートフィルム。
階段を昇り続ける男。宙を舞う司書。仮面をつけた剣士。本作に明確な物語は存在しない。監督パトリック・ボカノウスキーが創造したのは、反復と変容を繰り返す映像の迷宮。特殊レンズで歪められたモノクロームの世界で、日常的な動作は不気味な儀式へと姿を変える。ミシェル・ルグランの妹であるミシェル・ボカノウスキーが手掛けるミュージック・コンクレートが、視覚的な幻惑をさらに増幅。論理を捨て、ただ感覚の洪水に身を委ねる体験。観る者を悪夢の底へと誘う、唯一無二の映像詩。
ネット上の声
- 物体をあらゆる角度、動きから考察している実験映画
- 不気味で恐ろしくも、限りなく美しい
- 遊び心が芸術の始まりと教えてくれる
- 実験映画の最高傑作。発狂スレスレに
- 製作年1982年
- 製作国フランス
- 時間70分
- 監督パトリック・ボカノワスキー
- 主演モーリス・バケ