現代映画界において特異な位置を占めているロシアの作家アレクサンドル・ソクーロフ監督による文豪チェーホフを仮想の主人公とした作品。その前作である「セカンド・サークル」と次の「静かなる一頁」で三部作をなす。一人の青年がチェーホフと思われる番人に出会い、幻想的な体験をする過程を描くが、三部作に共通して終末的な世界観が提示されている。製作はユーリー・トーロホフ、エグゼクティヴ・プロデューサーはタモラ・モジリニコヴァ、脚本は「日陽はしづかに醗酵し…」及び、『痛ましき無関心』など、文学の映画化作品にも欠かせないユーリー・アラボフ、撮影はソクーロフの初期からほとんどの作品を手がけているアレクサンドル・ブーロフ、編集も同じくソクーロフ・スタッフの一員と言えるレダ・セミョーノワ、美術をウラジミール・ソロヴィヨフ、衣装をリディア・クロコヴァがそれぞれ担当。音楽はピョートル・チャイコフスキーの『エフゲーニ・オネーギン』、W・A・モーツァルトの『ピアノ協奏曲第23番』、また『静かなる一頁』にも聞こえてくるG・マーラーの『亡き子をしのぶ歌』が使用されている。出演は「セカンド・サークル」に続きピョートル・アレクサンドロフ、レニングラード演劇大学を卒業し、映画初出演のレオニード・モズゴヴォイ、また彼らの間を一匹の鶴が彷徨する。
ネット上の声
- 鑑賞中のトリップ感覚が心地よい
- ユーロスペースのソクーロフ特集
- 「静かなる一頁」位までの、ただひたすら幻想的で色々よくわからぬものを混ぜて誰も真
- 古屋敷の番人の青年とチェーホフの幽霊が交流を深めていくお話
ヒューマンドラマ、 サスペンス
- 製作年1992年
- 製作国ロシア
- 時間88分
- 監督アレクサンドル・ニコラエヴィッチ・ソクーロフ
- 主演ピョートル・アレクサンドロフ