画家としても活動するパトリック・ボカノウスキー監督の長編映画第1作。あきらかなストーリーは存在せず、光と音による幻想的な映像と不可思議な登場人物たちが繰り広げるシークエンスから成る実験的な作品。天井から吊り下げられた人形を延々とサーベルで突き刺す仮面の男、何度も床に落ちて割れる牛乳の壺、せわしなく本を探しては運ぶ図書館員の男たち……各イメージの撮影には古典的な特殊効果や複雑なセット、特殊合成などが用いられ、撮影や特殊効果、編集をあわせて5年の歳月が費やされた。1982年カンヌ国際映画祭の批評家週間で上映された後、84年にパリで一般公開されると、新たなアバンギャルド映画としてフランス映画界に大きな話題をふりました。日本でも85年に公開され、当時のミニシアターブームとカルト映画人気の潮流にのり、実験映画としては異例の3カ月にわたるロングランを記録した。2020年11月、デジタルリマスター版でリバイバル公開。
ネット上の声
- 物体をあらゆる角度、動きから考察している実験映画
- 不気味で恐ろしくも、限りなく美しい
- 遊び心が芸術の始まりと教えてくれる
- 実験映画の最高傑作。発狂スレスレに
- 製作年1982年
- 製作国フランス
- 時間70分
- 監督パトリック・ボカノワスキー
- 主演モーリス・バケ